F1アゼルバイジャンGP 分析:金曜日のデータから読み取るチーム勢力図
2025年F1アゼルバイジャンGPの初日プラクティスでは、ルイス・ハミルトンがトップタイムを記録し、チームメイトのシャルル・ルクレールとともにフェラーリが1-2を飾った。2戦連続で金曜の最速を掴んだフェラーリ勢は、ポールポジションや優勝争いに絡む可能性を示した。

一方、マクラーレン勢はタイトル確定を目前にしながらも、両ドライバーが壁に接触する波乱の展開となり、データ収集不足の一日となった。

それでも依然としてパフォーマンスは上位で、フェラーリやレッドブル、メルセデスを交えた混戦が予想される。

マクラーレンの乱れた一日が実力を隠す
マクラーレンはバクーに、チームズチャンピオンシップ防衛に王手をかけた状態で到着した。残り7戦を前に1-2または1-3フィニッシュを決めれば、自力でタイトル確定が可能だった。しかしFP2の結果は、今季もっとも乱れたセッションのひとつとなった。

ランド・ノリスはFP1で最速を記録したものの、ターン2で壁に接触。さらに数コーナー後に大きくヒットしてマシンを損傷し、ガレージへ戻るしかなかった。修復は間に合わず、高燃料での走行データを収集できないまま終わった。オスカー・ピアストリもバリアに接触したが、幸いテックプロバリアだったためダメージは免れた。最終的にノリスは10番手、ピアストリは12番手に沈み、データ不足のまま夜を迎えることとなった。それでも我々のデータによれば、予選シミュレーションではフェラーリに対してわずか0.06秒、ロングランでは0.13秒の差でマクラーレンが優位にある。フェラーリのルクレールが「マクラーレンは別次元だ」と評したのはやや大げさかもしれないが、接戦になることは間違いない。

F1 アゼルバイジャンGP:予選シミュレーションペース

再び速さを見せたフェラーリ、勝利への手応え
ハミルトンはFP1を「混乱した」と評したが、FP2に向けてブレーキの調整を行い「ようやく完璧に機能している」と自信を深めた。結果、彼はチームメイトのルクレールをわずかに上回って最速タイムを記録。過去4年連続でバクーのポールを獲得してきたルクレールは「自分の走りが良くなかった」と悔やんだ。

データ上、フェラーリは低速コーナーでマクラーレンやレッドブル、メルセデスに対し0.4秒以上の優位を築いている。予選シミュレーションでもトップとの差は0.06秒と僅差で、ポール争いの有力候補だ。一方でロングランはマクラーレンに劣るが、金曜の進歩を考えれば初勝利の可能性を視野に入れるに十分な仕上がりとなっている。

F1 アゼルバイジャンGP:レースシミュレーションペース

メルセデス、ポール争いに絡む速さも決勝は課題
体調不良で木曜メディアデーを欠席したジョージ・ラッセルは声がかすれていたものの走行には復帰。終始速さを見せた。チームメイトのキミ・アントネッリも、前戦モンツァでの不振を反省し慎重に積み上げ、ラッセルに0.009秒差で続いた。
彼らはストレートスピードで最速を記録し、予選ではポール争いに絡む速さを持つ。しかしロングランではマクラーレンに0.4秒、フェラーリに0.2秒劣り、改善が必要だ。

F1 アゼルバイジャンGP:カーパフォーマンス

レッドブル、前向きな感触で上位争いへ
ここ数戦で復調気配を見せるレッドブルは、バクーでも勝利を狙える位置につけた。マックス・フェルスタッペンは「マシンはかなり良い感触」と述べ、「安定したバランスを見つけた」と満足気。依然として1周の自信を探っているが、もし改善できればポール争いに食い込める可能性は高い。

角田裕毅はロングランに重点を置き、「燃料を積んだときのペースはかなり良くなった」と評価。データ上もレッドブルはロングランで3番手につけ、フェラーリと僅差に迫った。日曜のレースで表彰台を狙える展開になりそうだ。

F1 アゼルバイジャンGP:理想ラップ分析

ウィリアムズ、“ベスト・オブ・ザ・レスト”の筆頭に
今季ソフトタイヤで苦戦を続けてきたウィリアムズだが、バクーでは改善を見せた。カルロス・サインツは依然として難しさを語ったものの、総合的な速さは好感触。もしアレックス・アルボンが理想的なラップをまとめていれば、金曜時点で4番手相当のタイムだったという。

ウィリアムズは予選シミュレーションとロングランで5番手を確保。予選ではハース、決勝ではレーシングブルズが最大のライバルとなる。現在チームズ選手権でアストンマーティンに24点差をつけて5位を守っており、このペースをポイントに結びつければその座をさらに固めることができる。

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カテゴリー: F1 / F1アゼルバイジャンGP