アルピーヌF1 新型リアウイングで独自アプローチ“小型モンキーシート”導入

今回の変更は、リアウイングのアクチュエーターおよびフェアリング後方の“余白”を活用したもので、従来は見過ごされてきた領域に新たな空力的役割を持たせている。
リアウイング後方に“小型モンキーシート”を配置
今回のソリューションは、細長いエンドプレートを備えたウイングレット構造で、フェアリング本体へと前方に伸びる形状を採用している。この構成は、かつてV8時代に使用されていた「モンキーシート」を想起させるものだ。
中央部分には急角度で立ち上がるウイングレットが配置され、その上部にはガーニーフラップが装着されている。さらにそれらを囲うようにエンドプレートが設けられており、小型ながら明確な空力的意図が感じられる構造となっている。
このデバイスは、リアウイングがクローズ状態にある際に中央セクションの働きを強める効果を狙ったものと見られる。また、ストレートモード解除時の過渡領域において、気流の再付着を助ける役割も担う可能性がある。
独自のアクティブエアロ構造との相乗効果
アルピーヌは2026年のアクティブエアロにおいて、一般的なDRS型ではなく“リクライニング式”のリアウイングを採用している。このため、作動時の気流の変化や機構周辺の流れは他チームとは大きく異なる。
新たなウイングレットは、こうした独自機構まわりの流れを安定させる役割も担っていると考えられ、単なる追加ダウンフォースデバイスではなく、システム全体の効率を高めるための補助的パーツとして設計されている可能性が高い。

リアエンドプレートとブレーキダクトにも改良
アルピーヌはこのウイングレットに加え、リアウイングのエンドプレートおよびフロントブレーキダクトのディフレクターにも変更を加えている。
リアウイングのエンドプレートは下部形状が再設計され、より彫り込まれたプロファイルとなった。これは従来から進めてきた上部構造のコンセプトを踏襲しつつ、翼端渦のコントロールや空力効率の最適化を狙ったものだ。
また、ブレーキダクトのディフレクターについては、作動領域全体において一貫したパフォーマンスを発揮できるよう改良が施されている。
“余白”を活かす発想が生んだ開発
F1のレギュレーションにおいて、空力開発の鍵は“許された範囲の解釈”にある。過去にもシャークフィンやTウイングなど、一見無意味に見えたスペースがパフォーマンス向上の余地として活用されてきた。
今回のアルピーヌの試みもその延長線上にあり、大きな性能向上をもたらすパーツではないものの、積み重ねとしての効果を確実に狙った開発と言える。
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