F1ベルギーGP 記者会見 PART1:フェルスタッペン「僕の側から話すことは何もない」

会見では、レッドブル・レーシングの競争力とフェルスタッペンの将来、ウィリアムズのアップデート計画、オコンのF1デビュー10周年、シミュレーターの有効性などについて語られた。
Q:マックス、まずお願いします。お気に入りのスパに戻ってきました。今週末、あなたとレッドブル・レーシングにはどのようなパフォーマンスを期待できますか?
マックス・フェルスタッペン:正直、分からない。明日走ってみないと何も言えない。本当にそれだけだ。
Q:オーストリアは好調でしたが、シルバーストンは期待外れでした。直近2戦をどう評価していますか?
フェルスタッペン:その通りだ。だから今週末もどうなるか分からない。考えすぎず、まず走ることが大事だ。
Q:旧仕様のリアウイングへ戻します。その理由を教えてください。
フェルスタッペン:理由は明白だ。旧仕様に戻し、新仕様が再び使える状態になれば、その時点で判断する。
Q:ここ数日、あなたの将来に関する憶測がさらに広がっています。何か進展はありますか?
フェルスタッペン:ない。
Q:その憶測をどう受け止めていますか?
フェルスタッペン:特に何も思わない。
Q:決断する時期は決めていますか?
フェルスタッペン:いや。僕から話すことは何もない。
Q:では2026年もレッドブル・レーシングにコミットしているという理解でいいですか?
フェルスタッペン:話すことは何もないと言ったはずだ。
Q:最後に。マクラーレン育成のドリース・ファン・ランゲンドンクを支援すると発表しました。どのようにサポートし、マクラーレンとはどう役割分担するのでしょうか?
フェルスタッペン:彼はカート時代から際立った才能を見せてきた。特別な才能は早い段階で分かるし、その力はF4でも証明している。彼を支え、導けることを楽しみにしている。もちろんマクラーレンとも連携し、将来に向けて最善の判断をしていきたい。彼の目標はF1だし、実現できるよう力になりたい。とても楽しみなプロジェクトだ。
Q:アレックス、モナコでポイントを獲得して以降は厳しい戦いが続いています。現在のマシンの最大の課題は何ですか?
アレクサンダー・アルボン:ひとつの問題ではなく、すべてが少しずつ足りないという状況だ。直近2戦で共通する決定的な弱点があるわけではない。それ以上に他チームがアップデートを進めている。僕たちもシルバーストンで小規模なアップデートを投入し、狙い通り機能した。ただ、中団勢との差は依然として大きく、改善はできても戦えるところまでは届いていない。
Q:シルバーストンで投入したアップデートには、もっと大きな効果を期待していましたか?
アルボン:いや、ほぼ想定通りだった。もちろん差を縮めたいから、常にもっと大きな効果を期待している。でも実際には、狙い通り機能したと思う。
Q:中長期的に見て、ウィリアムズの進む方向に不安はありますか?
アルボン:ない。僕たちはシーズン序盤のスタートが遅れ、アップデート投入もライバルより遅かった。数も少なく、今はその遅れを取り戻している段階だ。チームは再建の途中で、ファクトリーでも多くの改革が進んでいる。もどかしさはあるが、必要なのは忍耐だ。舞台裏では着実に前進している。ただ、アップデートや開発プロセスには時間がかかっている。一方でバクーには新しいアップデートを投入する予定だ。それで中団勢と戦えるかは分からないが、今年はここまで少し後手に回っている印象がある。
Q:そのバクーのアップデートは、今後の開発にどれほど重要ですか?
アルボン:そこまで大きな意味を持つわけではない。最大の課題はマシン重量を目標まで減らすことだ。チーム内でも重要視していて、今回のアップデートもそこが主な目的になっている。ただ、改善すべき点はほかにもある。ダウンフォースもライバルに及んでいないので向上させる必要がある。同時に来年のマシン開発も早い段階から進めていて、シミュレーター作業も増えている。今年のマシンを諦めるわけではないが、チーム全体として最善の判断をしている。
Q:エステバン、まずは過去を振り返ります。ここスパでマノーからF1デビューして10年になります。当時の週末を覚えていますか?
エステバン・オコン:10年経ったなんて本当に信じられない。体感では2、3年しか経っていないような気分だ。だから今週末は特別だ。当時はデビュー戦で学ぶことばかりだったし、それまでテレビで見ていたフェルナンド、ジェンソン、ライコネンたちとレースをするのは夢のようだった。10年後もここで走れているのは、とても幸せなことだ。
Q:この10年間で得た最大の教訓は何ですか?
オコン:多くを学び、当時とはまったく違うドライバーになった。でも、与えられたマシンで可能な限り上位を目指す気持ちは変わらない。今もステアリングを握れば、全力を尽くしたいという思いは同じだ。
Q:直近2戦は厳しい結果でした。今週末はどのような目標を立てていますか?
