F1ベルギーGP直前情報 ノリスとハジャーのグリッド降格や各チームの最新情報

ここでは木曜日のメディアデーで明らかになった主な話題をまとめる。
ノリスは10グリッド降格が決定
ランド・ノリスは4基目のパワーエレクトロニクスを投入したため、10グリッド降格ペナルティを受ける。
ノリスは、今季前半にエンジンやパワーユニット、制御系などの部品で不運が続き、使用可能なコンポーネントが限られていると説明した。
「今季前半は、エンジンやパワーユニット、コントロール系など、いろいろな部品を失って不運だった」
「スペアパーツという点では厳しい立場にいるけど、それは僕にもチームにもどうにもできない部分がある。それが現実だ。受け入れて、これから受けるペナルティに対処するしかない。ただ、次の2戦よりは、ここでペナルティを受ける方が間違いなくいい」
スパは長いストレートを持ち、オーバーテイクの機会も比較的多いため、グリッド降格から挽回しやすいコースと考えられている。
ラッセルがアントネッリとの差を25ポイントに縮小
ドライバーズランキングでは、キミ・アントネッリが首位を維持しているものの、チームメイトのジョージ・ラッセルとの差は25ポイントまで縮まった。
開幕戦オーストラリアGPを制したラッセルは、オーストリアGPでも優勝。バルセロナとシルバーストンでも表彰台を獲得し、アントネッリの信頼性トラブルも重なったことでタイトル争いに再び接近している。
ラッセルは、ポイント差そのものは意識していないと語った。
「差が縮まったことは素晴らしいけど、そこに集中しているわけではない。可能な限り最高の結果とパフォーマンスを引き出すことに集中している」
「新しいパワーユニットやマシン、タイヤを理解することは、今も難しい課題だ。ただ、いい状態にいると感じている。スパは走るのが好きな場所だし、これまでにもいい思い出がある。楽しみにしている」
一方でラッセルは、自身のドライビングスタイルが現在のパワーユニットやタイヤの要求に完全には合っていないことも認めた。
「僕のスタイルが、パワーユニットやタイヤが求めているものにあまり合っていない傾向が見えている。これまで使ったことのないようなセットアップに適応する必要がある」
「無意識ではなく、意識しながら運転することを強いられているような部分がある。それは少しマイナスでもある。ただ、今は学びの谷にいて、その先で学んだことを生かせるようになることを願っている」

アントネッリは信頼性トラブルからの反撃を狙う
アントネッリは5連勝を記録した後、バルセロナGPでリタイアし、イギリスGPでも16位に終わった。いずれも走行中は上位フィニッシュが見込まれていたが、信頼性の問題によって大量得点を逃した。
「シルバーストンは全体的にとても強い週末だった。それがポジティブな部分だ。すべてのセッションで上位にいて、ペースも良く、難しい状況でも勢いは失われていなかった」
「僕としては、自分の仕事をやり遂げる必要がある。自分でコントロールできることを最大限に生かす。それ以外については、僕にできることはあまりない」
「もちろん悔しいけど、これがモータースポーツだ。こういうことは起こる」
スパでの勢力図については、メルセデスだけでなく、フェラーリ、レッドブル・レーシング、マクラーレンも警戒している。
「僕たちのマシンはすべてのレースで上位にいたので、ここでも強いと思う。ただ、フェラーリはシルバーストンで非常に速かった。特に予選では、いつも何かを見つけてくる。レッドブルやマクラーレンも決して除外できない」
フェラーリは直近3戦で2勝
フェラーリはルイス・ハミルトンがバルセロナGP、シャルル・ルクレールがイギリスGPを制し、直近3戦で2勝を挙げている。
ルクレールは、シルバーストンでの勝利によって自信を取り戻したものの、他のコースでも速さを再現する必要があると強調した。
「気分はいい。前の数戦ではマシンに苦しんでいたので、努力が報われたことはうれしい。ただ、まだひとつのサーキットだけだ。他のコースでも再現する必要がある」
