角田裕毅 F1シンガポールGP決勝「人生で最悪のスタートだった」
レッドブルの角田裕毅は、F1シンガポールGP決勝を12位で終えた。序盤の混乱で大きく順位を落としながらも、レース全体では非常に力強い走りを見せた。完走20台という波乱の少ない展開のなか、あと一歩でポイント圏に届かなかった。

角田裕毅はソフトタイヤでスタートしたが、1周目で複数のマシンに囲まれ、スペースを失って大きく後退。それでも中盤以降は好ペースを維持し、終盤にはチームメイトのマックス・フェルスタッペンを後方に従えながら走行した。

「今日の1周目は、今までで一番ひどかったです。ポジションをたくさん失って、どこにも動けるスペースがなかった。動こうとするたびに他のマシンがいて、まったく余裕がなかったんです。最初のラップのすべてのコーナーでオーバーテイクを試みましたが、どこも同じ状況でした」

それでも角田裕毅は、自身のペースには大きな手応えを感じていたという。

「本当に悔しいのは、今日のペースがとても良かったことです。チームに加入して以来、ベストと言えるくらいでしたし、ポイントを取るには十分な速さがありました。ロングランもショートランもすごく良い感触で、バクー以前とは完全に正反対のフィーリングでした。今日も少しマシンにダメージがありましたが、それでも競争力があったのはポジティブです」

終盤には、レーシングブルズのアイザック・ハジャーを抜くチャンスもあったが、後方から2位争い中のフェルスタッペンが迫っていたため、角田裕毅はチームのために譲った。

「終盤、アイザックを抜くチャンスもありましたが、後ろからマックスが2位争いをしてきたので、チームのために彼を先に行かせました。それが正しい判断だったと思います」

今後に向けて、角田裕毅は改善を積み重ねた流れを継続していくことを誓った。

「残りのシーズンでは、ここ数戦で積み上げてきた改善をすべて結びつけていきたいです。特に一貫性と、1周のペースからグリップを引き出すことが鍵になります」

角田裕毅 F1 シンガポールGP

インタビュー

Q:レース中盤まではポイントが見えていたように見えました。最後にタイムを失ったことで結果が遠のいたようですが、今の気持ちは?

「正直、人生で最悪のスタートでした。スタートそのものは悪くなかったんですけど、もう何が起きたのか想像できないくらい。行けるスペースがどこにもなくて、試したところ全部ふさがれてしまいました。本当に最悪の1周目でしたね。残念なのは、その後のペースがすごく良かったことです。だから余計に悔しいです」

Q:ポイントは逃しましたが、ペース面では手応えがあったようですね。次戦以降に向けて希望はありますか?

「はい、ロングランのペースは本当に良かったですし、レッドブルとしてはこのサーキットで強いはずがないのに、そこまで戦えたのはポジティブでした。ただ、ここ数戦ずっと予選でグリップを感じられないという課題があります。特にタイヤのウォームアップとか、1周での感触をうまく掴めていません。そこを解決できれば、次のハイダウンフォースのサーキットではもっといい形になると思います」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1シンガポールGP