オコン:チームとして厳しい2戦だった。今はさらにパフォーマンスを探しているところで、今週末も新しいパーツが投入される。シルバーストンではマシンの力は出し切れたと思うが、それでも十分ではなかった。後方から11位まで挽回したものの、中団勢のペースには届かなかった。そこを改善する必要があることは全員が理解している。今週末か、その後のアップデートになるかは分からないが、前進したい。
QUESTIONS FROM THE FLOOR
Q:マックス、チームは独自パワーユニットへの移行を進めています。来年以降も優勝争いができるマシンを用意できると、どれほど確信していますか? また、エンジニアの流出を懸念していますか?
フェルスタッペン:僕たちは将来を見据えながら、今のマシンの問題を解決しようとしている。そのために率直な話し合いを続けている。レース後に失望や怒りを感じることはあっても、シルバーストンの後は気持ちを切り替え、水曜日にはファクトリーへ戻って次戦の準備を始めた。それが長年続けてきたやり方だ。競争力に差がある年はあっても、取り組み方は変わらない。人が加わることも去ることも、この世界では自然なことだ。もちろん残ってほしい人もいるが、それもスポーツの一部だ。僕たちは前へ進み、新しい才能を見つけ続けるだけだ。
Q:マックス、来年もレッドブル・レーシングから参戦しますか?
フェルスタッペン:僕の将来について、ここで「はい」「いいえ」と答えるつもりはない。何か伝えることがあれば、自分から話す。それは何度も言っている。
Q:エステバン、F1デビュー10周年おめでとうございます。デビュー当時のマノーは資金面で厳しい状況でした。現在のハースF1チームも十分なリソースを持てておらず、それが今季序盤の好調から中団に後退した要因のひとつでしょうか?
オコン:そうは思わない。今の状況を当時のマノーと比べるのは公平ではない。当時はトップから4~5秒遅れていた。昨年を見ても、開発と終盤のアップデートでアブダビでは7位を獲得できた。つまり、僕たちは改善できるチームだ。今週末も新しいパーツを投入し、後半戦にもアップデートを予定している。チームはパフォーマンス向上へ向けて良い仕事をしている。もちろん、もっと多くのリソースがあればと思うことはあるが、それは僕の役割ではない。僕やオリー、チーム全体の役目は、どこを改善すべきかを明確に伝えることだ。今はその作業ができているし、現状に満足せず前進できると信じている。チーム内では率直な議論ができていて、将来に必要なことも明確になっている。あとは実行するだけだ。
Q:マックス、ローラン・メキースがレッドブル・レーシング代表に就任して1年になります。この1年を振り返ってください。
フェルスタッペン:とても良い1年だった。ローランとは非常に良い関係を築いていて、サーキットでもコース外でもよく話をする。彼はチーム内でも良い関係を築いていて、すべてが前向きに進んでいると感じている。チーム代表と何でも話し合えるのは良いことだし、オープンで透明性のある環境にも満足している。
Q:最近は忠誠心という言葉が話題になっています。あなたにとって忠誠心とは何ですか? ドライバーとチームは互いに何を示すべきでしょうか?
フェルスタッペン:長い時間をかけて築く信頼関係のことだと思う。チームが自分のためにしてくれたこと、自分がチームのためにしてきたこと、その積み重ねだ。レッドブル・レーシングとの関係はずっと素晴らしく、僕にとっては第二の家族のような存在だ。
Q:3人に質問します。ルイス・ハミルトンはシミュレーターの時間を減らしたことで別の形でパフォーマンスを見つけられたと話しています。皆さんはシミュレーターをどう考えていますか? ドライバー自身の助けになりますか。それともチーム開発のためのものですか?
アルボン:実車との相関性次第だ。タイヤモデルや車両モデルの精度が高ければ信頼できるが、そこに不確実さがあると、シミュレーターだけを信じてセットアップを決めるのは難しい。今はエネルギーデプロイメントや、このレギュレーションで効率よく走る方法を学ぶために使うことが多い。それ以外については、ルイスの考えも理解できる。
オコン:僕も同じ考えだ。パワーユニットについては実車との相関が非常に良く、多くの成果を得ている。一方、シャシー側はまだ改善の余地がある。それでも毎週シミュレーターに乗り、スタートや各種手順を確認している。役立ってはいるが、シャシー開発では昨年ほど効果は大きくないかもしれない。
フェルスタッペン:シミュレーターには二つの役割がある。実車との相関が悪ければセットアップには役立たないが、重要なのはシミュレーター自体を改善し続けることだ。F1はルール変更が多く、常にモデルを更新しなければならない。アップグレードや将来のアイデアもそこで試している。ドライバーにとって退屈で得るものが少ない日もあるが、チームには非常に重要だ。だから多くの時間を費やす価値がある。
Q:マックス、ドリースとの取り組みについてもうひとつ伺います。すでにシムレーシングチームやGT3チームも運営していますが、若手育成やチーム運営はF1後も含めた将来の目標ですか? 将来的にF1チームまで発展する可能性はありますか?
