アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイが15時間勤務 苦境脱出へ設計に没頭

一方で、チーム再建を託されたエイドリアン・ニューウェイは、シルバーストンのファクトリーで連日15時間にも及ぶ作業を続け、新パーツの設計に没頭していることが明らかになった。期待を大きく下回るシーズンとなるなかでも、名エンジニアは改善への歩みを止めていない。
アストンマーティンはなお深刻な低迷
アストンマーティンは今季、ホンダ製パワーユニットの振動問題については大幅な改善を果たしたものの、AMR26全体の競争力は依然として不足している。
イギリスGP予選ではフェルナンド・アロンソとランス・ストロールがポールポジションから約5秒遅れを喫し、決勝でも2台とも周回遅れでフィニッシュした。
レース中のオンボード映像では、コーナリング時に大きくステアリングを切らなければならない場面も映し出され、アロンソはグリッドへ向かう途中でエンジンストールも経験するなど、マシンの扱いづらさが際立っていた。
ニューウェイは15時間勤務で改善策を模索
ニューウェイはシーズン序盤までにアストンマーティンがトップクラスのシャシーを手にしていると考えていたとされる。しかし実際には、自身が主導したAMR26の大胆な設計コンセプトは期待した成果につながらず、さらにホンダ製パワーユニットも信頼性や性能面で苦戦している。
それでもニューウェイ自身は、マシン開発の方向性が間違っていたとは考えていない。
現地ジャーナリストのティム・ハウラニーは、イギリスGP直前にアストンマーティンのファクトリーを訪問。その際、ニューウェイが朝7時30分頃から夜遅くまで約15時間にわたり勤務し、自室で新パーツのスケッチを描き続けていた様子を目撃したという。
ハウラニーはポッドキャスト『Nailing The Apex』で次のように語っている。
「木曜日の夜にアストンマーティンのファクトリーを訪れ、案内を受けていた。メカニカル部門、空力部門、CFD、風洞施設などがオープンレイアウトで配置されていて、建物の奥まで見渡せた」
「一番奥に巨大な製図板があり、定規が置かれていた。私の両腕を広げたよりも長いくらい大きなものだった。夜9時30分だったが、近づいてみるとニューウェイ本人だった」
「彼はイーゼルの前で身をかがめ、マシンに使えそうな新しいパーツをスケッチしていた。私は天才が仕事をしている姿を遠くから見て圧倒されていた」
「案内してくれた人に『彼はいつからここにいるのか』と聞くと、『朝早くからです』と言われた。朝7時30分頃に来ていて、私が見たのは夜9時30分。それでも『おそらく夜11時頃まで仕事を続けるでしょう』と言っていた」

ハンガリーで大型アップグレード投入へ
アストンマーティンはハンガリーGPで大型アップグレードを投入し、巻き返しを狙っている。
ただしチーム内部でも、このアップデートだけで状況が劇的に改善するとは考えられていない。期待どおり約2秒の性能向上が得られたとしても、現状では依然として最後尾付近にとどまる可能性があるとの見方もあり、トップ争いへの復帰にはさらなる開発が必要とみられている。
今回明らかになったニューウェイの長時間勤務は、アストンマーティンが抱える問題の大きさを物語ると同時に、名設計者がその解決へ全力を注いでいることを示している。ハンガリーGP以降のアップグレードが復調への第一歩となるのか、その成果に注目が集まる。
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