ブリヂストン、F1バルセロナテスト総括
F1の公式タイヤサプライヤーを務めるブリヂストンは、バルセロナ近郊のカタルーニャ・サーキットで2008年シーズン閉幕後最初のテストを終了した。テストでは2009年用スリックタイヤの2種類のコンパウンドと2008年用溝付タイヤの両方を使用した。
11月17日〜19日まで3日間にわたり行われたバルセロナテストには9チームが参加し、溝付タイヤと合わせて、ハード、ソフト両コンパウンドのスリックタイヤを使用した。期間中はドライコンディションだったため、ブリヂストンのウェット、エクストリームウェット、または開発中のシングル・ウェットタイヤを使用する機会はなかった。
バルセロナの気候はドライだったものの寒さが厳しく、チームにとっては特にハードコンパウンド・スリックタイヤのウォームアップとその保温が課題となった。3日間のテストに22人のドライバーが参加し、膨大な量のデータを収集した。使用するパッケージはチームごとに異なり、開発中の2009年用エアロダイナミクス・パッケージを搭載した暫定マシンと2008年仕様のマシンの両方でテストを行い、KERSシステムを使用するチームもあった。
次にブリヂストンポテンザF1タイヤが登場するのは、12月9日〜11日にヘレスで開催される8チームの合同テストと12月10日〜12日にバーレーンで開催される1チームの単独テストになる予定である。
小林徹郎ブリヂストン・モータースポーツ・テクニカル・マネージャー
ブリヂストンは今回のテストにどのタイヤを用意したのですか?
2009年用スリックタイヤのハード、ソフト2種類のコンパウンドを用意しました。また今回は2008年用溝付タイヤの複数のコンパウンドと、現行のウェット、エクストリームウェット、そして開発中のシングル・ウェットタイヤも用意しています。
スリックタイヤを使って何がわかりましたか?
我々には、これまでのスリックタイヤの走行で既に多くのデータの蓄積がありました。そこでこれを基本にテストを行い、チームはスリックタイヤの評価作業に取り組みそれぞれの使用方法を発展させることができました。バルセロナの気候が非常に寒かったため、チームはハード側のスリックタイヤを温めることとその保温に苦労していました。3日間で多くのデータを収集し、現在その分析を行っています。この3日間は、現行マシン、2009年のダウンフォースをシミュレートしたマシン、そして初期バージョンの2009年用エアロダイナミクス・パッケージを搭載したマシンと、様々な仕様のマシンを使ったので全てが直接的なプロセスにはなっていたわけではありません。まだ開発途中のKERSシステムを搭載したマシンもありました。大変興味深い3日間でした。特に5回ラリーのワールドチャンピオンを獲得したドライバーのフィードバックをもらうことができましたし、モータースポーツでは有名な名前であるセナなど、新しいドライバーの走行を見ることもできました。
スリックはこれまで11シーズンにわたって使用してきた溝付タイヤとどのように違うのですか?
溝付タイヤとスリックはコンセプトが違っていて、その導入にはグレイニングやタイヤコンストラクションの変更など多くの課題をともないました。スリックタイヤの復活によっていくつかの点で物事がシンプルになるため、特にドライバーはこの復活を歓迎しています。現在のスリックタイヤは我々が最後にF1でスリックタイヤを使用した1997年シーズン当時とはずいぶん違っています。我々は、溝付タイヤに取り組んできた11シーズンと、他のカテゴリーのスリックタイヤで培ってきた長い経験から学んだことを新しいスリックタイヤに応用しています。
来シーズンは各レースで2種類のタイヤスペックを用意することになるのですか?また2種類をどうやって見分けるのですか?
各レースに2種類のスペックを持っていくことになります。新しい2種類について、我々は2008年シーズンの2種類よりも特徴の差が大きくなるよう設計しました。ハード側のタイヤは安定性がかなり高いのですが、走行開始直後のラップタイムはあまり良くありません。ソフト側のコンパウンドは最初のラップタイムは良いのですが、使えば使うほどパフォーマンスの低下が起こるでしょう。このことが参加するチームやドライバーに多くの課題を提示し、また戦略のオプションを増やして、結果的にエキサイティングなレースを促進できるように願っています。タイヤのマーキングについては、何を使うか評価作業を続けているところです。
それぞれのレースに持っていくコンパウンドの分配はもう決まっているのですか?
今はデータを蓄積しているところなので、グランプリごとのタイヤの分配を決めるにはしばらく時間がかかるでしょう。
タイヤの観点から見て、運動エネルギー回収システム(KERS)にはどのような効果がありますか?