フェルスタッペン:F1まで広げるかは分からない。でも僕にとって大切なのは、将来性があってワクワクできることだ。ドリースとのプロジェクトはまさにそうだ。目標はF1だから、彼が進むカテゴリーや判断をサポートしたい。シミュレーターも含めて経験を積ませたいし、まだ15歳だから学ぶことは多い。でも速さはすでに備わっている。僕自身もGT3プロジェクトを続け、将来自分が参戦したい耐久レースにもチームを関わらせたい。これから先も楽しみなことがたくさんある。15歳の彼は、同じ年齢だった頃の僕と比べても本当に優秀だ。
Q:3人に質問します。皆さんは雨に強いドライバーとして知られています。初めてウエットコンディションでカートを走ったときのことを覚えていますか? 最初から得意でしたか? それとも苦労しましたか?
フェルスタッペン:ベルギーとオランダは雨が多いから、最初のレースもウエットだったと思う。当時のミニクラスにはウエットタイヤがなく、雨でもスリックで走っていた。難しかったけれど、マシンコントロールを学ぶには最高だった。4歳半の頃から父と雨の中を走り、ラインも教えてもらった。コーナーへ速く入りすぎて父が飛び退かなければならないこともあったけれど、そうやって限界やグリップを学んでいく。幼い頃は特に成長が大きく、5歳から12~14歳くらいまでに多くを身につけた。
アルボン:僕も同じだ。オランダ、ベルギー、イギリスは雨が多いからね。子どもの頃は雨のレースばかりだった。最初のレースも覚えているけれど、一番印象に残っているのは、とにかくドリフトしたかったことだ。
オコン:イギリスにはウエットタイヤがあったの?
アルボン:ああ、あったよ。
オコン:僕たちはスリックだった。
アルボン:本当に? 子どもの頃に『ワイルド・スピード』を見すぎたのかもしれない。ライ・ハウスでレース終盤に雨が降って、とにかくマシンを滑らせようとしていた。理由は分からないけどね。
フェルスタッペン:うまくいったの?
アルボン:悪くはなかったよ。でも、その後ちゃんとウエットでの走り方を覚えた。
オコン:僕もよく覚えている。雪が降ることもあって、息を吹き込むと温まるスキー用手袋を使っていた。3~4周走るたびに止まり、ヒーターで手を温めていた。ルーアンは本当に寒かった。でも子どもの頃はドライよりウエットで走った周回の方が多かったと思う。2011年のサルノで開催されたWSKでは、マックスとも雨のレースを戦った。
フェルスタッペン:あのとき僕がスピンしたんだよね。
オコン:そう、スピンした。
フェルスタッペン:覚えているよ。
オコン:僕は昔からウエットが好きだった。数年後にもマックスと雨で戦ったし、2024年も彼がいなければ勝てたと思う。でも残念ながら、彼がいた。
Q:マックス、あなたはキミ・アントネッリと良い関係を築いています。彼を最初に知ったのはいつですか? また、今年ここまでの活躍をどう見ていますか?
フェルスタッペン:カート時代から突出した才能だと分かっていた。ジュニアからシニアへ順調にステップアップし、シフターカートにも挑戦したのが印象的だった。ギアやスタート、レースを学ぶには最適だからね。最初のレースからトップ選手相手に結果を残していたし、四輪でもその速さは変わらなかった。F1昇格は早かったけれど、ルーキーがミスをするのは普通だ。トップチームならなおさら注目される。でも翌年に成長して安定した速さを見せることは疑っていなかった。今の彼は本当に素晴らしい仕事をしている。
Q:マックス、その点についてもう少し聞きます。あなたは17歳でF1デビューし、若くして大きな注目を集めました。キミも同じような状況ですが、当時を振り返ると、最初の数年間でどのようなことを学びましたか?
フェルスタッペン:四輪レースの経験が少なかったから、本来なら下位カテゴリーで経験するようなミスをF1で経験した。四輪レースを理解し、マシンやセットアップに何を求めるべきかを学んでいたんだ。最初の2年間は大きな学習期間だった。でも、あのチャンスを断ることはなかったし、僕には正しい選択だった。学ぶ量は多かったけれど、その経験ができて良かったと思っている。
Q:アレックス、アップデートの分析には忍耐が必要だと話していました。シルバーストンの週末を踏まえ、チームは投入したアップデートをどのように評価しているのですか?
アルボン:例えば日曜日の決勝は、フロントウイングを評価するテストのようなものだった。ウイングをスキャンして風洞との相関を確認し、カルロスと僕は火曜と水曜にシミュレーターへ乗って、実車で感じたことを再現できるか検証した。空力部門とも議論し、アップデートが狙い通り機能したか、方向性は正しいか、新しいフロントウイングに予想外の特性がなかったかを細かく確認している。ウィリアムズでは全員が協力しながら、次の開発へつなげている。
カテゴリー: F1 / F1ベルギーGP / F1ドライバー
