2025年F1 エミリア・ロマーニャGP:注目すべき5つのストーリー
F1エミリア・ロマーニャGPから今季初のヨーロッパラウンドが本格的に始まり、F1は今季2度目の3連戦に突入する。2回のスプリントと4回の通常グランプリを経て、すでに多くのドラマが展開されてきたが、ドライバー交代やチーム代表の退任といった動きもあり、話題に事欠かない。そして迎えるイモラでは、多くのチームがアップグレードを投入すると見られており、今後数戦に大きな影響を及ぼす可能性がある。F1の勢力図に変化が生まれるかどうか、注目の一戦となる。

コラピントの復帰
2025年のF1シーズンはまだ6戦を終えたばかりだが、すでに3度目のドライバー交代が発生している。ただし、そのうち2件は角田裕毅とリアム・ローソンの交代によるもので、今回はフランコ・コラピントがアルピーヌでレースシートに復帰するという新たな動きだ。

ジャック・ドゥーハンは、開幕6戦で幾度かのポテンシャルを見せたものの、ポイントを獲得できず苦しいスタートを余儀なくされ、再びリザーブドライバーに降格された。

コラピントは昨年末のウィリアムズでの印象的な活躍を受けてアルピーヌに加わって以降、常に出場のチャンスを待っていた。そして今回、アルピーヌは彼が今後少なくとも5戦にわたりドゥーハンの代役を務めることを正式に発表した。

エミリア・ロマーニャGP F1 フランコ・コラピントフランコ・コラピントはF1エミリア・ロマーニャGPでアルピーヌのレースシートに復帰する

現在、オーストリアGPとイギリスGPの間には次なるドライバー評価の機会が予定されており、これは今季の残りだけでなく、2026年のピエール・ガスリーのチームメイト候補としても、コラピントに大きなプレッシャーを与えることになる。

最後にF1でレースを行ってから5か月ぶりとなるコラピントは、イモラで勢いをつけ、特にモナコを含む3連戦の中で流れを掴みたいと意気込んでいる。

オークスの退任
アルピーヌではドライバー交代に加え、チーム代表オリバー・オークスがイモラを前にして突然チームを去るという大きな変化も起きている。

ドライバーラインアップの変更についてはマイアミGPの週末を通じて多くの憶測が飛び交っており、ある程度予想されていたが、オークスの辞任は完全なサプライズだった。チームは、前戦終了からわずか48時間後に、彼が即時辞任したことを発表した。

今後はフラビオ・ブリアトーレがオークスの職務の一部を引き継ぐと見られており、イモラでメディア対応を行う可能性もある。

エミリア・ロマーニャGP F1 アルピーヌF1チームオリバー・オークスはマイアミGP後にアルピーヌF1のチーム代表職を辞任した

アップグレードの本格投入
マイアミでは一部のチームが新パーツを投入していたが、スプリント週末という形式上、金曜のフリー走行が1回のみで予選やレースが始まるため、多くのチームが投入を見送った。

そのため、ほとんどのチームはイモラに向けて、より大規模なアップグレードパッケージを用意している。イモラでは3回のフリー走行セッションが設けられており、アップデートを正確に評価することができる。また、ヨーロッパラウンドはファクトリーからの距離が短いため、パーツの輸送も容易になる。

さらに、イモラは3連戦の初戦にあたり、アップグレードの効果がモナコ、バルセロナまでの計15日間にわたって問われることになる。

マイアミで優位に立ったマクラーレンは、昨年の経験から大規模アップグレードの威力をよく理解している。イタリアで勢力図に変化が起きる可能性もある。

巻き返しを狙うフェラーリ
今週末のアップグレードで確実な前進が求められているのがフェラーリだ。

F1マイアミGPは、今季ここまでで最も厳しい週末のひとつだった。開幕から6戦で表彰台はわずか1回、スプリント勝利も1度だけ。中国ではダブル失格となり、チームとしての獲得ポイントは100に届いていない。

その結果、フェラーリはコンストラクターズ選手権で4位となり、首位マクラーレンに152ポイント差をつけられている。夏休み前にタイトル争いから脱落しかねない状況だ。

マイアミでは、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンが7位と8位に終わり、アレックス・アルボンのウィリアムズ(5位)に敗れるという衝撃の結果となった。

エミリア・ロマーニャGP F1 スクーデリア・フェラーリマイアミ・インターナショナル・オートドロームではフェラーリがアレックス・アルボンのウィリアムズに敗れた

レース週末に「5番目に速いマシン」であることは、今季のフェラーリが想定していた姿ではない。しかしハミルトンは、改善すべき弱点が明確に把握されており、近くパフォーマンス向上が見込めると自信を見せている。

その第一歩を踏み出すには、ティフォシが詰めかけるイモラ、そしてフェラーリの名が冠されたサーキット以上の舞台はないだろう。

ヨーロッパラウンドの幕開けにふさわしい名門サーキット
すでに6戦を終え、F1はいよいよ今季初のヨーロッパラウンドを迎える。

開幕戦から続いた海外ラウンドを経て、チームのモーターホームが再び登場する。中には新たな設備も加わり、サンテルノ川のほとりにトラックが並ぶことで、パドックは夏に向けておなじみの光景となる。

イモラは2020年にカレンダー復帰を果たして以降、ドライバーやチームから高く評価されてきた。2023年大会は地域を襲った大規模な洪水により中止されたが、レイアウトや自然の背景、そして独特な雰囲気によって特別な存在感を放っている。

フィニッシュラインからタンブレロ・シケインまでの長い全開区間によってオーバーテイクの可能性もあり、昨年はランド・ノリスがマックス・フェルスタッペンを猛追するも、わずか0.7秒差で届かず2位に終わるという劇的な展開が見られた。昨年のイモラではランド・ノリスがマックス・フェルスタッペンを猛追し、0.7秒差でフィニッシュした。

数万人の観客が詰めかけたこの伝統のサーキットで、今年も同様の名勝負が繰り広げられることに期待したい。

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カテゴリー: F1 / F1エミリア・ロマーニャGP