フェルナンド・アロンソ カタルーニャ・サーキットのアンバサダーに就任

アストゥリアス出身の2度のF1ワールドチャンピオンであるアロンソは、同サーキットの世界的なプロモーションを担うと同時に、若手ドライバー育成にも協力していくことになる。
「カタルーニャ・サーキットのアンバサダーに就任できて光栄だし、本当にうれしい。僕にとってもスペインのファンすべてにとっても特別な場所で、多くの喜びを与えてくれたサーキットだ。僕のキャリアと深く結びついていて、カート時代に初めてフォーミュラカーをテストしたのもこの場所だった。プレシーズンテストやレースなどを通して、人生で最も多くの周回を重ねたサーキットだと思う」とアロンソは語る。
実際、同サーキットはアロンソにとって特別な舞台であり、これまでに7度の表彰台と2度の優勝を記録している。
「2003年のスペイングランプリは、忘れられない思い出だ。表彰台に上がって、信じられないような感動を味わった。観客席がすべて青に染まり、国中からの大きな応援を感じた初めての経験だった。僕にとってあれはキャリアの転機だったし、今でも大切に覚えている」
カタルーニャ・サーキットは近年、大規模な改修を経て、ヨーロッパで最も近代的なサーキットのひとつへと生まれ変わった。
「F1や他国のサーキットの基準に合わせて、未来に備えるためにも必要な一歩だった。このアップグレードによって、今や“レベル10”に到達したと思うし、将来が非常に楽しみだ」
同サーキットのF1開催契約は2026年までで、現在はその延長に向けた交渉が進められている。アロンソはこれについて次のようにコメントしている。
「個人的には、カタルーニャ・サーキットがF1カレンダーに残ることは絶対に必要だと思う。施設の質、そしてF1における歴史と伝統を考えれば当然だ。現在のF1には大都市の市街地サーキットや、中東の豪華な施設を備えたサーキットなど様々なタイプがあるけれど、一方でF1の歴史が刻まれてきた伝統的なサーキットもある。すべての選択肢を検討する必要はあるけれど、こうした歴史あるサーキットは残すべきだと思うし、何よりも“安全性”を軽視してはならない」

今回の提携は、単なるプロモーション活動にとどまらない。アロンソの豊富な経験と、サーキットが提供する最先端の施設は、将来有望な若手ドライバーの育成にも役立てられる。
「僕はF1で20年以上、モータースポーツ全体では35年以上の経験を積んできた。そこにサーキット側が持つ、35年にわたるイベント開催実績を組み合わせることで、未来の才能あるドライバーたちを支援していくつもりだ。通年で“360度”の体験を提供できるような一流施設は、若手育成にとって非常に重要だと思う。僕たちが一緒に取り組めば、きっと大きな成果をあげられると信じている」
バルセロナ見本市協会および同サーキットの運営会社「Fira Circuit」の代表であるパウ・レラットは次のように述べた。
「フェルナンド・アロンソをカタルーニャ・サーキットのアンバサダーに迎えられることは、大きな名誉だ。彼の偉大なキャリアはここから始まり、この国のモータースポーツ熱を高め、多くの感動をもたらしてくれた。我々にとっては、F1ワールドチャンピオンがサーキットの価値を世界に発信し、若手ドライバーの育成にも尽力してくれるというのは、まさに特権だ」
2025年のF1スペイングランプリは、F1創設75周年、そしてカタルーニャ・サーキットでのグランプリ開催35年連続という記念すべき節目にあたる。今年のレースは、5月30日から6月1日にかけて開催される予定だ。
カテゴリー: F1 / フェルナンド・アロンソ / F1スペインGP