FIAはF1ドライバーを「マーケティング用の操り人形」にしていると有識者
FIA(国際自動車連盟)は、悪態をつく行為を繰り返したドライバーに対してレース出場停止や選手権ポイントの減点などの処分を下すことで、ドライバーを「マーケティング用のマペット(操り人形)」に変えようとしている。

これは、RacingNews365との対談で、FIAの国際スポーツ法規の最近の改定について問題提起したレーシングドライバーのトム・コロネルの見解である。

FIAは最近、ドライバーが公の場で悪態をついたり、個人的な意見や政治的、宗教的な主張をしたりした場合に課される可能性のある厳格な新たな罰則を公表した。F1の統括団体は、ルールを改正し、最初の違反には罰金が科せられるが、違反を繰り返すと処罰が厳しくなり、最終的には1か月の出場停止処分と選手権ポイントの減点につながる可能性があると規定した。

ベテランレーシングドライバーのコロネルは、このルールを批判し、FIAはドライバーの個性を奪っていると述べた。

「モータースポーツに長年携わってきた後で、このようなことが起こらなければならないのは馬鹿げている」とコロネルはRacingNews365に語った。

「私はまったく同意できない」

「スポーツとは感情であり、その感情をスポーツから排除すべきではない。なぜなら、そうすることでスポーツが面白くなくなってしまうからだ」

「彼ら(FIA)がすべてをコントロールしたがっているのは明らかだ。FIAの問題は、ルールが増えれば増えるほど問題も増えることだ」

「もう楽しくない。彼らはすべてをカバーして、自分たちの側から100パーセントの秩序を保ちたいのだ」

「彼らは明らかにドライバーをできるだけ黙らせたいと思っている。それがその背景にあるものだ。感情がすべて取り除かれてしまっていると感じる。もはや意見を述べることは一切許されず、ただのマーケティングの操り人形になってしまう。口止めされているのだ」

FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは昨年、F1ドライバーたちから批判を受け、グランプリ・ドライバー協会は彼らの懸念を訴える公開書簡を発表した。

FIAが昨シーズン、シンガポールで初めて悪態を厳しく取り締まったのは、マックス・フェルスタッペンが記者会見で発言したことが原因で、その結果、社会奉仕活動を行う義務が課された。

今回新たに定められた制裁措置が文書化されたことで、コロネルはドライバーたちがガイドラインをあまり重視しないのではないかと疑っている。

「感情は残るものだ。ドライバーたちは大金を稼いでいるのに、1万ドル(初犯の場合)しか払わない。そんなことなど気にも留めないだろう」

「感情を止めることはできない。制限を設ける必要があることは理解しているが、感情を止めることはできない」

「怒っている人は怒っているし、感情を持っている人は感情を持っている。それを止めることはできない」

「楽しさや感情という観点で考えると、多くのドライバーにとってフラストレーションが溜まることになるだろう。もはや自然なことではなく、マペットショーのようになってしまいそうだ!」

“ファック”などの言葉を使うことが許されるかという質問に対して、コロネルは次のように答えた。「もちろん! それによって誰かを傷つけるわけではない。ただ、感情がそう言わせるだけだ」

「では、今、どうやってそれを表現するつもりだ?もう『あいつが僕を突き落としたんだ、あの野郎(motherfucker)』とは言えない。そうなると、『まあ、信じられない、あいつは本当に悪党だ(naughty)』となる」

「スポーツから感情が排除されるのは、まったくもって馬鹿げている。それがスポーツをスポーツたらしめているのに。まったく理解できない」

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)