角田裕毅 レッドブルF1で正念場「パフォーマンスの最大化だけを考えている」

今季途中にレッドブル本隊へ昇格した角田裕毅は、新チームと新マシンへの適応を強いられながらも安定したパフォーマンスを見せている。
しかし、アイザック・ハジャーが2026年のレッドブル系契約をすでに確保したと報じられ、F2期待株アービッド・リンドブラッドのレーシングブルズ昇格の噂も浮上。状況は一気に緊迫している。
現在、角田裕毅とリアム・ローソンが2026年に残された1つのシートを巡って争っていると広く見られている。
角田裕毅「パフォーマンスを最大化すれば自然と結果はついてくる」
そんな中でも角田裕毅は冷静だった。ブラジルGP開幕前のメディアデーでは、マックス・フェルスタッペンのタイトル争いを支援しつつ自身の将来も懸ける“二重のプレッシャー”について問われ、次のように答えた。
「特にそういう意識はないです。僕はただ、パフォーマンスを最大化することだけを考えています。それができれば自然と両方につながると思います。自分のパフォーマンスを最大化できれば、自然と予選でも上位にいけるし、マックスにとってもレースの戦略面で助けになる。キャリアに関しても同じです」
「僕が集中しなければならないのは、自分のパフォーマンス。すべてのセッションで最大限を引き出し、チームに良いフィードバックを与えて、週末を通してセットアップを改善できるようにすることです。だから、ただそれに集中しています」
メキシコでの悔しさを糧にブラジルへ
前戦メキシコGPでは「ポイントを取りこぼした」と悔しさを口にしたが、その経験を糧にブラジルへ向かう。
「メキシコの前回のレースでは、すべてがうまくいっていれば確実にポイント圏内だったと思います。でも、それもモータースポーツの一部。そういうことも起きるものです。週末全体としては満足していますし、この流れを今週末のスプリントでもさらに続けたいです」
「両方のレースでポイントを取れるようベストを尽くします。去年はここで良い思い出があるし、自信もあります」

フェルスタッペン隣の挑戦「プレッシャーは大きいけど学ぶことも多い」
シーズン途中での昇格については「全く新しいマシンに飛び乗る自然なチャレンジ」と表現した角田裕毅。ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンの隣で走ることについても次のように語った。
「ワールドチャンピオンの隣で走るというのは、グリッドで一番のドライバーの横で走るということです。もちろん、これまでと違う種類のプレッシャーを感じています。でも今はそれを楽しめていますし、彼から多くのことを学べています。とても良い経験です」
分析:焦りを見せない「自信」と「成熟」
中盤での昇格劇からまだ半年も経たないが、角田裕毅の発言からは焦りではなく、明確な自己理解と成熟が見て取れる。結果を追うのではなく、過程を信じて積み上げる──その姿勢はレッドブルが求める“冷静な戦略ドライバー”像にも重なる。
ブラジルは昨年予選3番手を獲得した得意の舞台。再び力強い週末を見せることができれば、2026年シート争いでの主導権を取り戻すチャンスになるだろう。
カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1ブラジルGP
