ランド・ノリス F1ベルギーGPで10グリッド降格も自信「スパなら挽回できる」
ランド・ノリスは、F1ベルギーGPで10グリッド降格ペナルティを受けるものの、オーバーテイクの機会が多いスパ・フランコルシャンならば十分に挽回できると自信を示した。

マクラーレンは、メルセデスHPPが導入した信頼性向上策を利用するため、ノリスのMCL40に今季4基目となるコントロールエレクトロニクス(CE)を投入することを決定した。年間使用上限を超えるため、ノリスには決勝で10グリッド降格が科される。

年間使用上限を超える4基目のCEを投入
2026年のF1レギュレーションでは、各ドライバーがペナルティなしで使用できるコントロールエレクトロニクスは年間3基までと定められている。

ノリスはベルギーGPで4基目を投入するため、最初の上限超過に対する10グリッド降格ペナルティを受ける。

チームメイトのオスカー・ピアストリを含め、マクラーレンの両車には新しい内燃エンジン(ICE)も搭載される。ただし、こちらは年間使用可能数の範囲内であり、追加のグリッド降格は発生しない。

マクラーレンが今回CEを交換する背景には、パワーユニット供給元のメルセデスHPPが導入した信頼性向上策がある。ペナルティを避けるために旧仕様を使い続けるよりも、オーバーテイクが比較的可能なスパで新仕様を投入し、今後のレースに向けた信頼性を確保する判断だ。

PUペナルティの消化に選ばれてきたスパ
全長7.004kmのスパ・フランコルシャンは、長いストレートと高速区間を持ち、F1カレンダーのなかでも追い抜きの機会が多いサーキットとして知られている。

そのため、パワーユニット関連のグリッド降格を避けられない場合、ハンガロリンクやザントフォールトのようにコース幅が狭く、追い抜きが難しいサーキットではなく、スパでペナルティを消化する戦略が伝統的に採用されてきた。

ノリスも、過去に多くのドライバーがスパで後方グリッドから順位を取り戻してきたように、今回のペナルティによる損失を最小限に抑えられると考えている。

ただし、2026年型マシンのエネルギー配分によっては、従来ほど簡単に追い抜けない可能性もあると警戒している。

「実際にどれくらい追い抜けるのかは、走ってみないと分からない」

ノリスは、ペナルティによる影響を抑えられるかと質問され、そう答えた。

ターン5までにバッテリーを使い切る可能性
スパでは、スタート直後のオー・ルージュからラディオンを駆け上がり、長いケメルストレートを経てターン5のレ・コームへ向かう区間が、最大のオーバーテイクポイントになる。

しかしノリスは、この区間で多くのドライバーがバッテリーのエネルギーをほぼすべて使い切る可能性があると説明した。

「ほとんどのドライバーは、ターン5のレ・コームまでにバッテリーをほぼ全部使うと思う。ほぼ100%の状態からゼロまで使うことになるから、その後はバッテリーをあまり活用できない。だから様子を見る必要がある」

2026年型F1マシンでは電動出力の重要性が増しており、限られた電気エネルギーをどの区間で放出するかが、最高速やオーバーテイクの成否を大きく左右する。

前方のマシンも同じ場所で最大限のエネルギーを使用すれば、後続車が単純に電動出力だけで速度差を生み出すことは難しくなる。

ランド・ノリス(マクラーレン) F1 ベルギーGP

後方のマシンに対する最高速差に期待
一方でノリスは、マクラーレンが後方グリッドのマシンに対して直線速度で優位に立てる可能性があると考えている。

「少し後方にいるマシンと比べれば、僕たちにはわずかな直線速度のアドバンテージがあると思う。だから十分にチャンスはあるはずだ。ただ、全体的に見れば、ここでの追い抜きはかなり難しくなる可能性がある」

スパでは長いストレートが複数存在することに加え、前走車によるスリップストリームの効果も大きい。

ノリスは、可動式エアロがストレートモードにならない区間では空気抵抗が増えるため、前走車の後方に入った際に得られるスリップストリームの効果がさらに大きくなると説明した。

「でも、スリップストリームの効果はかなり大きい。ストレートモードを使わない直線もいくつかあるから、そこで前のマシンから受けるスリップストリームは大きくなるし、かなりタイムを稼げる」

週末が始まる前に終わったとは考えていない
ノリスは、スパでの追い抜きがどれほど可能なのかについて、現時点ではすべての答えを持っているわけではないと認めた。

それでも、グリッド降格を受ける場所としてはザントフォールトやハンガロリンクよりも明らかに適しているとして、上位進出への自信を崩していない。

「まだすべての答えを持っているわけではない。でも、ペナルティを受けるならザントフォールトやハンガリーよりもスパの方がいいことは分かっている」

「週末が始まる前に、僕のレースが終わってしまったような状況ではないことを願っている。いい週末にできるという自信はあるよ。あとは走ってみて確認するだけだ」

ノリスは10グリッド降格によって後方からのスタートを強いられるが、マクラーレンの直線速度とスリップストリームを生かし、序盤から順位を取り戻すことを狙う。今回のCE交換はベルギーGP単独の結果だけでなく、今後のシーズンを信頼性の高い仕様で戦うための戦略的な選択でもある。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ランド・ノリス / マクラーレンF1チーム / F1ベルギーGP