ルクレールはセットアップに小さな変更を加えたことで、以前よりマシンを快適に運転できるようになったと説明。一方で、純粋なパフォーマンスについては、チームがさらに分析すべき部分が残されているという。
スパについては、自身がF1初優勝を挙げた特別な場所であると同時に、2019年に友人のアントワーヌ・ユベールを失った場所でもあると語った。
「とても特別なサーキットだ。ドライバー全員が楽しんでいる場所だと思う」
「ただ、僕はここで友人のアントワーヌを失った。だから、彼のことはいつも頭の中にある」
ハミルトンはフェラーリの継続的な進歩を評価
ハミルトンは今季の戦いについて、序盤から現在の状態に到達できていれば、さらに多くのポイントを獲得できていた可能性があると振り返った。
「今季には比較的満足している。日本やモントリオールで得たものを最初から持っていれば、もう少し強いスタートを切れたかもしれない」
「僕たちは大きく進歩している。特にモントリオール以降は、毎週末少しずつ前進し、全体として最大限の結果を引き出している。その点には本当に満足している」
フェラーリが好調を取り戻した理由として、週末を通じた仕事の精度、マシンへの理解、開発の方向性を挙げた。
「週末を通じた実行力が良くなり、マシンへの理解も深まった。チームはマシンを開発し、ふたりのドライバーが求める方向へ進めるために懸命に働いている」
ただし、スパの長いストレートがフェラーリにどのような影響を与えるかについては慎重な姿勢を示した。
「調子は間違いなくいい。ただ、長いストレートがある今週末に何が起こるかは、正直分からない。それでもこのサーキットは大好きだし、チームが積み重ねている一歩一歩を誇りに思っている」
フェルスタッペン「レッドブルは第二の家族」
マックス・フェルスタッペンは、自身の将来やレッドブル・レーシング残留について明言を避けたものの、チームとの深い関係を強調した。
「レッドブルは僕にとって第二の家族だ」
シルバーストンでの結果に失望した後も、すぐにファクトリーへ戻って次戦の準備を進めたと説明した。
「今のマシンにある問題を修正しようとしている。レース後に失望したり、腹を立てたりすることはある」
「ただ、シルバーストンの後も家に帰り、水曜日にはファクトリーへ戻って、次のレースへ向けてリセットする準備をしていた」
「僕の取り組み方は何も変わらない。人はやって来て、去っていく。それが人生であり、スポーツでもある。ただ前に進み続けるだけだ」
レッドブルは今週末、新仕様ではなく旧仕様のリアウイングに戻す予定。フェルスタッペンは、その理由について「明らかだ」と述べた。
ただし、スパでの競争力については予想が難しいとした。
「明日になれば分かる。僕たちがどのようなパフォーマンスを見せるのかは分からない」
「正直、ここで何を期待すべきか分からない」
ピアストリはマクラーレンを3番手か4番手と予想
オスカー・ピアストリは、現在のマクラーレンがメルセデスやフェラーリに続く3番手または4番手の位置にいると分析した。
「今週末、僕たちがどこに位置するのかは分からない」
「これまでと同じように、レッドブルがどれだけ競争力を見せるかによって、3番手か4番手の速さになると思う。それが今の僕たちの現実だ」
マクラーレンは夏休み前後にアップグレードを予定しているが、ピアストリは一度の改良だけでトップとの差を完全に埋めることは難しいと考えている。
「今後マシンに投入する新しいパーツが助けになることを願っている」
「次の数戦に持ち込むアップグレードだけでは足りないことは理解している。ただ、正しい方向への前向きな一歩になり、何かが起きたときにチャンスを拾える位置に近づければいい」
また、フェルスタッペンのマクラーレン移籍説については、ザク・ブラウンCEOとアンドレア・ステラ代表から伝えられている内容を信頼していると語った。
「ザクとアンドレアが僕に話したこと、そして僕に対する彼らの信頼を信じている」
「僕は今いる場所に満足している。周囲のチームや、物事の進み方にも満足している。彼らの信頼と支援に感謝している」
ハジャーはフェルスタッペンから学ぶ環境に満足
レッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーは、近い将来に定期的に表彰台を争うことを目標に掲げた。
「正直、近い将来には定期的に表彰台を争いたい。チームはその位置にいるべきなので、僕たちはそこを目指している」
「同時に、マックスは非常に印象的な基準だ。彼はグリッドで最高のドライバーなので、ガレージの反対側で毎週末学べることは多い。開幕時から多くの改善ができているので満足している」
ハジャーは今季9戦中6戦でポイントを獲得しており、最高位はモナコGPの4位となっている。
レーシングブルズは中団トップに自信
レーシングブルズのアービッド・リンドブラッドは、直近の好調をスパでも維持できると自信を示した。
「最近の週末と同じ調子なら、かなりいい結果になるはずだ」
「チームはここ数カ月、パフォーマンスを継続的に向上させる素晴らしい仕事をしている。直近の数戦では、明確に中団のトップだったと思う。自信はあるし、いい週末になることを願っている」
リンドブラッドは直近4戦、リアム・ローソンは直近5戦で連続入賞している。
ローソンも今季の状態について前向きに語った。
「とても順調だ。マシンは非常にうまく機能している」
「僕たちはレースをうまくまとめ、探していた改善を見つけることができている。今は自分でコントロールできる部分すべてがうまく進んでいる」
アルピーヌはレーシングブルズとの争いで防戦
アルピーヌとレーシングブルズはコンストラクターズランキング5位を争っており、その差はわずか1ポイントとなっている。
ピエール・ガスリーは、レーシングブルズが直近のレースで優れた仕事をしていると認めた。
「レーシングブルズは最近の数戦で本当に強かった。直近4戦では、両方のマシンでポイントを獲得していると思う」
「彼らは間違いなくいい仕事をしている。僕たちが最近できていたことよりも、いい仕事をしている」
アルピーヌは次のアップグレードを投入するまで、損失を最小限に抑える戦いになると考えている。
「次のアップグレードを投入するまでは、ダメージリミテーションと言いたくはないけど、1戦ずつ戦い、彼らにできるだけ楽をさせないようにすることが中心になる」
「ランキングでは僕たちが1ポイント上にいる。その位置をできる限り長く守りたいけど、難しい戦いになる」
アストンマーティンはハンガリーGPの大規模改良に集中
アストンマーティンは今季、本格的な車体アップグレードをまだ投入していない。ベルギーGPでも苦戦が予想されており、次戦ハンガリーGPで投入予定の大規模改良に期待を寄せている。
フェルナンド・アロンソは、小規模なパーツをレースごとに追加するのではなく、マシンの根本的な問題を見直す必要があったと説明した。
「ファクトリーのみんなが、来週ブダペストに持ち込むアップグレード車両のために非常に懸命に働いている。うまく機能し、工場のみんなに何かを返せることを願っている」
「レースごとにひとつずつパーツをアップデートしても、マシンのDNAを根本的に変えることはできないと思う」
「ときには立ち止まり、マシンの何が間違っているのかを振り返り、調整する必要がある。より根本的な方法で問題に取り組み、マシンの多くの部分を変える必要があるかもしれない。だから正しい決断だったと思う」
ハースは新型フロントウイングを投入
ハースはベルギーGPに小規模なアップグレードを持ち込み、新型フロントウイングを投入する。
オリバー・ベアマンは、夏休み前のベルギーGPとハンガリーGPは厳しい週末になると予想しながらも、アップグレードがマシンへの理解を深める助けになると期待している。
「最近の数戦は厳しかった。正直、夏休み前の次の2戦も同じようになると思う。ただ、それで週末に向けた考え方が変わることはない。全力を尽くすし、準備期間にも懸命に取り組んできた」
「今週末は新しいフロントウイングがある。少しパフォーマンスが上がることを願っているけど、それ以上に重要なのは、チーム側がマシンへの理解を深められることだ。それが開発に大きく役立つ」
「夏休み後には、もう少し大きなパッケージが投入される。それによって前進できることを願っている」
