F1サンパウロGP予選 展開:ノリス完全制覇、フェルスタッペンQ1敗退の波乱

一方で、チャンピオン争いを繰り広げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)はまさかのQ1敗退。角田裕毅もクラッシュの影響を引きずり脱落するなど、上位陣が波乱の展開に巻き込まれた。
Q1:フェルスタッペンがまさかの敗退、角田裕毅も脱落
セッション序盤から路面温度は上昇。各車がソフトとミディアムを混在させるなか、序盤の主導権を握ったのはハースのオリバー・ベアマンだった。1分10秒台中盤を刻み、アルピーヌのピエール・ガスリー、メルセデス勢も続く。
しかし、注目はレッドブル勢だった。角田裕毅はFP1でのクラッシュの影響を引きずり、走行リズムを取り戻せず19番手で敗退。さらに、マックス・フェルスタッペンはマシンの挙動に苦しみ「全く押せない、グリップがない」と無線で報告。滑るような走りに終始し、最終的に16番手でQ1敗退という衝撃的な結果となった。
ガブリエル・ボルトレト(キック・ザウバー)はマシン修復が間に合わず出走できず、エステバン・オコン、フランコ・コラピントもここで姿を消した。
Q1脱落: フェルスタッペン、オコン、コラピント、角田裕毅、ボルトレト
Q2:ハミルトンとアロンソも消える波乱の中、ノリスが再びトップ
15台によるQ2では、タイヤマネジメントが鍵に。序盤はベアマンが再び先頭に立ち、レーシングブルズ勢のリアム・ローソンとアイザック・ハジャーも上位に顔を出した。だが、トラックエボリューションが進む中、ノリスが最後に1分9秒台を叩き出しトップに浮上。
一方で、メルセデスはタイミングを誤り、ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリがピットに留まる間にチェッカーフラッグ。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)やルイス・ハミルトン(フェラーリ)は滑りやすいコンディションに苦戦し、わずかな差でQ3進出を逃した。
Q2脱落: アロンソ、アルボン、ハミルトン、ストロール、サインツ
Q3:ノリスが圧巻の一撃、アントネッリが再び2番手に
最終決戦となるQ3では、まずベアマンが1分9秒977をマークして暫定トップに立つ。続いてガスリー、ルクレール、ピアストリらがアタックを重ね、上位が目まぐるしく入れ替わる。
ノリスは1本目でターン1のロックアップにより遅れるも、2本目で完璧な一撃。中盤と最終セクターで圧倒的なスピードを見せ、1分9秒243を記録。アントネッリが驚異的な中盤セクターで肉薄したものの、0.174秒届かず2番手。ルクレールが3番手、ピアストリは4番手に留まった。
レーシングブルズ勢はハジャーが5番手、ローソンが7番手と健闘。ハースのベアマンは8番手、ガスリーとヒュルケンベルグがトップ10を締めた。
Q3結果(上位10台):
1番手:ノリス(マクラーレン)
2番手:アントネッリ(メルセデス)
3番手:ルクレール(フェラーリ)
4番手:ピアストリ(マクラーレン)
5番手:ハジャー(レーシングブルズ)
6番手:ラッセル(メルセデス)
7番手:ローソン(レーシングブルズ)
8番手:ベアマン(ハースF1チーム)
9番手:ガスリー(アルピーヌ)
10番手:ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)
ノリス「リズムに乗ればトップに立てる」
ポールシッターのランド・ノリスは、「コンディションは難しかったけど楽しかった。1本目を失った後も落ち着いてまとめられた。リズムに乗れればトップに立てる」と満足げにコメント。
2番手のアントネッリは「また彼の後ろなのは少し悔しい。風が強くて難しかったけど、明日2番手からスタートできるのは嬉しい」と語った。
3番手のルクレールは「すべてが僅差だ。数百分の差で週末が変わる。3番手には満足している」と笑顔を見せた。
レッドブル苦戦、メキース「リスクを取った代償」
ローラン・メキース代表は予選後、「金曜からマシンに満足していなかった。スプリント後に大幅な変更を試したが逆方向に行ってしまった」と分析。「戦うためのリスクだったが、今回は痛みを伴った」と語った。
決勝はノリスが大本命、雨の不安は解消
天気予報では決勝日の雨の可能性が後退し、晴天のレースが濃厚。スプリントと予選を制したノリスが完全勝利を狙う。一方、フェルスタッペンは16番手から、角田裕毅は19番手からの追い上げに挑む。
ブラジルの熱狂の中、タイトル争いの行方を左右する一戦が幕を開ける。
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