角田裕毅、レッドブルF1離脱を語る「チーム内部で“戦争”が起きていた」

2026年はリザーブドライバーとしてチームに残留するものの、本人にとっては事実上、5年目のF1シーズンが区切りとなった。
「来年レースをしていない実感がまだない」
「正直、すごくがっかりしました。まだ完全に受け止めきれていないし、来年レースをしていないという実感も正直あまりないです」
角田裕毅はそう率直な心境を語った。
2025年シーズン途中、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルに昇格した角田裕毅は、シーズンを通して33ポイントを獲得したが、結果として2026年のシートを維持することはできなかった。
フェルスタッペンという存在がもたらす現実
「マックスがグリッドで最高のドライバーであることは、セカンドドライバーにとっては助けにならない部分もあると思います」
「彼は常にチャンピオン争いをしている。チームがタイトルを争っているドライバーを優先するのは当然のことです」
角田裕毅は、フェルスタッペンという絶対的エースと同じチームで戦う難しさを、冷静に受け止めていた。
ホーナー解任と重なった“内部の戦争”
角田裕毅がレッドブルのトップチームに合流した時期は、クリスチャン・ホーナーのチーム代表兼CEO解任と重なっていた。
退任を控えていたヘルムート・マルコも、当時のチーム内が分断されていたことを示唆していたが、角田裕毅自身もその見解に同調する。
「僕がこのチームに飛び込んだタイミングは、ちょうど内部で“戦争”が起きていた時期だったと思います」
「それは正直、かなり大変でした」
25歳のドライバーにとって、環境面の不安定さは決して小さな要素ではなかった。

Bスペック車両と厳しい現実
シーズン中盤まで、角田裕毅はBスペックのRB21を使用し、アップデートは主にフェルスタッペン側に集中していた。
しかし、ローラン・メキースの就任後、ようやく両者のマシン仕様は揃えられたという。
それでも、2025年のF1は僅差のフィールドだった。
「今のF1はグリッドが本当に接戦です。それも助けにはならなかった」
「僕がQ1で敗退して、彼がQ3でトップ3に入っていると、結果だけを見るとすごく悪く見えてしまう」
「自分が成し遂げたことを誇りに思う」
「ギャップをずっと見ていけば、僕が5コンマも4.5コンマも遅れていた記憶は正直ありません」
「自分がやってきたことは誇りに思っていますし、チームとしても来年は良い方向に進んでいくと思っています」
レッドブルF1でのレギュラーシートは失ったものの、角田裕毅は自身の歩みを否定していない。
混乱の只中で戦い抜いた5年間を糧に、2026年は別の立場からチームを支えることになる。
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