KERSシステムは利用できるパワーが増大するように設計されていますが、これまでこのシステムを使用して得られたデータによれば、タイヤのパフォーマンス全体には与える影響に変化はないでしょう。しかし、F1マシン全体のパフォーマンスに関しては非常に複雑になります。効率を上げるためには、小型で軽量のKERSシステムが必要になりますので、シャシーの重量配分の機会を損ねることはありません。もちろん重量配分はタイヤのパフォーマンスに影響しますので、設計者はKERSセットアップの設計にあたりこの点に留意しています。これはF1の挑戦を表すものであり、F1が新興のテクノロジーにとって優れたテストの場となっている理由を実証するものです。
カテゴリー: F1 / ブリヂストン
11月17日〜19日まで3日間にわたり行われたバルセロナテストには9チームが参加し、溝付タイヤと合わせて、ハード、ソフト両コンパウンドのスリックタイヤを使用した。期間中はドライコンディションだったため、ブリヂストンのウェット、エクストリームウェット、または開発中のシングル・ウェットタイヤを使用する機会はなかった。
バルセロナの気候はドライだったものの寒さが厳しく、チームにとっては特にハードコンパウンド・スリックタイヤのウォームアップとその保温が課題となった。3日間のテストに22人のドライバーが参加し、膨大な量のデータを収集した。使用するパッケージはチームごとに異なり、開発中の2009年用エアロダイナミクス・パッケージを搭載した暫定マシンと2008年仕様のマシンの両方でテストを行い、KERSシステムを使用するチームもあった。
次にブリヂストンポテンザF1タイヤが登場するのは、12月9日〜11日にヘレスで開催される8チームの合同テストと12月10日〜12日にバーレーンで開催される1チームの単独テストになる予定である。
小林徹郎ブリヂストン・モータースポーツ・テクニカル・マネージャー
ブリヂストンは今回のテストにどのタイヤを用意したのですか?
2009年用スリックタイヤのハード、ソフト2種類のコンパウンドを用意しました。また今回は2008年用溝付タイヤの複数のコンパウンドと、現行のウェット、エクストリームウェット、そして開発中のシングル・ウェットタイヤも用意しています。
スリックタイヤを使って何がわかりましたか?
我々には、これまでのスリックタイヤの走行で既に多くのデータの蓄積がありました。そこでこれを基本にテストを行い、チームはスリックタイヤの評価作業に取り組みそれぞれの使用方法を発展させることができました。バルセロナの気候が非常に寒かったため、チームはハード側のスリックタイヤを温めることとその保温に苦労していました。3日間で多くのデータを収集し、現在その分析を行っています。この3日間は、現行マシン、2009年のダウンフォースをシミュレートしたマシン、そして初期バージョンの2009年用エアロダイナミクス・パッケージを搭載したマシンと、様々な仕様のマシンを使ったので全てが直接的なプロセスにはなっていたわけではありません。まだ開発途中のKERSシステムを搭載したマシンもありました。大変興味深い3日間でした。特に5回ラリーのワールドチャンピオンを獲得したドライバーのフィードバックをもらうことができましたし、モータースポーツでは有名な名前であるセナなど、新しいドライバーの走行を見ることもできました。
スリックはこれまで11シーズンにわたって使用してきた溝付タイヤとどのように違うのですか?
溝付タイヤとスリックはコンセプトが違っていて、その導入にはグレイニングやタイヤコンストラクションの変更など多くの課題をともないました。スリックタイヤの復活によっていくつかの点で物事がシンプルになるため、特にドライバーはこの復活を歓迎しています。現在のスリックタイヤは我々が最後にF1でスリックタイヤを使用した1997年シーズン当時とはずいぶん違っています。我々は、溝付タイヤに取り組んできた11シーズンと、他のカテゴリーのスリックタイヤで培ってきた長い経験から学んだことを新しいスリックタイヤに応用しています。
来シーズンは各レースで2種類のタイヤスペックを用意することになるのですか?また2種類をどうやって見分けるのですか?
各レースに2種類のスペックを持っていくことになります。新しい2種類について、我々は2008年シーズンの2種類よりも特徴の差が大きくなるよう設計しました。ハード側のタイヤは安定性がかなり高いのですが、走行開始直後のラップタイムはあまり良くありません。ソフト側のコンパウンドは最初のラップタイムは良いのですが、使えば使うほどパフォーマンスの低下が起こるでしょう。このことが参加するチームやドライバーに多くの課題を提示し、また戦略のオプションを増やして、結果的にエキサイティングなレースを促進できるように願っています。タイヤのマーキングについては、何を使うか評価作業を続けているところです。
それぞれのレースに持っていくコンパウンドの分配はもう決まっているのですか?
今はデータを蓄積しているところなので、グランプリごとのタイヤの分配を決めるにはしばらく時間がかかるでしょう。
タイヤの観点から見て、運動エネルギー回収システム(KERS)にはどのような効果がありますか?
KERSシステムは利用できるパワーが増大するように設計されていますが、これまでこのシステムを使用して得られたデータによれば、タイヤのパフォーマンス全体には与える影響に変化はないでしょう。しかし、F1マシン全体のパフォーマンスに関しては非常に複雑になります。効率を上げるためには、小型で軽量のKERSシステムが必要になりますので、シャシーの重量配分の機会を損ねることはありません。もちろん重量配分はタイヤのパフォーマンスに影響しますので、設計者はKERSセットアップの設計にあたりこの点に留意しています。これはF1の挑戦を表すものであり、F1が新興のテクノロジーにとって優れたテストの場となっている理由を実証するものです。
カテゴリー: F1 / ブリヂストン