フェラーリ超えに笑顔のサインツJr.「青いF1マシンにしてよかった」

フェラーリの現役ドライバー、シャルル・ルクレールは、マラネロのチームのますます深刻化する状況を、土曜日の無線で繰り返した「マイ・ゴッド(なんてことだ)」という言葉で象徴的に表現した。
彼はルイス・ハミルトンと同様、チームのホームレースであるイモラでQ3進出すら果たせなかった。
チーム代表のフレデリック・バスールは、その原因をタイヤに求めた。
「ほとんどマイアミで起きたことのコピーペーストだ」とフランス人代表は語る。
「新品タイヤでの改善ができず、Q2では最初のセットで出したタイムが最速だった。なぜかって?それが分かっていたら、すでに解決しているよ」
バスールのコメントについて問われたルクレールは、怒りを隠さなかった。
「タイヤを変えても、クルマが機能しないんだ。ポテンシャルがそもそも存在しない」と、動揺を隠せない表情で語った。
ある記者は、フェラーリが次に予定しているバルセロナでのアップグレードが転機になる可能性があるかとバスールに質問した。これに対し、バスールは予選後にこう答えた。
「もし『なる』と答えたら、今日の結果を見て私はバカってことになる」
実際、フェラーリをハミルトンに譲って追い出される形になったカルロス・サインツでさえ、イモラで両方の赤いマシンを予選で上回る結果を出した。
「シーズン開幕前には、こんな展開はまったく予想してなかった」とスペイン人ドライバーは笑顔を見せた。
「(ウィリアムズの)プロジェクトには、彼らが見せてくれた数字に対して大きな信頼を持っていたけど、2戦連続でフェラーリの前に出るなんて?もし開幕前にそんな話をされていたら、もっと速くウィリアムズの契約書にサインしていたね」
ただし、イタリア紙 Corriere dello Sport,の取材では、サインツは「いずれフェラーリは問題を解決する」と見ていると語り、こう続けた。
「もし将来またフェラーリから声がかかれば、戻るつもりだよ」
しかし、バスールの指揮下で停滞するフェラーリの進歩に疑問を呈する声も出始めている。
F1 CEOのステファノ・ドメニカリは、かつて自らがフェラーリのトップを解任された経験を踏まえ、イモラでSky Italiaに対しこう語った。
「フェラーリは特権であると同時に責任でもある。ただ、バスールに仕事をさせるべきだ」
ある記者はバスールに対し、2025年型フェラーリの弱点はリアサスペンションにあることが明らかになってきているのではないかと指摘した。なお、マラネロでは現在、新レイアウトの開発が進められているという噂もある。
これに対してバスールは冗談交じりにこう応じた。
「レース週末において、チームからよりも君たちジャーナリストからのほうが多く学べるのが面白いね」
「もちろん、我々は望んでいる位置にはいない。ただし、クルマに単一の欠陥があるわけじゃないし、勝てるマシンに魔法のような要素があるわけでもない。我々は努力して改善を目指しているが、一発で解決する魔法のような答えは存在しない」
カテゴリー: F1 / カルロス・サインツJr. / スクーデリア・フェラーリ / ウィリアムズ・レーシング