F1サンパウロGP フリー走行 展開:ノリスが首位、角田裕毅はバリア接触
マクラーレン勢がブラジル・インテルラゴスで圧巻の1-2を記録。ランド・ノリスが僅差でチームメイトのオスカー・ピアストリを抑えてトップに立った。3番手にはハースF1チームのニコ・ヒュルケンベルグが続き、レッドブル勢はマックス・フェルスタッペンが飛び込みラップを中断、角田裕毅はバリアに接触する場面もあった。

週末はスプリントフォーマットで行われ、FP1後すぐにスプリント予選(SQ)が実施される。雨と強風の予報が出ており、変化に富む週末となりそうだ。

■ ハードタイヤでの走行開始、序盤はメルセデス勢が主導
セッションは5分遅れでスタート。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが先陣を切ってコースインし、ジョージ・ラッセルが1分11秒188を記録してトップに立った。
全車がC2(ハード)で周回を重ね、フェルスタッペンやノリスも同様にハードでロングランを進めた。

■ 角田裕毅がバリア接触、序盤でフロントエンドを損傷
セッション中盤、角田裕毅がコーナー出口で外側の縁石に乗り上げ、スピンしてバリアに軽く接触。右フロントのエンドプレートを損傷し、ピットへ戻った。
修復作業のために長時間ガレージに留まることとなり、貴重な走行時間を失った。

元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは「キャリアの分岐点にある角田にとって、この時間のロスは痛い」と指摘した。

■ サインツが復帰、体調不良から回復
ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は前日のメディア対応を欠席していたが、このFP1で復帰。軽い風邪の症状がある中でも走行をこなし、安定したペースで3番手タイムを記録した。

■ フェルスタッペンとラッセルが接触寸前の攻防
フェルスタッペンがややワイドに立ち上がった際、後方からラッセルがサイド・バイ・サイドで並びかけたが、外側に押し出される形となった。スチュワードはこの件を「審議対象外」と判断。
フェルスタッペンはその後もハードタイヤで走行を続け、計18周を消化した。

■ ミディアムタイヤ登場、サインツとラッセルが上位に
残り15分を切ったところで、各チームがC3(ミディアム)を装着。サインツが1分10秒台に入りトップに立ち、ラッセルが0.1秒差で続いた。
この段階でマクラーレン勢は依然としてハード走行のまま、データ収集を続けていた。

■ ピアストリが首位浮上、マクラーレン勢が支配
セッション終盤、オスカー・ピアストリが1分10秒193をマークしてトップに浮上。続くノリスが0.278秒差の2番手。
マクラーレン勢はこの週末も速さを示し、パーマーは「ピアストリがここ数戦で見せていた遅れを完全に取り戻している」と評価した。

■ ヒュルケンベルグが3番手、フェルスタッペンはアタック中断
ハースF1チームのニコ・ヒュルケンベルグがC3で1分10秒台を出して3番手に食い込み、2010年以来の好相性を示した。
一方、フェルスタッペンはソフトタイヤ(C4)でアタックラップに入るも途中で中断し、再びハードに戻してセッションを終えた。

■ ハミルトンがスピン、720度回転
終盤、ルイス・ハミルトンがスピンを喫し、720度回転。幸いマシンに大きな損傷はなく、走行を続けたが、このセッションでは19番手。ハードタイヤ1セットのみの走行にとどまった。

■ ノリスがわずか0.023秒差でピアストリを逆転
最終盤、ノリスが1分09秒975をマークして僅差でピアストリを上回り、トップタイムを記録。ハースのヒュルケンベルグが0.6秒差で3番手につけた。
フェラーリ勢とメルセデス勢は、ソフト・ミディアムともにアタックラップを行わず、手の内を隠したまま終了した。

■ 角田裕毅は走行再開も最下位に
セッション後半、角田裕毅は修復を終えて再びコースへ戻り、ソフトタイヤで数周を重ねたが、計測ラップ不足により最下位に。スプリント予選に向けて走行データをわずかしか得られない結果となった。

■ フェルスタッペンと角田のみがソフトを使用、タイヤ特性は未知数
FP1でソフトタイヤを使用したのはフェルスタッペンと角田裕毅のみ。ドライならスプリント予選のSQ3で使用が義務づけられるため、両者のデータは重要な比較材料となる。
ローラン・メキース代表は「FP1を唯一のドライセッションとして扱っている。午後は雨と強風のリスクが高い」とコメントした。

■ FP1結果(全20台)
1.ランド・ノリス(マクラーレン) 1分09秒975(31周)
2.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) 1分09秒998(33周)
3.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) 1分10秒594(32周)
4.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) 1分10秒606(26周)
5.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) 1分10秒616(32周)
6.ジョージ・ラッセル(メルセデス) 1分10秒645(35周)
7.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) 1分10秒681(33周)
8.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) 1分10秒686(36周)
9.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) 1分10秒707(31周)
10.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) 1分10秒744(37周)
11.リアム・ローソン(レーシングブルズ) 1分10秒794(36周)
12.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) 1分10秒807(35周)
13.エステバン・オコン(ハースF1チーム) 1分10秒906(29周)
14.オリバー・ベアマン(ハースF1チーム) 1分10秒961(32周)
15.ランス・ストロール(アストンマーティン) 1分11秒070(31周)
16.フランコ・コラピント(アルピーヌ) 1分11秒160(30周)
17.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) 1分11秒368(31周)
18.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) 1分11秒493(30周)
19.シャルル・ルクレール(フェラーリ) 1分11秒526(28周)
20.角田裕毅(レッドブル・レーシング) 1分11秒763(20周)

■ この後はスプリント予選へ
FP1を終えた時点で、マクラーレン勢が依然として週末の主導権を握っている。しかし、雨が予想されるスプリント予選では勢力図が一変する可能性も高い。
スプリント予選は現地時間15時30分(日本時間翌午前3時30分)に開始予定だ。

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カテゴリー: F1 / F1ブラジルGP