FIA会長選に女性候補2人目 元モデルのヴァージニア・フィリポが出馬
33歳のモータースポーツジャーナリストで元モデルのヴァージニア フィリポ(Virginie Philippot/ヴィルジニー・フィリポー)が、FIA(国際自動車連盟)会長選挙に立候補を表明した。これにより、2025年12月に行われる選挙に出馬する2人目の女性候補者となる。彼女の発表は、史上初の女性候補者としてローラ・ヴィラールが出馬を表明してから2週間も経たないうちのことだった。

FIA会長選挙は2025年12月12日にウズベキスタンで実施される。当初は現職のモハメド・ビン・スライエム会長と、元レーススチュワードでアメリカ人のティム・メイヤーによる一騎打ちと見られていた。

9月29日(月)、フィリポーはInstagramの投稿を通じてFIA会長選への出馬を明らかにした。投稿のキャプションで、彼女はモータースポーツ統括団体に対する自身のビジョンを示し、最初の女性候補ではなく(その立場はヴィラールが獲得したが)、自分が最後にならないようにしたいと述べた。

「私はFIA会長選に立候補します。『初めて』になるためではなく、私が最後にならないようにするためです。モータースポーツは現実の世界を映し出すべきです。大胆で、多様で、そして一体となって。グローバルなビジョンと深いルーツを持つ女性として、長い間閉ざされてきた扉を開けたいと思います。すべての声、すべての物語、すべての情熱を包み込む真に包括的なFIAを共に築きましょう。未来へのレースは今始まります」と33歳のフィリポーは記した。

ヴィルジニー・フィリポーは1992年2月11日にベルギーのウッセルで生まれた。ブリュッセルのECSヨーロピアン・コミュニケーションズ・スクールでコミュニケーションを学んだ。彼女はテレビ司会者やモータースポーツジャーナリストとして活動し、レッドブル・レーシングなどのブランドのイベントを取材した経験もある。

また彼女はフランスのリアリティ番組『シークレット・ストーリー』のシーズン6に出演したことがあり、今年7月にはミス・ユニバース・コンゴ民主共和国大会に出場したが、のちに辞退した。

フィリポーはコンゴ民主共和国の問題について積極的に声を上げてきた。彼女のNGO「Drive for Hope」は孤児の支援や教育援助を行っている。2025年3月には、東部での武力紛争により避難を余儀なくされた人々を支援するため、GoFundMeで募金活動を開始した。こうしたコンゴへの関心は、母親が東アフリカのタンガニーカ出身であることに由来するようだ。

フィリポーのFIA会長選出馬表明は、モータースポーツにおける女性の役割強化と、より包括的な組織を目指すという点で、ライバル候補のヴィラールの主張とも響き合うものだった。

28歳で史上最年少のFIA会長候補となったローラ・ヴィラールは、モータースポーツ界の影響力ある女性たちについて言及した。『Motorsport-Total』のインタビューで彼女は次のように語っている。

「私は常に女性のために闘ってきました。そして、F1アカデミーで活動したスージー・ヴォルフのような女性を本当に尊敬しています。過去には偉大なドライバーだったミシェル・ムートンもそうです。障壁を打ち破ってきたすべての女性を尊敬しています。そして現代において、特に女性として、また若者として、障壁を打ち破るべき時が来たと思っています」

さらにヴィラールは「FIAを女性や新しい世代に開かれた存在にしたい」とも強調した。彼女が出馬を表明した際、FIAはスイス人ドライバーであるヴィラールから正式な立候補の届け出はまだ受け取っていないと述べている。

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)