アウディはエネルギー面の弱点を警戒
ニコ・ヒュルケンベルグは今季まだポイントを獲得しておらず、スパはアウディにとって厳しいコースになると予想している。
「ここはパワーとエネルギーに厳しく、かなりエネルギーが不足しやすいサーキットだ。それは僕たちの強みではなかったので、正直、難しい週末が待っていると思う」
「机上では簡単なサーキットではない。ただ、いつものようにレースでは全力を尽くし、すべてを出し切る。何が起こるかは分からない」
一方、ガブリエル・ボルトレトは、シルバーストンでポイントを獲得できたことを前向きに捉えた。
「何戦かポイントを獲得できていなかったので、チームにとって良かった」
「それまでもペースは非常に強かったけど、さまざまな理由で週末をまとめることができなかった。シルバーストンでは予選も決勝もクリーンに戦えた」
「オーストリアからスタートも改善できたので、それも良かった。これから2週連続でいい週末にできることを願っている」
ウィリアムズは本格的な改善をバクーまで待つ
ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンは、他チームの開発速度に追いつけていない現状を認めた。
「直近2戦では、他のチームがアップグレードを持ち込んだ。僕たちもシルバーストンで小さな改良を入れ、それは機能した」
「ただ、中団の他チームとの差を考えると、僕たちが追加しているパフォーマンスだけでは彼らと戦うのに十分ではない」
「僕たちは少し後ろにいる。シーズンのスタートが遅く、アップグレードの投入も遅れた。今は再建段階にあり、やるべきことが多い」
「フラストレーションはあるけど、忍耐が必要だ。舞台裏では多くのことが進められている」
カルロス・サインツJr.も、マシンが開幕時から抱える問題を理解するため、チームが全力で取り組んでいると語った。
「チームとして、今季抱えている問題や、開幕時からマシンに存在している問題を理解するために最善を尽くしている」
「さまざまな遅れによって、期待していたパフォーマンスを発揮できていない。他のチームが僕たちより速く、うまく開発していることも分かっている」
「信じられないほど難しく、全員の人間性が試されるシーズンになっている。それでも状況とパフォーマンスを改善するため、毎戦何かを持ち込もうとしている」
キャデラックはアップグレードに手応え
バルテリ・ボッタスは、キャデラックの最新アップグレードが機能し始めていると説明した。
「ときどき僕たちは本当に争いに加われる。特に予選ペースは改善しているように見える」
「決勝ペースについては、まだ取り組み続けなければならない」
シルバーストンでは2台が完走し、多くのデータを収集できたという。
「シルバーストンでは多くを学んだ。2台とも完走できたのは良かったし、そこで得たものをここでも生かせると思う」
「まだ投入予定のパーツもある。取り組みを続け、ここでさらに進歩できることを願っている」
週末は雨の可能性
ピレリはベルギーGPにC2、C3、C4の3種類のドライタイヤを持ち込む。
一方、週末を通じて散発的な雨や雷雨の可能性があり、インターミディエイトタイヤやウエットタイヤが使用される展開も考えられる。
スパはサーキット全長が長く、コースの一部では雨が降っていても、別の場所では路面が乾いていることがある。急変する天候に対する判断とタイヤ選択が、勝敗を左右する重要な要素となりそうだ。
F1ベルギーGPのセッション開始時刻
2026年F1ベルギーGPのFP1は、現地時間7月17日13時30分、日本時間20時30分にスタートする。
FP2は現地時間17時、日本時間7月18日0時に開始。土曜日のFP3は現地時間12時30分、日本時間19時30分、予選は現地時間16時、日本時間23時に行われる。
決勝は7月19日現地時間15時、日本時間22時にスタートする。
メルセデスのチーム内タイトル争い、復調したフェラーリ、ノリスの追い上げ、レッドブル・レーシングの競争力、そして雨の可能性など、多くの注目点を抱えたベルギーGPがいよいよ幕を開ける。
カテゴリー: F1 / F1ベルギーGP
