2025年F1アブダビGP:知っておくべき統計・トリビア・洞察
2025年のF1世界選手権は、いよいよ今季最終戦となるアブダビGPを迎え、ルサイルからヤス・マリーナへと舞台を移した。2025年カレンダー第24戦、そしてシーズン最後の決戦が今日行われる。

12月5日の金曜日にFP1とFP2、6日の土曜日にFP3と予選が行われ、そして12月7日の今日、チャンピオンを決めるグランプリ本戦が控えている。

■ 主要データ
初開催グランプリ:2009年
サーキット全長:5.281km
ラップレコード:1分25秒637(ケビン・マグヌッセン/ハース/2024年)
最多ポールポジション:ルイス・ハミルトン(5回)
最多勝利:ルイス・ハミルトン(5回)
トリビア:セバスチャン・ベッテル、ニコ・ロズベルグ、マックス・フェルスタッペンはいずれもアブダビで自身初のF1ワールドタイトルを獲得している
ポールからターン1ブレーキングポイントまでの距離:194メートル
2024年のオーバーテイク数:96回
セーフティカー発生確率:38%
バーチャル・セーフティカー発生確率:50%
ピットストップによるタイムロス:21秒

アブダビグランプリ

■ ドライバーの見解
ジョリオン・パーマー(元ルノーF1ドライバー):このサーキットは、かつてはかなり扱いづらいレイアウトだったが、ターン5とターン9となっている煩雑なシケインを撤廃したことで改善された。

その結果、はるかにスピードの速いサーキットとなり、レースの質も向上している。ターン6へのブレーキングと、その先のターン9に向かう出口では、オーバーテイクの好機が生まれる。

ラップ終盤の3連続右コーナーは最も難しい区間だ。ターン12ではブラインドのままブレーキングするため、ミスが出やすい。拡幅はされたものの、ターン13は依然として難しく、マシンの置き方が非常に重要になる。

最終セクターは、運転していて必ずしも楽しい場所ではないが、大量のタイムを稼ぐことも失うこともできる区間だ。

シーズン最終戦ということもあり、全体としていつも特別な雰囲気がある。

■ 過去5回のアブダビGPポールシッター
2024年:ランド・ノリス(マクラーレン)
2023年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2022年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2021年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2020年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

■ 過去5回のアブダビGP優勝者
2024年:ランド・ノリス(マクラーレン)
2023年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2022年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2021年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2020年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

アブダビGP F1

■ タイヤと戦略の考察
「歴史的に見ると、ヤス・マリーナの路面ではタイヤのグレイニングが発生するが、昨年からその現象は比較的限定的であるようだ」とピレリの週末プレビューには記されている。

「現在のタイヤは耐久性が高いため、グレイニングがさらに抑えられ、通常は予選でのみ使用されるソフトでさえ、レース戦略を組み立てる上で中心となる可能性がある。

「このサーキットでは、デグラデーションは熱によるもので、特にトラクションが求められる最終セクターの影響で、一般的にリアタイヤに現れる。

「昨年のヤス・マリーナでは、19名のドライバーがスタート時にミディアムを装着し、唯一の例外はハードを選んだルイス・ハミルトンだった。

「最速の戦略は1ストップであり、2スティント目にハードを使用した。トップ10フィニッシャーのうち、2回ピットストップを行ったのはフェルナンド・アロンソのみだった。1名だけが、最速ラップを記録する目的だけでソフトを走らせた。

「グレイニングもデグラデーションもいずれも限定的だったため、レース中盤前にピットインしたドライバーでさえ、難なく2スティントで走り切ることができた。」

■ 現在の勢力図
23戦にわたる激戦を経て、すべてはここに集約される。

今季7勝ずつを挙げた3人のドライバー。両者の差はわずか16ポイント。そのうちの1人だけが、アブダビをタイトル獲得者として去ることになる。

初のワールドチャンピオンとなるのはランド・ノリスかオスカー・ピアストリか?
それとも、マックス・フェルスタッペンが驚異的な逆襲を完成させ、5年連続タイトルを達成するのか?

その答えは、これから数日で明らかになる。

フェルスタッペンは、ザントボルト後に104ポイントあった差をわずか12ポイントにまで縮め、直近8戦で5勝を挙げ、ヤス・マリーナでも過去5戦のうち4勝を記録していることから、勢いに乗ってアブダビに到着した。

一方でノリスとマクラーレンは昨年ここで勝利しており、ノリスは今週末、表彰台に上がりさえすれば、フェルスタッペンにもピアストリにもタイトルを阻止する術はないことを理解している。

その頂上決戦の裏側でも、多くの争いが続いている。コンストラクターズ選手権の2位争い、6位争い、そしてドライバーズ選手権での自尊心をかけた順位争いなど、決着をつけるべき要素はまだまだ多い。

■ アイコニックな瞬間
アブダビではこれまで、数多くの白熱したバトルやタイトル決戦が繰り広げられてきたため、象徴的な瞬間には事欠かない。

しかし、今週末の状況を踏まえると、2010年のタイトル決戦を振り返るのがふさわしいだろう。レッドブルのセバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバー、フェラーリのフェルナンド・アロンソ、そしてマクラーレンのルイス・ハミルトンが、いずれもチャンピオン獲得の可能性を残してアブダビに到着した。

その後に展開されたのは緊迫した劇的なレースで、ベッテルはタイトル争いで15ポイント差を負った状態からの逆転を成し遂げ、ハミルトンを抑えて勝利を飾った。一方、ウェバーとアロンソは交通渋滞に苦しみ、悪夢のような展開となった。



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カテゴリー: F1 / F1アブダビGP