ジェンソン・バトン
ジェンソン・バトンが、再びホンダとの仕事を再開することについての思いを語った。

長年マクラーレンで走っていますが、マクラーレン・ホンダのサウンドはいかがですか?
初めてF1のことを考えたときもビッグチームで走りたいと思っていました。子供のころからF1を見て、そのときのビッグチームはウィリアムズ、フェラーリ、マクラーレンでした。それで、80年代はセナとプロストっていうベストドライバーが走っていて、とても特別な時代だったと思います。F1のファンもたくさんいました。

。今また新しい時代のマクラーレン・ホンダがスタートするわけで、それは僕にとって特別なことです。それから、チームメイトは僕がとても尊敬してるフェルナンドですし、将来に向かって成果をあげられるしっかりしたレースができてると思っています。もちろん、まだやることはたくさんありますが、ある意味80年代よりも今のF1の方が競争が厳しくなってると思うし、特別に思っています。

あなたは、マクラーレン・ホンダ全盛期を初めとする昔のホンダ・スピリットを知ってる数少ない一人だと思いますが、ホンダのパワーユニットをどう感じていますか?
ホンダは僕にとってマニュファクチャラーとしても特別だし、今の新しいパワーユニットは、今までのガソリンエンジンとは違ってものとても複雑で、たくさんのテクノロジーが必要になるけど、ホンダはいい仕事をしてくれているし、とてもパワフルなパワーユニットに仕上げてくれると思っています。以前もホンダと仕事をしてきましたが、エンジニアリングに関して、ドライバビリティに関して、深く理解してくれていると思ってます。新しい時代のこのパワーユニットで一番難しいのはドライバビリティだと思っています。だから、僕たちはしっかり作業しているし、とにかくベストなパワーユニットにしていく必要があります。ホンダの施設は素晴らしくてワクワクするし、その中でどんなことが行われてるかも把握しています。単に製作の施設だけではなく、マンパワーや技術を持ってる人がいるし、そこはとても重要なポイントだと思ってます。マクラーレンも、今回一緒に仕事をするうえでそういうことをわかってたと思うし、一番大事なのはもちろん情熱がしっかりとあるってことだと思います。以前、ホンダと何年か仕事をしてきたので特別な感情があるし、またそのファミリーになれることをとても嬉しく思っています。だから、今回ホンダがマクラーレンと一つのチームで一緒にやっていくのはとてもエキサイティングだし、2つが一緒になって将来いい成績を残せると思っています。

フェルナンドの話が出ましたが、彼とは13年前もチームメイトでしたね。チームにワールドチャンピオンが二人いることになります。彼がチームメイトであることの良いことと悪いことを教えて下さい。
僕にとってワールドチャンピオンのチームメイトはフェルナンドで3人目だけど、これまで見た中でチャンピオンとして一番経験があるドライバーの1人だと思っています。彼はチャンピオンになるために何が必要なのかをわかってるし、素晴らしい人物だと思います。それに、チームの雰囲気がどんなものである必要があるのかもわかってるし、その中で自分がどうすべきか、チームとしてどんな仕事をしていくべきかもわかってる。その意味でも素晴らしいです。僕自身は前と同じような感じで仕事をずっとしているし、もちろんマシンをドライビングすることも重要だけど、マシンを降りたあとも同じように重要な仕事はたくさんあります。最近はマシンそのものに関してよりも、どちらかと言うとドライバビリティとか、フィーリングとか、そういったことをチームに伝えていく仕事がとても多いけど、彼と一緒にポジティブな方向に進んでると思うし、チームメイトとしてもとても競争力があるので、とても良いチームメイトを持てたと思っています。仕事のパートナーとしてもいい関係を築けているし、彼と仕事をするのがとても楽しみです。

ヘレステストのタイム表を見ると結果は良くないと聞いていますが、ポジティブと言うワードが出てきたのはなぜでしょう?
ポジティブだと言うのは、チームの人たちがポジティブだったということです。まだ不安定ですが、どんなときも最初のテストはそういうものです。去年も2つのエンジンメーカーがパフォーマンスが出なくて苦労してました。ヘレスの目的はとにかくマシンン全体とパワーユニットに何か問題が出ていないかを突き止めることで、ラップを重ねることが特に重要というわけではなかったし、速く走ることが目的のテストでありませんでした。全体的なパッケージとしての完成度を理解することが目的で、それは達成できたと思います。もちろんスムーズに進んだってわけではありませんでしたが、それでもテストで一歩改善できているし、あるべき姿に向かって進んでるという感触はあります。あとは2回目のテストがバルセロナであるので、そこでまたラップを重ねていけるかもしれないし、もっとタイムを出す走りに取り組みながら、走行距離を稼いでいくことも可能です。

