ブラウンGPの伝説的F1マシン マイアミGPで約5億5千万円で落札

このマシンは、F1史上屈指の“アンダードッグ・ストーリー”の象徴とされる。
2008年末、ホンダがF1から撤退したことを受けて、ロス・ブラウンとニック・フライがチームを1ポンドで買収。メルセデス・ベンツをエンジンサプライヤーに迎え、翌年から参戦を開始した。
革新的なダブルディフューザーを武器に、ジェンソン・バトンが開幕7戦中6勝を挙げる快進撃を披露。シーズンを通じて圧倒的な強さを見せ、ドライバーズおよびコンストラクターズ両選手権を制覇した。シーズン終了後、メルセデスがチームを買収し、ワークス体制に移行。その後は8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得し、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが計7度のドライバーズタイトルを分け合うなど、黄金時代を築くこととなった。
Bonhams Carsのマイアミ担当セールス責任者であるルイス・フランケルは、オークション前に次のように語っていた。
「このマシンは、まさにF1における“おとぎ話”の象徴であり、革新的な設計が限界をいかに打ち破れるかを示した存在です」
「シャシー001/01はモータースポーツ史における貴重な一台であり、世界中のコレクターを魅了することは間違いありません。マイアミGPという舞台で、この唯一無二のマシンを出品できることを光栄に思います」
マイアミGPの代表であるタイラー・エップも、次のように述べている。
「Bonhams Carsとのパートナーシップを継続できたことを嬉しく思います。今年のイベントも、さらに成功を収めるでしょう」
「南フロリダには強いカーカルチャーが根付いており、マイアミのファンやコレクターたちは、クラシックカーから最新モデルまで幅広いクルマに情熱を注いでいます。今回のような特別な出品物を手にできる機会は、週末の熱いレースとあわせて、ファンにとって大きな魅力になるはずです」

今回落札されたシャシー001/01は、2009年にルーベンス・バリチェロが実際にドライブした車両で、その後、チャンピオンとなったバトンに贈られた。当初、チームはレプリカの提供を提案していたが、バトンはそれを好まず、法的手続きの末に本物が渡された。なお、バトンが実際にシーズン中にドライブしていたのはシャシー002であり、こちらはロス・ブラウンの個人コレクションに保管されている。
今回の落札額は380万ドルと、驚きの価格ではあったが、事前に見込まれていた450万〜650万ドルの予想レンジには届かなかった。
この車両には、オリジナルの2.4リッターV型8気筒90度バンクのメルセデス・ベンツFO108Wエンジンが搭載されており、最大出力は18,000rpmで750馬力に達する。ただし、ギアボックス内部が欠損しているため、そのパワーを実際に駆動輪に伝えることはできない。
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