F1
2019年のF1世界選手権 第11戦 ドイツGPの決勝が7月28日(日)にホッケンハイム・リンクで行われた。

5台のリタイア、4回のセーフティカー、2回のバーチャルセーフティカーが導入される荒れた展開となったレースを制したのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)が3位表彰台を獲得し、ホンダF1がダブル表彰台を獲得した。

また、レース後、7位のキミ・ライコネンと8位のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)が規約違反で降格となり、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とロバート・クビサ(ウィリアムズ)が繰り上がってトップ10入りした。

1位:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
「このようなレースで優勝できて最高だし、ホンダF1とともに今季2勝目を挙げられたのもすばらしいことだ。スタートで何が起きたのか自分でもよく分かっていないが、右側のグリッドにいたマシンはみんなグリップが低かったように思う。クラッチをつないだときにはひどいスタートになっていたが、冷静にメルセデスの後ろにつけた。気流が乱れ、路面が乾いてタイヤにも厳しくなっていたので、パスするのはたいへんだった。そこからは、戦略の判断がすべて当たった。スリックタイヤに変えたときには360度回るスピンを喫してしまったが、幸いにも走行を続けることができた。再びインターミディエイトを履いてからはレースをリードしてペースをコントロールすることができたし、マシンのペースを十二分に発揮した。先頭に立ってからはなるべくリスクを避けたが、全体的な感触もよくなっていた。とても難しいコンディションで、サバイバルレースになったし、変化する状況への対処は簡単ではなかった。チームの判断はすべて正しく、他チームの状況やセクタータイムを注視しながら適切な情報を与えてくれた。最高のチームだし、みんなが連携していい仕事をしてくれた。僕にとってはこれまでで最も難しいレースの一つで、そこでトップに立てたのは最高の気分だ。ウエットでのドライビングを楽しんだが、それはマシンがよかったからこそだと思う。自分の腕とマシンの両方が力を発揮できてのこの結果に、とても満足している。(母国オランダのカラーである)オレンジを身につけたファンがたくさん来てくれたし、首位に立ってその光景を目にするのはすばらしかった。チームのみんなに感謝している。たいへんだったけど、最高の決勝日になった」

2位:セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
「大変なレースだった。トリッキーなレースだったが、宝くじみたいで楽しかった。長いレースだったので、すべてを覚えていない。滑りやすいコンディションをインターミディエイトで走ったときなどはとてもきつかった。視界が悪かったが、スタート直後と最初の数周でいくつも順位を上げた。そのあとはインターミディエイトの感触があまりよくなかったので、リズムに乗るのがかなり難しく、タイヤのデグラデーションもかなり高かった。グリップ不足なのかトラックが油っぽいせいなのか、タイヤが劣化しているせいなのかは判断しにくかった。正直、このようなレースでは最後の数周まで、何もあてにならない。最後のセーフティカーが出動したときは8位くらいかなと思った。たくさんの判断を下さなければならなかったが、僕たちはほぼトラックに留まりレースを続けた。スリックでトラックが乾き始めるというコンディションでは感触が良くなったので、順位をたくさん上げることができた」

3位:ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)
「F1での2度目のチャンスとなる今シーズン、こうして表彰台にまた戻って来ることができて最高の気分だ。再び表彰台に上ることは難しいのではないのかと思っていたので、信じられないぐらいうれしい。今はいろいろな感情が高ぶって、少し落ち着く時間が必要かもしれない。トロロッソにとってベッテルがモンツァ(2008年イタリアGP)で優勝して以来の表彰台という、すばらしい結果になった。そんな記念すべき日に貢献することができ、とても幸せだ。チームのみんな、一人一人のおかげです、本当にありがとう。ここのところ、自分のキャリアの中でもっとも良い状態だと感じていた。今シーズンは自分自身でも成長し、冷静に考えることを覚え、上位争いができる準備は整っていると感じていたので、今日のこの結果で自分自身に、そして周りの支えてくれた人たちに証明することができた。この結果を一度とは言わず、また何度も繰り返せるようにしていきたい。今日のようなレースは簡単なものではなく、あのタイミングでのピットインの判断はとても難しいものだった。チームと僕にとってともに勝つも負けるも半々の確率だったが、今日は共に表彰台を勝ち取ることができたすばらしい結果になった」

4位:ランス・ストロール(レーシングポイント)
「本当に満足している。なんてアメージングな日だ! 今日の午後に起きたあらゆることを考えれば、4位は最高の気分だ。僕はレースの大半を後ろの方を走っていた。数回スピンしたし、ピットには5回も入った! 4位でフィニッシュするのは特別ではあるけど、表彰台を逃がしてしまったことはがっかりしている。決定的な瞬間はスリックでの2周目か3周目のターン8で犯したミスだと思う。そこでダニール(クビアト)に前に出られてしまった。自分たちより速いクルマを抑えようとベストを尽くしたけど、残念ながら、表彰台にはわずかに手が届かなかった。今日のレースは、決してあきらめてはいけないことを示す好い例だった。最後まで何が起きるかはわからない。チームにとってこの結果がいかに大きな価値があるかを見るのは素晴らしいことだ。コントロールラインを過ぎてピットウオールでみんながお祝いしているのを見るのは本当に特別だ。この重要な結果はチームのみんなのためのものだ。今日はこの瞬間を楽しみたい」

