ジョゼ・モウリーニョ フェラーリに同情「F1界のレアル・マドリード」

最近のフェラーリは再び厳しい週末を過ごしており、チーム代表フレデリック・バスールの将来を巡る噂も渦巻く中、シャルル・ルクレールは予選Q3でのミスの直後、無線で自己嫌悪を爆発させた。
9秒間で9回の罵声を浴びせたルクレールは「俺はクソみたいにダメだ、それがすべてだ」と自分自身に怒りをぶつけた。
Q3ではルイス・ハミルトンもミスを犯し、バスールからは珍しくドライバーを名指しで批判する声が上がった。
「数戦前までは構造的な問題だったが、今回は単純にミスだった」とバスールはSky Italiaに語った。「クルマの速さはあったが、2人のドライバーが決定的なラップで全てをまとめきれなかった。我々はそこを改善しなければならない」
冷静さを取り戻したルクレールも、すべてを自分の責任とすることは拒否した。
「毎回マイクの前で“これが足りなかった”とか“あれが悪かった”と言うのにはもううんざりしている」と語ると、「去年のマシンで感じられたものが、今年の予選では感じられない」と続けた。
「明確な問題があって、予選では特にそれが表面化する。マシンには奇妙な挙動があるけど、それがどこから来ているかは分かっている」
さらにルクレールは意味深なコメントを加えた。
「僕たちがこれまで一度も口にしてこなかった“何か”がマシンにはある。それについて話さない方がいい。でも、今まさにその問題に悩まされていて、解決策が早く見つかることを願っている」

そんな中、前戦シルバーストンではひときわ目立つ存在がパドックを訪れていた。伝説的サッカー監督であり、今なお強い影響力を持つジョゼ・モウリーニョだ。
フェラーリが直面する苦境について問われたモウリーニョは、「フェラーリはF1界のレアル・マドリードだ」と表現。
「レアルでは、白いユニフォームを着た瞬間にもう1-0でリードしていると言われる。同じように、フェラーリの赤を着てコースに出れば、勝っている気分になる」と語った。
「赤を着ることは夢でもあるが、同時に大きな責任でもある。重要なブランドを背負う以上、プレッシャーがかかるのは当然だ」
そのプレッシャーにどう立ち向かうべきかという問いに、モウリーニョはこう答えた。
「勝つことだ。プレッシャーに打ち勝ち、自分を信じるしかない。オーナーもファンも待ってはくれないけれど、監督でも選手でもチーム代表でもドライバーでも、自分とチームメイトを信じることがすべてだ」
今季トップ4チームのうち、いまだ1勝も挙げていないのはフェラーリだけ。重圧と失望の狭間で、チームが本当の「勝利」を掴める日は来るのだろうか。
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