フェラーリF1 オーストリアGPで“魔法のような”新燃料投入 エンジン性能向上へ勝負
スクーデリア・フェラーリは今週末のF1オーストリアGPで、大きな注目を集めるパワーユニットアップグレードを投入する見通しだ。新たな燃料と組み合わせた独自の開発アプローチにより、エンジン性能の向上を狙っている。

FIAのADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)制度によって追加開発の権利を得たフェラーリは、メルセデスとの差を縮めるだけでなく、マシン全体のパフォーマンス向上を目指している。

フェラーリが進める異例の高温エンジン戦略
フェラーリは今季、エンジン内部へ送り込む空気の温度を他メーカーよりも高く設定する独自のコンセプトを採用している。

一般的なF1パワーユニットでは吸気温度を70~80度程度に抑えることが多いが、フェラーリは約100度で運用していると報じられてきた。

高温化は熱効率の面で不利になる可能性がある一方で、冷却システムやボディワーク設計の自由度を高めるメリットがあるとされる。結果として空力性能を優先したマシン設計が可能になり、フェラーリはこの方向性に一定の手応えを得ているようだ。

今回のオーストリアGPでは、その上限をさらに引き上げ、110度近辺での運用を目指しているとイタリアメディア『Motorsport IT』は伝えている。

新シェル燃料との組み合わせで出力向上を狙う
今回のアップグレードの鍵となるのが、シェルが開発した新仕様の燃料だ。

報道では、エネルギー密度を高めた「高カロリー燃料」と表現されており、フェラーリの高温運用コンセプトと組み合わせることで、これまでにない性能領域へ到達することを目指しているという。

この取り組みは現地メディアから「魔法のようなトリック」とも評されている。

フェラーリはADUO制度の評価において、ベンチマークとされたレッドブル・フォード製パワーユニットに対し4~6%程度の性能不足が認定されたとされる。そのため追加アップグレード枠を活用し、エンジン出力向上を進めている。

エンジンだけでなく空力効率改善も重要課題
フェラーリの狙いは単純な馬力向上だけではない。

ストレートスピード改善には出力増加と同時に空気抵抗の削減も重要であり、今回の高温コンセプトはその両面に貢献する可能性がある。

マクラーレンのランド・ノリスはバルセロナで、フェラーリが強力なエンジンを手に入れれば「ライバル勢にとって恥ずかしいレベルになる」と語っていた。SF-26のシャシー性能を高く評価しているからだ。

もしフェラーリがレッドブル・リンクでメルセデスと互角以上の戦いを見せることができれば、このアップグレードの効果を示す重要な証拠となるだろう。

タイトル争いへの試金石となるオーストリアGP
オーストリアGPは一般的に高出力エンジンが求められるサーキットとして知られており、メルセデス勢が有利と見られている。

一方で、メルセデスは今季バッテリー関連の信頼性問題に苦しんでおり、一部ではオーストリアGPでパワーユニット出力をやや抑えて運用する可能性も報じられている。

その状況でフェラーリのアップグレードが期待通りの成果を発揮すれば、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールは優勝争いへ本格的に加わる可能性がある。

オーストリアGPでの結果は、フェラーリが2026年のドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方で本格的な挑戦者になれるかを占う重要な週末となりそうだ。

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / F1オーストリアGP