フェラーリF1 イギリスGPで優勝争いなるか ハミルトン躍進の理由を分析

開幕前にはメルセデス有利と見られていた週末だが、実際にはフェラーリが低速コーナーで際立った速さを見せ、ハミルトンが全セッション最速を記録。各チームの勢力図は想定以上に接近しており、決勝でも激しい優勝争いが期待される。
フェラーリが予想外の速さを発揮した理由
シルバーストンは高速コーナーが多く、フェラーリにとっては苦戦が予想されていたサーキットだった。チーム自身も週末前には厳しい戦いになると見込んでおり、ハミルトンもスプリント予選後に「フロントロウを争えるとは本当に思っていなかった」と驚きを隠さなかった。
しかし、唯一のフリー走行が始まると状況は一変した。特にハミルトンは序盤から抜群のペースを披露し、フェラーリは今年強みとしている低速コーナーでライバルを圧倒。レッドブルに約0.3秒、メルセデスに約0.4秒、マクラーレンには0.5秒以上のアドバンテージを築いた。
高速コーナーではメルセデスにわずかに及ばなかったものの差は最小限に抑えられた。その結果、今季課題となっていたストレートスピード不足をコーナリング性能で補い、総合的な競争力を大きく引き上げることに成功している。

最大のライバルはメルセデスのアントネッリ
ハミルトンはスプリントをポールポジションから迎えるが、最も警戒すべき存在はキミ・アントネッリだ。
アントネッリはハミルトンからわずか0.011秒差の2番手。さらに各区間でベストタイムをまとめた理想的なラップでは、ポールポジションに相当するタイムを記録していたことがデータから判明している。
オーストリアGPではジョージ・ラッセルに敗れたものの、シルバーストンでは本来の速さを取り戻した印象が強く、スプリントでも優勝候補の一角となる。
本命視されたメルセデスは明暗
木曜日のパドックでは、高速コーナー主体のシルバーストンはメルセデス向きと考えられ、本命視する声が多かった。
実際、その評価はアントネッリについては当てはまった。しかしラッセルは終始リズムをつかめず、5番手に終わった。
ラッセルは「今年ずっとこんな感じだ。常に後手に回っている」と振り返り、「なぜこれほど差がついたのか理解しなければならない。少し奇妙だ」と首をかしげた。
データ上では改善できれば3番手も狙えたものの、アントネッリとの差は約0.35秒と大きく、理想的なラップを比較すると順位は6番手まで下がる計算だった。

ルクレールは依然として苦戦が続く
シャルル・ルクレールは4番手を獲得したものの、ハミルトンとの差は依然として大きかった。
今季のフェラーリは昨年とはマシン特性が変化しており、ルクレールは十分なフィーリングを得られず、本来の予選での一発の速さを引き出せていない。
それでもフェラーリ全体の競争力向上には手応えを感じており、「これほど前との差が小さいとは思っていなかった。チームとして大きな前進だ」と評価している。シャシーとパワーユニットの両面で改善が進んでいることも、自信につながっているようだ。
レッドブルは優勝候補に迫れるか
レッドブルはフリー走行では存在感が薄かったものの、スプリント予選ではマックス・フェルスタッペンが着実にタイムを伸ばし、トップから約0.3秒差の3番手を獲得した。
フェルスタッペンは「コーナリングもデプロイメントも、まだ改善すべき点がある」と語り、さらなるパフォーマンス向上の余地があると説明した。
本人は前方を追うよりも後続を警戒すると話しているが、勝負強さを考えればハミルトンやアントネッリにプレッシャーをかける存在になる可能性は十分ある。

マクラーレンは苦しいスタート
マクラーレンは初日、想定より厳しい展開となった。
ランド・ノリスはスプリント予選序盤にフロントブレーキダクトを損傷し、本来のパフォーマンスを発揮できなかった。最終アタック前には修復が完了し、「まったく別のクルマになった」と改善を実感したものの、感触をつかめたのは最後のラップだけだったため、本来ならさらにタイムを縮められたと振り返っている。
ノリスはレッドブルとは十分戦えると見ている一方、現時点ではフェラーリとメルセデスを相手に優勝争いを演じるのは難しいとの見方を示している。
フェラーリが流れを変える週末になるのか
シルバーストン初日は、フェラーリが事前予想を覆す速さを披露した一日となった。ハミルトンのポールポジションは偶然ではなく、マシン全体の性能向上を裏付ける内容だった。一方でアントネッリ率いるメルセデス、追い上げを狙うフェルスタッペン、巻き返しを狙うマクラーレンも僅差につけており、スプリント、そして決勝ともに優勝争いは最後まで目が離せない展開となりそうだ。
カテゴリー: F1 / F1イギリスGP
