FIA 「チェッカーフラッグのミスはウィニー・ハーロウの責任ではない」
FIA(国際自動車連盟)は、F1カナダGPの決勝でゲストとしてチェッカーフラッグを担当したウィニー・ハーロウが1周早くにフラッグを振ってしまったのは彼女の責任ではないと擁護した。
幼い頃から肌の一部の色素が無くなり白くなってしまう尋常性白斑という疾患を持ちながらもモデルとして活躍するカナダ出身のウィニー・ハーロウは、F1カナダGPの特別ゲストとしてチェッカーフラッグを担当した。
しかし、ウィニー・ハーロウは70周のレースの69周目にチェッカーを振ってしまい、レースは競技規則に従って68周終了時点で順位が決定。トップ10の順位に影響はなったが、ダニエル・リカルドのファステストラップが取り消されたほか、13位だったセルジオ・ペレスの順位もひとつ下がることになった。
FIAのレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、運営側の混乱によってウィニー・ハーロウが69周目にチェッカーフラッグを振ってしまうという事態が招かれたと説明した。
「スタートプラットフォームとここでスターターと呼ぶスタッフ、つまりレースをスタートして終了させるスタッフとの間でミスコミュニケーションがあり、チェカーフラッグが1周早く出された」とチャーリー・ホワイティングは説明。
「彼は最終ラップだと考えてレースコントロールに確認し、レースコントロールはそれを承認した。彼らは実際に彼が質問してきた際に予告していただけだと考えてしまった。それで彼は1周早く合図を出してしまった」
「事実、彼は1周早くにフラッグを振るように伝えていた。セレブリティがフラッグを担当していたという事実とは無関係だ」
F1の競技規則42.3項では「いかなる理由にせよ先頭車両が所定の周回数を完走する前、または規定の時間が経過する前にレース終了の合図が出された場合は、その合図が出される前に先頭車両がラインを最後に横切った時点でレースは終了したものとみなされる」と規定されている。
「レギュレーションで規定されているので(終結果は68周目に遡る。そうしている理由は、混乱があった場合に確実なものにするためだ。前のラップの終わりに戻れば、本来のレース順位を得ることになる。レースがストップし、リスタートできなかった場合も同じだ。ストップとなった前のラップに遡る」とチャーリー・ホワイティングは説明。
チャーリー・ホワイティングは、ラップカウンターの誤読がミスを招いた可能性があると考えている。
「F1で働いていない人々は、69/70とスクリーンに表示されているのを見て混乱することがある。我々全員が69周目を意味することをわかっているが、詳しくないオブザーバーは『最終ラップを意味している』と考えてしまうかもしれない。疑いが起こったのはそのためだと思う。我々がそれらの人々にもっと良く説明する必要があるのは明らかだ」
スターターはラップカウンターの見方を知っているべきだと思うかと問われたチェーリー・ホワイティングは「彼はタイミングスクリーンを正しく読んでいた。だから質問したのだ。承認を得ようした。彼は承認されたと考えたが、そうではなかったということだ」
「レースコントロールから『そうです、正しいです』と言われたので、OKが出たと思ってしまった。彼は質問をしたが、レースコントロールのスタッフは、ただ伝えてきただけだと考えた」
「当然、私は今回の件を深く追求しなければならないが、実際には誰にもわからなかったように思う。真相を探らなければならない事柄だ。納得できることではない。幸いにも結果には影響しなかったが、手順を見直し、すべてのサーキットで非常にシンプルな手順になるようにする必要があるかもしれない」
「彼ら全員が異なるコミュニケーションシステムを持っており、コミュニケーションネットワークも異なる。コースのクラークがフラッグを振ることもある。すべて違っている。いかなる場合もカウントダウンがあるようにしなければならない。一部のサーキットでは『リーダーは最後から3周目、最後から2周目、これが最終ラップだ』となっており、その上でフラッグを振る者に対してリーダーがどこにいるかを示すことになる。『次のマシンだ』というそういう風にね。ここではそういったことがなかった」
トップでチェッカーを受けたセバスチャン・ベッテルは、勘違いしたファンがコース上に入ってこないかと心配だったと語っている。実際、ドライバーがまだレースをしているところに、マーシャルたちが彼らを称えようとコースに近づいたため、安全面での懸念が浮上している。
「幸いなことに、クルマにラップカウントが付いているし、ピットボードも正確だったから大丈夫だった」とセバスチャン・ベッテルはコメント。
「でも、もし無線を失ってピットボードもなかったとしたら、減速してしまった可能性がある。その場合、リードしている立場からすれば他のみんなにも減速してほしいと願うよね」
「僕たちにするべき質問ではだろう。僕は心配だっただけだ。だから最終ラップで人々がコース上に飛び出してこないように伝えた。まだフルペースで進行しているとき時にコース上で旗を振ったり祝ったりしないようにね」
今回の問題によってウィニー・ハーロウを批判する声もあったが、彼女は指示に従っただけだとSNSで誤解を解いている。
「私は指示に従っただけ。あたしのせいではないわ。あそこで振るように指示されたの。でも、誰も怪我しなくて良かったわ!」
F1では、過去にチェッカーフラッグを任されたゲストのセレブがミスをしたことがある。2002年にサッカーの神様ペレが母国F1ブラジルGPでタイミングを逃して、チェッカーを振り損ねている。また、2014年のF1中国GPでもミスにより、ルイス・ハミルトンが1周早くチェッカーを受けた。
