アウディ ル・マン24時間レース
アウディは、ル・マン24時間レースの予選でハイブリッドドライブを搭載したAudi R18 e-tron quattroがポールポジションを獲得した。

リヤアクスルを駆動するTDIパワーと、フロントアクスルを駆動する電気モーターをインテリジェントに組み合わせたカーナンバー「1」のAudi R18 e-tron quattroは、木曜日の夜に行なわれた最終予選で、22:00を少し過ぎた時間に、アンドレ・ロッテラーが3分23秒787のファステストラップを記録。このタイムは、昨年のベストタイムを約2秒も上回った。

「マシンは、レールの上を走っているようでした。ただただ驚くばかりです」と、アンドレ・ロッテターはコメント。

「アウディスポーツのスタッフが最高の仕事をしてくれたおかげで、ルマンで初めてポールポジションを取ることができました。彼らには本当に感謝しています!」

ル・マン予選でその圧倒的なパフォーマンスを披露したのは、Audi R18 e-tron quattroだけではない。世界選手権のポイントランキングでトップを走るロイック・デュバルが駆るカーナンバー「3」の従来型パワーユニットを搭載したR18 ultraは、わずか0.291差で2位に入った。

「予選の最速ラップは完全にフリーな状態ではなかったので、もっとタイムを上げることができたはずです」とロイック・デュバルはコメント。

「それで、自分のタイムが破られると思ったのです。しかし、私たちの目標はトヨタの前からスタートすることでしたので、その意味では目標は達成されました」

ル・マンの優勝記録保持者であるトム・クリステンセンがドライブするカーナンバー「2」のAudi R18 e-tron quattroは、4位のラップタイム(3分25秒433)を記録し、3位に入ったトヨタのハイブリッドマシンのすぐ後方からスタートする。ルマン初挑戦となるマルコ・ボナノーミがステアリングを握るカーナンバー「4」のAudi R18 ultraは、6番グリッド(3分26秒420)を確保。これによって、アウディスポーツ・チームヨーストから参戦した4台のマシンすべてが予選スタートの3列目以内に入った。

ル・マンにおけるアウディのポールポジションは、2000年、2001年、2002年、2004年、2006年、2011年に続き、今回で7回目となる。毎回、アウディのマシンはフロントローを独占してきたが、2種類の異なる技術によるマシンが1列目に並ぶのは今回が初めて。

アウディモータースポーツ代表のDr. ヴォルフガング・ウルリッヒ「トヨタのハイブリッド2台を凌ぎ、史上初めてハイブリッドマシンでルマンのポールポジションを獲得したことを、もちろん誇りに思っています」は述べた。

「しかし、これはまだ非常に小さなステップに過ぎません。目の前には、レースに勝つという、より大きな目標があります。いつものことですが、2日間行なわれたプラクティスセッションでは、ほとんどレースのセットアップに集中していました。その結果、マシンを非常に運転しやすい状態に仕上がることができました。また、これまでのところ、信頼性にもまったく問題はありません。しかし、これまで私たちが常に申しあげてきたとおり、ルマンで速さを発揮するのはディーゼルのみではないということが、今回の予選で明確になったと思います。ハイブリッドとディーゼルによる今回のダブルポールは、最高の状態にマシンを仕上げてきた、チーム全体のハードワークの賜物です」

第80回となるルマン24時間レースは、土曜日の現地時間15:00(日本時間16日22:00)にスタートし、世界中の数多くのテレビ局がこのレースを生中継する予定。アウディでは、www.audi-liveracing.comでレースのライブストリーミングを提供。視聴者は、Audi R18のオンボード映像によるレースの模様を楽しむことができる。

今年のル・マン24時間レースでは、333台が限定生産されるAudi A1 quattroがフォーメーションラップを先導する。

Dr.ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)
「アウディがフロントローを独占できたことは、大変に素晴らしいことです。期待されていた通り、Audi R 18 e-tron quattroは、Audi R18 ultraよりも若干速いタイムをマークしました。同時に、ライバルであるトヨタとの差も接近していることが分かりました。それでも、予選ではアウディが先行しています。これは、レースではあまり重要な意味を持っていないかもしれませんが、良い材料であることには違いありません。もっとも重要なことは、レースが終わるまでしっかりとモチベーションを保って、チーム全員がハードワークを続けることです」

ラルフ・ユットナー (アウディ スポーツ チームヨースト、テクニカルディレクター)
「私たちは、まったくトラブルなしに予選を終了することができました。4台のマシンすべてを順調に仕上げることができたと思っています。すべてのドライバーが、マシンに大きな信頼を持っています。彼らは、コンスタントに速く走ることができます。しかし、すべてのマシンは、給油やタイヤ交換のためのピット作業を行なわなければなりません。私たちは、これらの作業を他のチームよりもうまく行なう必要があります。なぜなら、レースの様々な要素に加えて、サーキットのトラフィックは大きな問題となるからです。最終的に、トヨタはフレッシュタイヤを1セット多く使用しています。彼らは、非常に速いペースで走っています。予選で3位に入ったことは、素晴らしいことだと思います。最初のレースでこの結果は賞賛に値するでしょう。このことは、私たちがトヨタの存在を決して忘れてはならないことを示しています。完璧な作業を行なってくれたチームの皆には感謝しています。彼らは、時には夜中まで働いていました。彼らの働きによって、ドライバーの自信も深まっています」

マルセル・ファスラー (Audi R18 e-tron quattro #1)
「まず最初に、アンドレ(ロッテラー)のスーパーラップを祝福したいですね!彼は、ロイック デュバルにトップタイムを奪われた後、さらに反撃に出ました。本当にすごいと思います。彼のことを尊敬します。マシンの状態は良好です。夜間と昼間の両方で、良いリズムが掴めています。R18 e-tron quattroは運転しやすいマシンなので、レースには自信を持っています。これは、24時間レースでは非常に重要なことです」

アンドレ・ロッテラー (Audi R18 e-tron quattro #1)
「ポールポジションを獲得して最高の気分です。もちろん、レースでは多くのことが起こると思いますが、R18 e-tron quattroが最強のマシンであることを、我々のパフォーマンスが証明したのです。この1年間、懸命な作業を続けてくれたチームのスタッフ全員にお礼を言いたいと思います。わずか1セットのニュータイヤと、たった1週のフリーラップをものにして、最高の結果を出すことができました。私たちのマシンがスピードで勝っていることが分かって良かったです。ライバルも負けていませんからね。トヨタも、予選の後半でその実力を示してみせました。レースでは最高のポジションからスタートを切ることができ、ここ数日間のメカニックのハードワークに応えることができたと思っています」

ブノワ・トレルイエ (Audi R18 e-tron quattro #1)
「予選の結果には大いに満足しています。すべてがプラン通りに進みました。アンドレ(ロッテラー)のファステストラップで、フロントローを確保できました。これからは、レースのセットアップに集中したいと思います。良好なセットアップは既に見つけているので、レースでは自信を持っています。マシンの状態は非常に良いので、いつでも24時間レースのスタートを切ることができます」

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カテゴリー: F1 / アウディ / ル・マン24時間レース