今年はパワーユニットが4基までという制限があります。去年は5基まででした。4基というのはとても厳しい条件なので、現状としては信頼性を高めていく作業に取り組んでいます。もちろんそこも改善が必要なところがたくさんあります、それを重ねて初めて優勝できると思ういます。

とにかく、初回のテストは、信頼性とパフォーマンスをまとめ上げていく作業だったんだと思います。ただ、ホンダのすごいところは、とてもオープンにやってくれてることです。問題が出たときもみんなで対処することができるけど、他のチームでは必ずしも上手くできるわけではないですからね。今年のマシンはかなりタイトなデザインになっていて、後ろから見ると形もとても格好いいし、そういう形でマクラーレン、ホンダの親密な関係が続いてると思います。

少し古い話になりますが、BARホンダ時代はなかなか勝つことができませんでしたが、それがブラウンGPになったとたんにタイトルを獲りました。それはメルセデスのエンジンがとても良かったからでしょうか?
まったくその通りで、ホンダのエンジンでは勝てなかったし、ワールドチャンピオンにもなれなかったけど、忘れないでほしいのは、その間のホンダのエンジンに対する努力と仕事量は膨大なもので、もちろんシャシーについても努力してきたということです。確かに2007年はとても苦労した年でした。でも、2008年は少しいい感じになってきて、そのすべてが2009年のマシンに練りこまれたということです。2008年のホンダはとにかくいろいろと開発をして、その成果を2009年のマシンに投入して、それが実った。それはホンダのハードワークの結晶だったといえると思います。今回、さくらに行って、そのときの人たちや、いろんな人たちに会いました。ほろ苦い思い出や楽しい思い出もあったけど、その努力が最終的に実って、そのあと勝つことができた。残念なこともありました。とにかく多くの努力がそこにはあったんだ。

日本のF1ファンはマクラーレン・ホンダという組み合わせにとても大きな期待を寄せています。中には今すぐにでも勝ってくれるんのでないかと思っているファンもいます。厳しい戦いになると思いますが、そういうファンに向けて、何かメッセージがあればいただけますか?
確かにマクラーレン、ホンダにはとても情熱を持って応援してくれてるファンがいます。ですが、僕たちのこのチームが最初から勝てると思ってしまっては、他のチームに対してリスペクトをしていないということになってしまうし、そんなに簡単に勝てるものではありません。F1は、とても競争が激しいスポーツだし、メルセデスやフェラーリといったメーカーを相手に戦うわけなので、そんなに簡単に勝てるものではありません。だから、もう少し時間をかけて改良を進めていく必要があります。そうしながら、とにかく勝てるように努力して、いずれはチャンピオンシップを制するために頑張っていくことだと思います。そこに行くまでにはまだたくさんの仕事をしなければなりませんが、そういったチャレンジがあるからこそ、やりがいがあると思うし、僕たちはいつもチャレンジを求めています。

先ほど、ポジティブということが挙がりましたが、それはホンダの人がでしょうか、それとも日本人がでしょうか? また、あなたは日本人との付き合いが長いと思います。アロンソに日本人との付き合い方を教えられることが多々あると思いますが、どんなことがあるか教えて下さい。
フェルナンドに関してだけど、彼はとても賢いので、日本人とどうやってやっていったらいいのかたぶん自分で学んでいけると思います。僕自身に関しては、最初から日本の人たちとは仕事がしやすかったです。ホンダは、レースの世界に対して強い情熱を持ってるし、愛しています。僕自身とホンダの間には、F1が好きで、レースが好きで、という通じるものがあるし、ホンダの人たちも今回のチャレンジをとてもエキサイティングに思ってくれてます。目の前にとても大きなチャレンジがあることも熟知してるますし、今はそれに向かって一生懸命に作業してくれてると思います。ホンダ以外の人たちがエキサイティングに感じてくれているかどうかは僕にはちょっとわからりませんが、日本にもモーターレーシングが大好きな人たちもたくさんいるし、ホンダがまずここに戻ってくるっていうことがとても重用だったと思います。過去の栄光や成績もあるし、そのあとに続いて、7年前に僕たちは一緒に走っていたわけだけど、僕にとってもホンダにとっても一緒に仕事をしたときにやり残したことがまだあるので、それを今やらなければなりません。チャレンジでもあるし、とても楽しみなチャレンジでもあります。

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カテゴリー: F1 / ジェンソン・バトン / ホンダF1 / マクラーレンF1チーム