F1 アルファロメオ・レーシング
アルファロメオ・レーシングは2月14日(木)、イタリアのフィオラノサーキットでシェイクダウンを実施。2019年F1マシンのために開発された革新的なフロントウイングを披露した。

今月、イタリアの La Gazzetta dello Sport は、アルファロメオ・レーシングの名前を掲げる第1号車は、可能な限り自由を奪うことなく設計されており、急進的な形状のボディが採用されると報じていたが、その真相が明らかになった。

2019年のF1世界選手権では、オーバーテイクを促進させるためにフロントウイング、リアウイング、バージボードを含めた空力パッケージのF1レギュレーションに変更が加えられる。フロントウイングは幅が1800mmから2000mmに拡大し、デザインを単純化。エンドプレートもシンプルなものになり、複雑フラップは禁止される。

昨年までの先行マシンからの気流に非常に敏感なタイヤの外側の“アウトウォッシュ”が重視されているが、2019年型フロントウイングは“アウトウォッシュ”を整流することはできなくなり、気流をアンダーボディに導く“インウォッシュ”型となる。

これまで発表された各チームのマシンは、昨年までのウイングデザインを新レギュレーションに合致させ、フロントタイヤの上側に気流を跳ね上げるために上向きに湾曲したフラップとシンプルなエンドプレートを特徴としていた。

キミ・ライコネンの初走行とバレンタインデーにちなんだハートをテーマにしたブラック&レッドのカモフラージュカラーに目を奪われがちだが、アルファロメオ・レーシングのF1マシンのフロントウイングには他チームとは異なるアプローチがとられた。

アルファロメオ・レーシング 2019年F1マシン

シンプルなエンドプレートは他チームと類似しているが、フラップはちょうどタイヤの内側の位置で終了する短いものが採用され、外側への向きも上向きではなく、下向きとなっている。

これはノーズとフロントタイヤの間およびアンダーボディへの向けた気流、そしてフロントタイヤからの後流とエンドプレートの外側からマシン後部への気流のチャネルを明確に分けるアプローチだ。

アルファロメオ・レーシングは、さらにノーズ先端も特徴的な形状となっている。開口部は昨年のマクラーレンに似たソリューションが採用され、先端の突起もハンマーのような形状となり、Sダクト用にノーズ下向けにも別のチャンネルが設けられている。

実はこのアルファロメオ・レーシングと同様のアプローチはトロロッソ・ホンダも採用している。2月11日に公開されたトロロッソ・ホンダ STR14のプレスフォトとは異なり、2月13日にミサノ・サーキットで行われたシェイクダウン時には同じようにフロントタイヤにむけて下向きに傾く形状のフロントウイングが搭載されていた。このようなソリューションはバルセロナテストでもっと多くのチームに見られるかもしれない。

トロロッソ・ホンダ STR14

アルファロメオ・レーシングのチームプリンシパルを務めるフレデリック・バスールは、フィオラノでのシェイクダウンは“ポジティブな一日”を過すことができたと語る。

「我々は初めて2019年のF1マシンを走らせて、来週バルセロナでスタートする最初のテストに先んじて開発で成し遂げた進歩を評価することができた。チーム全体が、可能な限り最高の基盤でシーズンをスタートさせるためにプッシュしている。我々のドライバーとクルーはやる気を高めており、チャンピオンシップに向けて強力なパフォーマンスの実現することを楽しみにしている」とフレデリック・バスールは語った。

フェラーリからアルファロメオ・レーシングに加わったテクニカルディレクターのシモーナ・レスタは、月曜日のテスト開始に先立ち、新しいシャーシの必要な予備チェックを実施できたと語る。

「長い冬を過ごした後、初めて新車をコース上で走らせることができ、嬉しく思っている。今日の我々の作業の焦点は、空力、セットアップおよび冷却のチェックだった。我々は合計33周を走った。そして、新しいレギュレーションが我々のクルマの挙動にどのように影響するかを確かめるためにデータを生かしていく。バルセロナで過ごす次の2週間は忙しくなるし、クルマの信頼性とパフォーマンスを証明することが焦点となる」とシモーナ・レスタは語った。

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カテゴリー: F1 / アルファロメオF1チーム / F1マシン