クリスチャン・ホーナー “アウディF1転身説”が即否定 フェラーリとも決裂か

F1界が今なお揺れるこの解任劇の詳細について、ドイツ紙『ビルト』は以下のように報じている。「ホーナーはロンドンの高級ホテルで、自身のキャリアの終焉を告げられた」という。
関係者によると、マーク・マテシッツとチャレルム・ユヴィッディヤのレッドブル株主2名に加え、ヘルムート・マルコ、そしてCEOのオリバー・ミンツラフが同席し、解任を伝えたという。
ミンツラフはこの解任の“首謀者”であり、数週間にわたって決断を熟慮していたとされる。
死去した創業者の空席を巡る権力構造の変化
レッドブル共同創業者ディートリッヒ・マテシッツが2022年10月に死去した後、ホーナーは彼の職責の多くを引き継ぐようになっていたという。この動きが徐々に組織内での軋轢を生み、解任の引き金となった可能性が指摘されている。
そして運命を決定づけたのは7月2日、毎年恒例となっていたホーナー主催のクレー射撃イベントに、ユヴィッディヤとマックス・フェルスタッペンの両名が欠席したことだったという。フェルスタッペンは「胃の不調」で欠席したとされているが、『ビルト』はこの欠席が象徴的な“見限り”のサインだったと見ている。
フェラーリ移籍の可能性はほぼ消滅
現在、ホーナーには退職金の条件を含む契約解除の交渉が進められているが、契約的には他チームとの交渉に支障はないと見られている。
イタリア紙『クオティディアーノ・ナツィオナーレ』に寄稿するフェラーリ内部関係者レオ・トゥリーニによれば、ホーナーは最近フェラーリからの2度のオファーを断っているという。トゥリーニは「3度目はあるのか?」と含みを持たせているが、『コリエーレ・デッラ・セラ』は「フェラーリ側の関心はすでに失われている」と報じており、実現の可能性は極めて低い。

浮上するアルピーヌ案と“消滅”したアウディ説
一方で注目されているのは、フラビオ・ブリアトーレとの連携によるアルピーヌ入りの可能性だ。チーム株の一部を持つ形での関与も選択肢に含まれると見られている。
さらに今週には、アウディF1プロジェクトがホーナーに関心を示しているとの一部報道もあったが、『ビルト』紙は「ホーナーはアウディの選択肢には入っていない」と明言し、この噂を即座に否定している。
後任はローラン・メキースに決定
ホーナーの後任には、セカンドチームのレーシング・ブルズを率いていたローラン・メキースが内部昇格する形で就任。フェラーリとFIA出身の経験豊かなフランス人が、2025年マシンのシーズン中アップデートを監督し、次戦ベルギーGPおよびハンガリーGPで指揮を執ることになる。
マルコは「マックス(・フェルスタッペン)にトンネルの先に光が見えることを示さなければならない」と語り、チーム再建への決意を強調した。
カテゴリー: F1 / アウディ / レッドブル・レーシング