角田裕毅“失速” 「ホンダのために残す義理はない」ローソンがF1残留へ前進

一方で、ローソンは安定した走りでポイントを重ね、来季のF1残留に向けて優位に立つ状況だ。専門家からも「ホンダのために日本人ドライバーを残す義理はない」との厳しい見方が出ており、レーシングブルズのシート争いは残り3戦で決定的な局面を迎えている。
ハジャー昇格確実、リンドブラッド起用で角田は窮地
2026年のF1ドライバー市場では、残り3席のうち2席をレーシングブルズが握っている。レッドブル陣営ではアイザック・ハジャーの本隊昇格が既定路線とされ、アービッド・リンドブラッドのF1デビューも濃厚視されている。
その結果、チームのもう1席は経験を重視してリアム・ローソンが継続起用されるとの見方が強まっており、角田は事実上の“押し出し”に直面している。
専門家「ホンダのために残す義理はない」
サンパウロGPの週末、Sky Sportsの番組でカールン・チャンドックとジェイミー・チャドウィックが両者の状況を分析した。
チャドウィックは「リアムも強いわ。ときどき接触などがあるけど、それでもF1に残る価値がある。ジュニアチームで素晴らしい仕事をしている」と評価。
これに対してチャンドックはより踏み込んだ見解を示した。
「もしリンドブラッドをルーキーとして起用するなら、チームには安定感のあるドライバーが必要だ。角田は今年自信を失っているし、ホンダとの関係も終わる。もうホンダのために日本人ドライバーを残す義理はない。ローソンは十分な仕事をしている」
この発言が物語るように、レッドブルとホンダの提携終了を前提とした人事戦略が動き始めている。
角田は結果で存在感を示せるか
角田の今季最高位はアゼルバイジャンGPでの6位。だがその際もローソンが直後でチェッカーを受けており、直接的な比較では上回れていない。
対するローソンは、シーズン序盤の短期降格を経ても安定した走りでポイントを積み重ね、ハジャーとほぼ互角のペースを維持している。復調ぶりを示した走りは、チーム代表アラン・パーメインにとって「もう1年走らせる価値がある」と判断させる材料になりつつある。

2026年F1ドライバーラインアップ(現時点)
■ レッドブル・レーシング:マックス・フェルスタッペン/未定
■ レーシングブルズ:未定/未定
■ フェラーリ:シャルル・ルクレール/ルイス・ハミルトン
■ メルセデス:ジョージ・ラッセル/アンドレア・キミ・アントネッリ
■ マクラーレン:ランド・ノリス/オスカー・ピアストリ
■ ウィリアムズ:アレクサンダー・アルボン/カルロス・サインツJr.
■ アルピーヌ:ピエール・ガスリー/フランコ・コラピント
■ アストンマーティン:フェルナンド・アロンソ/ランス・ストロール
■ ハースF1チーム:エステバン・オコン/オリバー・ベアマン
■ ザウバー:ニコ・ヒュルケンベルグ/ガブリエル・ボルトレト
■ キャデラックF1チーム:バルテリ・ボッタス/セルジオ・ペレス
最終決断は残り3戦で
2026年の発表を控え、レーシングブルズのシート争いは佳境を迎えている。
チームが「経験の安定」を取るのか、「新世代育成」に振り切るのか。角田裕毅に残された時間はわずか3戦。結果で再び信頼を勝ち取れるかが、すべてを決める鍵となる。
カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / ビザ・キャッシュアップRB
