カルロス・サインツJr. 「F1はタイミングと車。10人の王者候補がいる」
カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は2025年F1アブダビGP決勝を13位で終え、ノーポイントに終わった。しかし、DRSトレインの中でポイント圏を争い、ガブリエル・ボルトレトを攻め続けるなど健闘を見せた。シーズン全体としては9位でフィニッシュし、下降傾向だったアレクサンダー・アルボンに9ポイント差まで迫るなど、進化と高いパフォーマンスを示した一年だった。

2025年はグランプリ2回(バクー、カタール)、スプリント1回(テキサス)で表彰台を獲得。プロジェクトの進展に確かな手応えを感じており、将来に向けて希望を口にしている。

アブダビでは「何も起きないレース」。ノリスの戴冠を称賛
サインツはアブダビについて詳しく振り返った。

「何も起きないレースでは僕たちはあまり強くなかった。P12からスタートして、ハミルトンやアントネッリの位置を見ても、13位か14位が精いっぱいだったと思う。ピットストップは1回だけで、12位になれれば良い方で、実際ほぼその位置で終えた」と語った。

一方で、タイトル争いは大きな感動を生んだ。友人であるランド・ノリスが初のワールドチャンピオンを獲得した瞬間について、サインツは次のように語る。

「彼は信じられないほど速いけど、人生や物事の捉え方が独特なんだ。批判されることもあったが、チャンピオンだと言える人はそう多くない。彼のことが本当にうれしい。プレッシャーを感じていたけど、乗り越えた」

さらにサインツはF1の構造についても率直に言及した。

「最高のマシンがあればタイトルを取れるドライバーは8~10人はいる。F1とはそういうスポーツで、正しいタイミングで最高のマシンが必要なんだ。でもランドは型にハマらないタイプで、メンタルヘルスのことも語るし、とてもリラックスした人間なんだ」

2025年は「誇りに思えるシーズン」。ウィリアムズ移籍にあった疑念を払拭
サインツは2025年シーズンを前向きに総括している。

「誇りに思っている。ウィリアムズに移籍したときは疑われたし、僕自身にも疑念が向けられた。でも、これは勝つためのプロジェクトだと僕たちは理解している。予想よりも早く表彰台に戻れたし、次の目標は再び勝利すること。正しい場所とタイミングにいるし、潜在力はあるから、ただ全力で押し続けたい」

「勝てない期間が来ることは分かっていたし、長いプロセスだ。でも今年は大きく、正しい方向へ進んだ。とても良い感触だし前向きだ」

カルロス・サインツJr. ウィリアムズ・レーシング

次は重要テストへ。休暇は短いが「来年へ向けて良い準備を」
シーズン終了直後ではあるが、サインツには次の予定が待っている。

「火曜日にテストがある。最近はテストが無いから、これはすごく重要なんだ。来年に向けて最終的な方向性を確かめるための大事な走行になる。その後はシミュレーターを数日やって、家に戻って回復して、1月にまた戻ってくる」

さらに、短いオフに苦笑しながらこう締めくくった。

「みんなそうだけど、休暇は短いよね。しかもレギュレーション変更があって、今年は休む暇もなかった。でも、それが現実なんだ」

満面の笑みで2025年を終えたサインツ。その表情は、ウィリアムズとの未来に期待を抱いている証と言えるだろう。

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カテゴリー: F1 / カルロス・サインツJr. / ウィリアムズ・レーシング / F1アブダビGP