関連:F1カナダGP:ゲストが誤ってチェッカーを振り残り2周で順位確定
カテゴリー: F1 / F1カナダGP
幼い頃から肌の一部の色素が無くなり白くなってしまう尋常性白斑という疾患を持ちながらもモデルとして活躍するカナダ出身のウィニー・ハーロウは、F1カナダGPの特別ゲストとしてチェッカーフラッグを担当した。
しかし、ウィニー・ハーロウは70周のレースの69周目にチェッカーを振ってしまい、レースは競技規則に従って68周終了時点で順位が決定。トップ10の順位に影響はなったが、ダニエル・リカルドのファステストラップが取り消されたほか、13位だったセルジオ・ペレスの順位もひとつ下がることになった。
FIAのレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、運営側の混乱によってウィニー・ハーロウが69周目にチェッカーフラッグを振ってしまうという事態が招かれたと説明した。
「スタートプラットフォームとここでスターターと呼ぶスタッフ、つまりレースをスタートして終了させるスタッフとの間でミスコミュニケーションがあり、チェカーフラッグが1周早く出された」とチャーリー・ホワイティングは説明。
「彼は最終ラップだと考えてレースコントロールに確認し、レースコントロールはそれを承認した。彼らは実際に彼が質問してきた際に予告していただけだと考えてしまった。それで彼は1周早く合図を出してしまった」
「事実、彼は1周早くにフラッグを振るように伝えていた。セレブリティがフラッグを担当していたという事実とは無関係だ」
F1の競技規則42.3項では「いかなる理由にせよ先頭車両が所定の周回数を完走する前、または規定の時間が経過する前にレース終了の合図が出された場合は、その合図が出される前に先頭車両がラインを最後に横切った時点でレースは終了したものとみなされる」と規定されている。
「レギュレーションで規定されているので(終結果は68周目に遡る。そうしている理由は、混乱があった場合に確実なものにするためだ。前のラップの終わりに戻れば、本来のレース順位を得ることになる。レースがストップし、リスタートできなかった場合も同じだ。ストップとなった前のラップに遡る」とチャーリー・ホワイティングは説明。
チャーリー・ホワイティングは、ラップカウンターの誤読がミスを招いた可能性があると考えている。
「F1で働いていない人々は、69/70とスクリーンに表示されているのを見て混乱することがある。我々全員が69周目を意味することをわかっているが、詳しくないオブザーバーは『最終ラップを意味している』と考えてしまうかもしれない。疑いが起こったのはそのためだと思う。我々がそれらの人々にもっと良く説明する必要があるのは明らかだ」
スターターはラップカウンターの見方を知っているべきだと思うかと問われたチェーリー・ホワイティングは「彼はタイミングスクリーンを正しく読んでいた。だから質問したのだ。承認を得ようした。彼は承認されたと考えたが、そうではなかったということだ」
「レースコントロールから『そうです、正しいです』と言われたので、OKが出たと思ってしまった。彼は質問をしたが、レースコントロールのスタッフは、ただ伝えてきただけだと考えた」
「当然、私は今回の件を深く追求しなければならないが、実際には誰にもわからなかったように思う。真相を探らなければならない事柄だ。納得できることではない。幸いにも結果には影響しなかったが、手順を見直し、すべてのサーキットで非常にシンプルな手順になるようにする必要があるかもしれない」
「彼ら全員が異なるコミュニケーションシステムを持っており、コミュニケーションネットワークも異なる。コースのクラークがフラッグを振ることもある。すべて違っている。いかなる場合もカウントダウンがあるようにしなければならない。一部のサーキットでは『リーダーは最後から3周目、最後から2周目、これが最終ラップだ』となっており、その上でフラッグを振る者に対してリーダーがどこにいるかを示すことになる。『次のマシンだ』というそういう風にね。ここではそういったことがなかった」
トップでチェッカーを受けたセバスチャン・ベッテルは、勘違いしたファンがコース上に入ってこないかと心配だったと語っている。実際、ドライバーがまだレースをしているところに、マーシャルたちが彼らを称えようとコースに近づいたため、安全面での懸念が浮上している。
「幸いなことに、クルマにラップカウントが付いているし、ピットボードも正確だったから大丈夫だった」とセバスチャン・ベッテルはコメント。
「でも、もし無線を失ってピットボードもなかったとしたら、減速してしまった可能性がある。その場合、リードしている立場からすれば他のみんなにも減速してほしいと願うよね」
「僕たちにするべき質問ではだろう。僕は心配だっただけだ。だから最終ラップで人々がコース上に飛び出してこないように伝えた。まだフルペースで進行しているとき時にコース上で旗を振ったり祝ったりしないようにね」
今回の問題によってウィニー・ハーロウを批判する声もあったが、彼女は指示に従っただけだとSNSで誤解を解いている。
「私は指示に従っただけ。あたしのせいではないわ。あそこで振るように指示されたの。でも、誰も怪我しなくて良かったわ!」
F1では、過去にチェッカーフラッグを任されたゲストのセレブがミスをしたことがある。2002年にサッカーの神様ペレが母国F1ブラジルGPでタイミングを逃して、チェッカーを振り損ねている。また、2014年のF1中国GPでもミスにより、ルイス・ハミルトンが1周早くチェッカーを受けた。
関連:F1カナダGP:ゲストが誤ってチェッカーを振り残り2周で順位確定
カテゴリー: F1 / F1カナダGP