アストンマーティン・ホンダF1 大改良目前も課題「スペアパーツは十分ではない」

今季のアストンマーティンはホンダ製パワーユニットとシャシーの統合に苦戦し、振動やバッテリー関連のトラブルへの対応を優先。その結果、空力開発を後回しにせざるを得ず、予選ではキャデラックに約1秒遅れを取る状況にまで後退した。
そうした状況を打開するため、チームは夏休み前最後のレースとなるハンガリーGPで、大規模なアップグレードパッケージを投入する予定となっている。
ハンガリーGP投入へ「全力」で新パーツを製造
アストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーを務めるマイク・クラックは、新パーツの製造はチーム全体を挙げた大規模なプロジェクトになっていると説明した。
「全員がパーツを用意し、マシンを準備するために全力を尽くしている。このような形でアップデートを投入すると決めれば、とても大きな取り組みになる」
「開発では、いつも締め切りをできるだけ後ろまで引き延ばそうとする。だから今、AMRTC(アストンマーティン・レーシング・テクノロジー・センター)では大きな努力が続いている。私は前向きな人間だ」
クラックは、2台ともアップデート仕様で走らせられると考えている一方、十分なスペアパーツまでは用意できない可能性を認めた。
「2台とも準備できると思っている。ただ、正直に言えば、それぞれのパーツを5セットもスペアとして用意できるとは思っていない」
一部パーツが間に合わなくても対応策を準備
クラックは、仮に一部のパーツが完成しなかったとしても、アップグレード全体が機能しなくなるわけではないと説明する。
「常に複数のシナリオを用意している。このパーツはあるが、こちらはない、といった場合だ。1つの部品が届かなかっただけで何もできなくなるような状況にはできない」
「そのため『これがなければ、この仕様で走れるか』という計画を準備している。もちろん、すべてに十分なバックアップがあるわけではない」
「チーム全員がリスクを減らすために本当に良い仕事をしてくれている。そして、1つか2つの部品が間に合わなかった場合に備えたプランも整えている」

性能向上への期待は慎重「まず現状を把握したい」
一方でクラックは、新しい空力パッケージに対する期待が過度に高まることには慎重な姿勢を示した。
「期待値については注意しなければならない。我々はトップ勢からかなり離されているだけでなく、中団グループからも後れを取っている。だから、まずはハンガリーでマシンをコースに出してみることが重要だ」
「まず本当にすべてが揃っているか確認しなければならない。スケジュールは非常に厳しい。そのうえで、自分たちがどこにいるのかを見極めたい」
さらに、コースごとに勢力図は変化するとし、現時点で結果を予測するのは難しいと語った。
「我々にとって最も重要なのは、再び他チームと戦える状態に戻ることだ。それがチーム全員の目標だ。その先で、どこまで戦えるのかを見ていく」
「予測を立てるのは難しい。ご存じのようにサーキットごとに特徴は異なる。弱点が大きく表れるコースもあれば、逆に強みが生きるコースもある。だからシーズンを通じて状況は変わるだろう。それでも、マシンを改善し、その成果を確かめることを楽しみにしている」
アストンマーティンにとってハンガリーGPは、今季初の本格的な性能改善を試す重要な一戦となる。まずは2台分のアップデートを無事投入できるかが焦点となり、その後にようやくAMR26Bが中団争いへ近づけるかどうかが明らかになりそうだ。
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