アンドレア・キミ・アントネッリ 涙のF1初優勝「人生の目標のひとつを叶えた」

スタート直後こそルイス・ハミルトンに先行を許したものの、2周目にはストレートで抜き返して首位を奪還。
その後はジョージ・ラッセルとフェラーリ勢の争いを尻目にギャップを築き、終盤のロックアップというヒヤリとする場面を乗り越えてトップチェッカーを受けた。
涙に包まれた初優勝
アンドレア・キミ・アントネッリは、デビッド・クルサードによる決勝後インタビューで感情を抑えきれなかった。
「泣きそうだ。僕のチームに感謝したい。僕の夢を叶えるのを助けてくれた」
そう語ったアントネッリは、こみ上げる涙をぬぐいながら喜びを口にした。
「本当にうれしい」
「イタリアを再び頂点に戻したいとずっと思っていたし、今日はそれができた。終盤にフラットスポットを作って、自分でちょっと心臓に悪い思いをさせてしまったけどね」
「簡単なスタートではなかった。おそらく内側を守りすぎてしまって、フェラーリに少しスペースを与えすぎた。でもペースは良かったし、しっかり勝ち切ることができた」
序盤の逆転と終盤の緊張
アントネッリはポールポジションからスタートしたが、オープニングラップでは好発進を決めたルイス・ハミルトンの後塵を拝した。シャルル・ルクレールを抑え込もうとした影響もあり、一時的に主導権を明け渡す形となった。
それでも2周目のストレートでハミルトンを抜き返すと、そこからはアントネッリのレースとなった。ラッセルとフェラーリ勢が争う間にリードを広げ、終盤には9秒差まで築いた。
だが、残り3周でヘアピン進入時に激しいロックアップを喫し、レースエンジニアのピーター・ボニントンからは無線で「このクルマをしっかり持ち帰ろう」と声が飛んだ。
その呼びかけに応えるように、アントネッリは最後まで走り切り、ラッセルに約5秒差をつけてチェッカーを受けた。

「人生の目標のひとつ」を達成
優勝直後、アントネッリは無線でチームに喜びを伝えた。
「やった、やったよ」
「みんなありがとう。僕の夢のひとつを叶えるのを助けてくれた」
この勝利により、アントネッリはドライバーズランキングで47ポイントに到達し、首位ジョージ・ラッセルとの差を4ポイントに縮めた。
ただ、タイトル争いについては冷静な姿勢を崩さなかった。
「まだシーズンは始まったばかりだし、僕たちは努力を続けないといけない」
「ジョージは信じられないドライバーで、あらゆる面で本当に強い。彼を倒すには多くのことが必要になる」
「彼と一緒に仕事ができるのは本当に素晴らしい機会だ。僕は彼からたくさん学んでいる。だから今後のシーズンが楽しみだよ。レースごとに集中して、そのうえでシーズンの最後にどこにいるのか見ていきたい」
トト・ヴォルフも批判に反論
メルセデス代表のトト・ヴォルフも、アントネッリのF1昇格当初に向けられていた懐疑的な声を引き合いに出しながら、その勝利を称えた。
「彼は若すぎる。メルセデスに乗せるべきではない。もっと小さなチームに乗せるべきだ。経験が必要だ。ミスを見ろ」
そうした周囲の声を紹介したうえで、ヴォルフはこう締めくくった。
「さあ見ただろう、キミ。勝利だ」
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