FIAがF1新LED表示をテスト MGU-Kの状態を青・紫・黄で可視化

これまでの点滅回数による表示は、コックピット内の激しい振動の中では判別が難しいとの指摘がドライバーから寄せられていた。
FIA(国際自動車連盟)は安全性向上の観点から、色によってMGU-Kの状態を示す新システムを導入し、カナダGPで実戦テストを行った。
2026年F1で重要性を増したリアLEDライト
2026年のF1マシンでは、電動出力が大幅に増加した新世代パワーユニットが導入された。これに伴い、リアLEDライトの役割も従来の「エネルギー回生中の表示」から大きく拡張されている。
今年からリアライトは、ハイブリッドシステムの作動状況を外部へ伝える情報ツールとして機能しており、ルーキードライバーの走行や特別なテストプログラムなども識別できるようになった。
特にMGU-Kの出力状態は、マシンの速度変化に直結するため、後続車へ正確に伝えることが安全面で重要視されている。
従来は点滅回数で3つの状態を表示
これまでFIAはLEDライトの点滅パターンによってMGU-Kの状態を示していた。
1回点滅はMGU-Kが最大出力350kWを発生していない状態を意味する。この段階では電力供給は継続しているものの、マシンはデレーティング領域に入り始め、加速性能が徐々に低下する可能性がある。
2回連続点滅はMGU-Kが完全に電力供給を停止した状態を示し、マシンは内燃エンジンのみで走行している。
高速点滅は「スーパークリッピング」と呼ばれる回生モードを表す。この状態ではMGU-Kが発電側に回り、バッテリーへエネルギーを回収している。
しかし、こうした点滅の違いは走行中に判別しづらく、ドライバーから改善要望が出されていた。
青・紫・黄の3色で状態を識別
カナダGPで試験導入された新システムでは、点滅回数ではなく色そのものでMGU-Kの状態を表示する。
青色はMGU-Kが最大出力350kWを発揮していない状態を示す。従来の1回点滅に相当する。
紫色はMGU-Kがエネルギー供給を停止している状態で、マシンは内燃エンジンのみで走行していることを意味する。従来の2回点滅に相当する。
黄色はスーパークリッピングによる充電状態を示す。MGU-Kが発電側として作動し、バッテリーを充電している状況だ。
色による表示に変更することで、後続車のドライバーは一目でライバル車のエネルギー状態を把握できるようになる。
安全性向上が最大の狙い
FIAがこの変更を進める最大の理由は安全性の向上にある。
MGU-Kが充電モードへ移行した際には、特にスーパークリッピング中にマシンの速度が低下するケースがある。後続車がその変化を事前に認識できなければ、接近時のリスクが高まる可能性がある。
新しい色分けシステムによってドライバーは前方車両の状況を瞬時に把握できるようになり、不意の速度差による危険を軽減できると期待されている。
カナダGPのフリー走行ではデータ収集とドライバーからのフィードバックが行われており、FIAは評価結果を踏まえたうえで正式導入を判断する見込みだ。
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