フェルナンド・アロンソ F1オーストリアGP決勝「あと1周あったら危なかった」

この日、アロンソはミディアムタイヤでスタートし、1回のピットストップでハードに交換。その後は70周の大半をフェルナンド・アロンソらしいペースコントロールで走り切った。
終盤にはガブリエル・ボルトレト(ザウバー)から激しいプレッシャーを受けたが、ポジションを守り切るレース運びは圧巻だった。
「11番手スタートから7位という結果には満足している」ととアロンソは振り返る。
「ワンストップ戦略は朝の段階では正直自信がなかったけど、結果的にうまくいってチームの判断は正しかった。レースを通してDRSを活用できたし、最後は少し運にも助けられたと思う。もう1周あったら危なかった」
「厳しい週末をいい形で締めくくることができたし、チームのハングリーさも感じられる。次のシルバーストンにもこの勢いを持ち込みたい」
マイク・クラック(チーフ・トラックサイド・オフィサー)も「フェルナンドは完璧にタイヤ戦略を遂行し、非常に困難なワンストップ作戦を成立させてくれた」とベテランの働きを称賛した。

一方、チームメイトのランス・ストロールは予選Q1敗退からのスタートとなり、決勝でも角田裕毅との接触によって序盤からペースを乱された。加えて、タイヤの著しい摩耗にも悩まされ、ポイント圏には届かず14位完走に終わった。
「この週末が厳しいものになることは分かっていた」とストロールは認める。「フリー走行ではある程度のペースがあったけど、週末が進むにつれて気温が上がるなかでその流れを維持できなかった。グリッド後方からのスタートだったし、レースではタイヤのデグラデーションに苦しんで、戦略も柔軟に変更しなければならなかった。しっかり見直して、シルバーストンではもっと強い週末にしたい」
クラックも「ランスは全力で戦い、フィールドの中でいくつかのバトルにも関わったが、高いタイヤのデグラデーションに苦しみ、今日はポイント圏には届かなかった」と述べ、両ドライバーの走りを総括した。
アストンマーティンにとっては明暗の分かれる結果となったオーストリアGPだったが、アロンソの老練な走りはチームにとって貴重な6ポイントをもたらし、復調の兆しを感じさせる内容だった。次戦は地元グランプリとなるF1イギリスGP。再びポイント圏内で2台揃ってのフィニッシュを狙う。
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