5位:カルロス・サインツ(マクラーレン)
「とても激しく、F1にとって良い日曜日になった。自分に関しては5位にとても満足している。表彰台のチャンスがあったのは間違いないし、それをものにできていたと言うのは簡単だ。でも、セーフティカー中に5番手にいて、周りが誰もピットに入らないという状況でピットストップしてスリックに変えるというのはとても難しい判断だった。僕たちは入らないという決断をして、もっと後ろにいた人たちはそのリスクを冒す余裕があった。全体としては正しいタイミングで正しい判断ができた。賢いレースができたし、プレッシャーがかかる状況でうまくマネジメントできていた。チームにおめでとうと言いたい」

6位:アレクサンダー・アルボン(トロロッソ・ホンダ)
「いいレースになった! このサーキットでのウエットコンディションでマシンがどう反応するか確かではなかったので、スタートは少し慎重になった。F1で初めてこのようなコンディションで走行したが、満足のいくパフォーマンスを見せることができたと思っている。レースペースもよく、すこし運もあったし、最初のピットストップのタイミングの判断も正しい時を見定められた。4番手を走行していた時は「さあ、行くぞ!」ととても興奮した。残念ながらウエットタイヤからドライタイヤに替えるための2回目のピットストップはタイミングを逃し、ダニール(クビアト)の一周後に入ることになり、その間に4台に抜かれてしまった。途中まで4番手で走行できていたからか、6位という結果が残念に感じてしまうのは可笑しいかもしれないね。あの厳しい予選から決勝にはここまで持ち直してくれた、チームのすばらしい働きに感謝している」

7位:ロマン・グロージャン(ハース)
「2台揃ってポイントを獲得できてとてもうれしい。クレイジーなレースだったのは間違いない。自分たちのレースペースの問題はまだ解決できていないと思う。ミッドフィールドは僕たちより前にいて、後ろにいるのはウィリアムズだけだからね。とにかく、生き残る必要があるときに生き残ることができたけど、とても難しかった。トップのドライバーたちでさえみんなコースを外れて行ったのを目にした。本当にトリッキーなコンディションだった。2台揃ってポイントを獲得できてうれしいけど、トロロッソが表彰台に上がったのを見ると、自分があそこにいられたらかもしれない。こうした経験のひとつひとつから学んで、能力を高めていくしかない。今日の僕たちの問題はとにかくインターでもスリックでもレースペースがあまり良くなかった」

8位:ケビン・マグヌッセン(ハース)
「物凄くクレージーなレースだった。最初から最後まで面白かったし、エキサイティングだった。これほど天候が絶えず変わるとタイヤ等の難しい判断を強いられる。今日、僕たちがポイントを獲得できたのは、まだ路面の一部が濡れている段階でドライタイヤをうまく使ったからだ。そこで直接のライバルを追い上げることができた。ただ、路面が乾いてからはペースが遅くて、順位を下げてしまった。2台ともポイントを獲得することはできたが、終始ドライだったらこれと同じ結果は残せなかったと思う」

9位:ルイス・ハミルトン(メルセデス)
「何というクレージーなレース。長い間、チームとして経験したなかで一番難しいレースのひとつだった。レースをコントロールしていると思ったが、スリックに交換するリスクを冒し、そこからレースが崩壊した。ターン16で膨らんだが、まるで氷の上のようだった。ウオールにぶつかってウィングを破損した。ミスをしてその代償を支払った。先頭を走っていたのに11位でフィニッシュした。どうしてこうなったのかまだよくわからないが、それでもとても辛いし、レースが終わってほっとしている。体調が100%でないときは結果を出すのが難しいものだ。次戦までに体調を戻す必要がある。このような1日を経験したら、そこから学ぶものだ。今の僕たちは、ハンガリーに向けて立て直すことが重要だ。最下位から2位まで追い上げたセブのために喜んでいるし、ダニールとトロ・ロッソが表彰台に立ったのもよかった。おめでとう」

10位:ロバート・クビサ(ウィリアムズ)
「今日はクレイジーなレースだったし、路面コンディションはとても滑りやすかった。なんとかミスなくクルマをホームに持ち帰ることができたし、それが最も重要なことだ。ウエットでチャレンジングなコンディションにとってのレースは僕にとって真新しいことではないけど、F1カーでそれを最後に経験してから9年が経っている。記憶がリフレッシュされたのは確かだ」

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カテゴリー: F1 / F1ドライバー / F1ドイツGP