アウディ
アウディは、FIA世界耐久選手権(WEC)の最終戦で素晴らしい強さを発揮したものの、僅差でドライバーズタイトルを獲得することができなかった。

ランキング2位で最終戦を迎えたマルセル ファスラー / アンドレ ロッテラー / ブノワ トレルイエ組が逆転のために全力を尽くしたが、わずか5ポイント差により、この3人組による2012年以来2度目、またアウディスポーツとして2013年以来3度目のドライバーズタイトル獲得は果たせなかった。

今年もっともスリリングな展開を見せた最終戦は、アウディの優勢で始まった。レース序盤、ルーカス ディ グラッシ / ロイック デュバル / オリバー ジャービス組のアウディ R18 e-tron quattroゼッケン8号車が、もう1台のアウディ R18 e-tron quattroを従えトップを快走していた。

年間ドライバーズタイトル争いのライバルのポルシェがコースアウトに見舞われたために、アウディはドライバーズタイトル獲得に向けて周回を重ねていった。

しかし、ロイック デュバルがドライブ中に、ゼッケン8号車のブレーキディスクに不具合が発生し、その修復の為に8周の遅れを生じてしまった。ファスラー / ロッテラー / トレルイエ組はレース終了まで激しいバトルを繰り広げ、2位でフィニッシュ。しかし、ポルシェのティモ ベルンハルト / ブレンドン ハートレー / マーク ウェバー組は、今回のレースを5位以内でフィニッシュすれば、年間ドライバーズタイトルを獲得できる状況だった。ディ グラッシ / デュバル / ジャービス組は6位でフィニッシュした。

アウディモータースポーツ副代表のディエター ガスは「ポルシェチームの今大会の優勝と、年間ドライバーズタイトル獲得を心から祝福します。アウディスポーツが第5戦まで大会をリードし、その後最終戦の最終ラップまで白熱のタイトル争いを繰り広げたことで、耐久レースを愛する方々に、スリリングなシーズンを見ていただけたと思っています。今シーズン、我がチームのパフォーマンスは非常に優れたものでしたが、残念なことに年間タイトル奪取にはわずかに及びませんでした」と述べた。

しかし、現在でもアウディの足跡の素晴らしさは揺るぎない地位を保っている。FIA世界耐久選手権(WEC)開幕から4年間の歴史を振り返ってみると、アウディはもっとも成功したマニュファクチャラーとなっている。これまで開催された全32大会で、アウディ R18 e-tron quattroは、15回の優勝を獲得。LMP1クラスでこれほど高い優勝率を誇るチームは他に例がない。

さらにアウディは、2012年以降の4年間で2回のドライバーズタイトルと、同じく2回のマニュファクチャラーズタイトルを獲得している。マルセル ファスラー / アンドレ ロッテラー / ブノワ トレルイエ組は、ワールドタイトル獲得はもちろん、今日までに10回の総合優勝獲得経験を誇っている。彼らの優勝率は31.3%と、他のドライバーの追従を許さない高いレベル。2015年シーズン、彼らは全ての大会で表彰台を獲得しているが、これは参加チームの内で唯一、彼らだけが成し遂げた偉業となっている。

アウディスポーツLMPプロジェクトリーダーのクリス レインケは「我がチームの関係者すべてに対し感謝と敬意を抱いています。アウディスポーツのメンバー、ドライバー、そして他のすべての関係者が決して諦めずに、優れたパフォーマンスを常に発揮し続けるというアウディの気質に則った素晴らしい働きを見せてくれました。今シーズンは、幾度となく極めて厳しい状況を迎え、最終的にわずか数ポイント差でタイトルを譲りました。しかしながら、我がアウディはこの4年間、依然として強いチームであり続けています。年間ドライバーズタイトルを獲得したポルシェには、心から祝福を申しあげます」と述べた。

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カテゴリー: F1 / アウディ / WEC (FIA世界耐久選手権)