キャデラックF1、マーク・ハインズをチーフ・レーシング・オフィサーに任命
キャデラックF1は、2026年F1参戦に向けた体制構築の一環として、マーク・ハインズをチーフ・レーシング・オフィサー(CRO)に任命したと発表した。アメリカンメーカーは、デビューシーズンに向けた組織の中枢を着実に固めつつある。

ハインズは元レーシングドライバーであり、長年にわたってルイス・ハミルトンと関わってきた人物としても知られる。

ドライバーマネジメント会社「イコールズ・マネジメント」の共同設立者でもあり、今回の就任は、キャデラックF1が単なる人員補充ではなく、初年度から信頼性のある体制を築こうとしていることを強く示すものだ。

レーサーとしての実績とF1での経験
ハインズの経歴は、マネジメントの枠にとどまらない。1999年にはブリティッシュF3選手権でタイトルを獲得し、ルチアーノ・ブルティとの激しい争いを制してチャンピオンに輝いた。当時、ランキング3位には若きジェンソン・バトンが名を連ねており、後にF1を代表する才能が揃っていた時代でもあった。

また、キャデラックF1のチーム代表であるグレアム・ロードンとの関係も深い。両者はマナー/ヴァージン/マルシャ時代にF1およびWECで共に活動し、その後はビジネスパートナーとしてイコールズ・マネジメントを共同で運営してきた。この長年の協力関係が、現在のキャデラックF1首脳陣の中核を成している。

CROとしての役割
キャデラックによれば、ハインズの担当範囲は広い。ドライバーとエンジニアリング部門の連携を統括し、オペレーションプロセスを洗練させ、技術部門と競技部門の協力体制を強化する役割を担う。言わば、純粋な速さと組織としての規律を結びつける存在となる。

さらに、ドライバープログラムの責任者も務める。リザーブドライバーの周冠宇や、育成ドライバーのコルトン・ハータもその管轄に含まれており、周冠宇はイコールズ・マネジメントのクライアントでもある。

ゼロから文化を築く挑戦
ハインズは今回の就任について、既存のチームを引き継ぐのではなく、新しいチームのDNAを一から形作る稀有な機会だと語った。

「F1で新しいチームを作り上げることは非常に珍しい挑戦だ。その最初の段階から文化やプロセス、パフォーマンス基準を形作ることに関われることを楽しみにしている」

「強力で多様なドライバーラインアップが揃っている。私の焦点は、ドライバーとエンジニアの双方が最高の力を発揮できるよう、明確さと一体感、そして規律を生み出すことだ」

一方、ロードンも今回の人事を高く評価している。

「マークは、レーシング経験、戦略的理解、人材マネジメントという卓越した組み合わせをチームにもたらしてくれる。ドライバー、エンジニア、そして経営陣をつなぐ彼の能力は、我々がグリッドに根付くうえで極めて重要だ。デビューシーズンを迎えるにあたり、彼のような人材がレース運営を導いてくれることは大きな財産だ」

キャデラック F1 ルイス・ハミルトン

ハミルトンとの関係と新たな章
ハインズの就任には、ルイス・ハミルトンとの長年の関係という側面もある。ハインズはハミルトンの「プロジェクト44」の構築に関わり、2024年にはフェラーリ移籍を前に再びマネージャーとして復帰していた。ただし、キャデラックF1への移籍に先立ち、両者はビジネス上の関係を解消したと報じられている。

キャデラックF1にとって重要なのは過去ではなく未来だ。ロードンが全体を統括し、ハインズが競技部門の調和を担う体制が整いつつある今、アメリカの新規参戦チームは、レーシングの血統とマネジメント経験を兼ね備えた首脳陣とともに、F1デビューへの歩みを本格化させている。

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カテゴリー: F1 / キャデラックF1チーム