カルロス・サインツJr. 「ウィリアムズF1の特異な弱点」2026年マシンで克服へ

サインツの加入は、ウィリアムズが復調を謳歌するタイミングと重なっている。2025年は残り8戦を残して、チームは過去7シーズンの合計を上回るポイントを積み上げている。
しかしサインツ自身は、グローブを拠点とするチームの競争力の復活を十分に活かすことができていない。アクシデントや戦略ミス、技術的な不具合が重なり、これまでの獲得ポイントはわずか16点にとどまっており、チームメイトのアレックス・アルボンとの差は54点に広がっている。
それでも、両者の予選での直接対決は8対8と互角であり、サインツが純粋な速さを失っていないことを示している。
それでもなお、ウィリアムズでの初シーズンの3分の2を経過したサインツは、FW47にまだ完全には馴染めていないと認めている。クルマには、彼のドライビングやセットアップの工夫では克服できない制約があるからだ。
モータースポーツウィークの独占インタビューで、残りのラウンドで最も重要なことは何かと尋ねられたサインツはこう答えた。
「週末をきちんとまとめることだ。このクルマで僕にスピードがあることはわかっている。ただ、特にこのクルマで居心地の良さを感じてはいない。このクルマには僕が運転で克服できない、あるいはセットアップで取り除けない弱点がある。そして、ベストなラップタイムを出すためにはクルマを非常に特定のやり方で運転する必要があり、それが僕のドライビングスタイルには特に合っていないんだ」
運に恵まれれば、サインツはウィリアムズがコンストラクターズ選手権5位を確保するために必要なポイントを必ず貢献できると確信している。
「でも、そうした弱点があっても僕は速さを出せるとわかっている。バーレーンから速さを示してきた。僕は順応できるし速く走れる。クルマで何か魔法のようなことを成し遂げられるほどではない。まだクルマに対する感覚や経験が少し足りていないからね。でも十分に速い」
「だから僕の目標は、僕たちが十分に速いとき、あるいはマイアミやイモラのように好機があった週末には、必ず良いポイントを獲得することだ。シーズン序盤に得たトップ5やトップ6のような結果をまた取れるようにね」

ウィリアムズがトップチームと比べて欠けているものとは
冬の開発での目覚ましい改善により、ウィリアムズは今季序盤にはフェラーリと肩を並べるほどの状態に到達した。マイアミやエミリア・ロマーニャGPでは、サインツとアルボンがともにトップ7に並んでグリッドに着いた。
しかし、それでも時にはどちらかのドライバーが予選Q1で敗退してしまう週末もあった。
サインツはこうした週末ごとのパフォーマンスの浮き沈みを、このレギュレーション期のマシンに埋め込まれた制限に起因するとしている。そしてウィリアムズは、迫りくる大規模なルール改定を利用してトップ4との差を縮めようとしており、サインツは、FW47の後継マシンを組み上げるにあたり、この長年の欠点がどこから来ているのかを突き止めることが不可欠だと認めている。
来季のリセットは「白紙からのスタート」となるのではと問われると、サインツはこう反論した。
「いや、まず僕たちはこのクルマがなぜそうした弱点を抱えているのかを特定するプロセスにいる。エアロマップのどこなのか? サスペンションなのか? セッティングなのか?」
「クルマのツールの中の何が、このクルマに特異な弱点を生じさせているのか。ハンガリーではフェラーリにポールポジションからほぼ1秒遅れる一方で、マイアミやイモラでは僕たちの方が速いことすらある。これは理解されず捕らえられていない非常に大きな何かがあるに違いない」
「だから僕たちは来年のクルマを設計しながら、このクルマやその前任車の何が問題だったのかを理解しようとしている。’22年、’23年、’24年のクルマも同じだった。ウィリアムズのマシンに常に競合相手に対して相対的な弱さを与える、そうした内在的な要素を突き止めようとしているんだ」
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