ルイス・ハミルトン フェラーリF1での苦戦は「環境適応の難しさ」とコスタ

これについて、元メルセデスの技術幹部で現在ダラーラのテクニカルボスを務めるアルド・コスタが、ハミルトンの“適応の難しさ”を語った。
1996年F1世界王者デイモン・ヒルは、エルカーンの発言について「軽率だった」と指摘。
「シーズンは明らかにうまくいっていない。ハミルトンの加入が発表された時は株価も上がったのに、今はまた下がっている」とした上で、「でも、あの発言は軽率だった。助けにならない」と語った。
ジェンソン・バトンも、エルカーンは“まず直接話すべきだった”と苦言を呈した。
「フェラーリの赤いガレージには2台しかないんだから、ドライバーを探しに行くのは簡単だ。『それは良くない、うちはそういうやり方はしない』とか、『なんでそういうことを言う必要があるんだ?』と、直接言えばいい」と話した。
ハミルトンの“初のイタリア文化圏”が壁に──コスタが示す適応難度
アルド・コスタは、イタリア『Formula Passion』に対し、ハミルトンが“イングランド外で働くのは初めて”であり、適応の難しさは最初から予想されていたと説明する。
「ルイス・ハミルトンはとても“イングリッシュ”なドライバーだ。これまでイギリス以外で働いたことがない。フェラーリでの最初の数カ月は、本当に難しかったはずだ。スピードを引き出そうとする新しいメカニックたちに慣れる必要があった」
コスタは、ハミルトンが最高のパフォーマンスを発揮するには“完全に信頼できる内なる輪(インナーサークル)”が不可欠だと強調する。
「ルイスは、心から信頼できる人々に囲まれた時に力を発揮する。レースエンジニア、テクニカルディレクター、チーフデザイナー──彼は、彼らが自分を勝たせるために動いていると感じる必要がある」
「ルイスは真のチームリーダーだ。その環境に居心地の悪さがあると、トラック上でスピードを失う」

“愛される先輩”ルクレールの存在も壁に
コスタは、もうひとつの要因として“フェラーリに長く在籍し、愛されているシャルル・ルクレールの存在”を挙げる。
「フェラーリでは、いくつかの困難があっただろう。彼の隣には非常に速く、長年チームに在籍し、愛され尊敬されているチームメイト(ルクレール)がいる」
「ハミルトンには細心の注意を払う必要がある。彼を正しい方向へ“優しく導く”必要があるんだ」
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ
