F1アブダビGP 決勝:新王者ランド・ノリス誕生 フェルスタッペン今季8勝目

ノリスはタイトルが決まるレースをフロントロー2番グリッドからスタートした。前にはレッドブルのフェルスタッペン、後ろにはマクラーレンのチームメイトであるピアストリが控え、トップ3以内でフィニッシュすれば2025年の王座が確定する状況だった。
果敢なピアストリの動きによって、ノリスはオープニングラップで3番手に後退した。その後もフェラーリのシャルル・ルクレールからの攻撃、最初のピットストップ後に発生したトラフィック、そしてもう一方のレッドブルである角田裕毅とのサイド・バイ・サイドによる緊迫の瞬間が続き、ノリスにはプレッシャーがかかり続けた。
しかしノリスは、投げかけられたすべての困難に対処し、最終的に3位でフィニッシュしてタイトルを獲得した。フェルスタッペンとピアストリはそれぞれ優勝と2位という完璧なレース運びを見せた。
すべてが終わってみれば、ヤス・マリーナ・サーキットで生じた10ポイント差のスイングにより、ノリスとフェルスタッペンの最終選手権順位の差はわずか2ポイント。ピアストリはさらに11ポイント後方でシーズンを終えた。
闘志あふれる走りを見せたルクレールが4位となり、ノリスから約7秒差でフィニッシュした。その後方にはメルセデスのジョージ・ラッセル、勢いに乗るアストンマーティンのフェルナンド・アロンソ、そして争い合うハースとフェラーリのエステバン・オコン、ルイス・ハミルトンが続いた。
ハミルトンのリカバリーに加えて、キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは多くのポジションを挽回し、自身250戦目のレースを9位で終えた。ランス・ストロールは“erratic driving(不規則な走行)”によるペナルティを受けながらも10位で最後のポイントを獲得した。
オリー・ベアマンも、ストロールとのバトルで複数回の進路変更により終盤にペナルティを受け、ガブリエル・ボルトレトの後ろとなる12位に終わった。カルロス・サインツはウィリアムズで13位、角田裕毅はノリスに対するミッドレースでの防御(異なるタイヤ戦略下)により5秒加算のペナルティを科され14位となった。
その後方にはメルセデスのキミ・アントネッリが続き、ウィリアムズのアレックス・アルボンはピットレーン速度超過によるペナルティを受けた。レーシングブルズのアイザック・ハジャーとリアム・ローソンは、前者が早めのピットストップで不利を被り、後者はベアマンとの接触によりペナルティを受けた。
アルピーヌ勢は2025年の定位置とも言える後方でレースを終え、ピエール・ガスリーがフランコ・コラピントの前でフィニッシュした。ガスリーもトラックリミット超過でペナルティを受けていた。
2025年F1アブダビGP 決勝 順位・結果
1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル)2.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
3.ランド・ノリス(マクラーレン)
4.シャルル・ルクレール(フェラーリ)
5.ジョージ・ラッセル(メルセデス)
6.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
7.エステバン・オコン(ハース)
8.ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
9.オリバー・ベアマン(ハース)
10.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
11.ランス・ストロール(アストンマーティン)
12.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
13.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
14.角田裕毅(レッドブル)
15.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
16.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
17.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
18.リアム・ローソン(レーシングブルズ)
19.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
20.フランコ・コラピント(アルピーヌ)

■ ノリス、ついに世界王者へ
3位でフィニッシュしたランド・ノリスが念願の初タイトルを獲得し、逆境からの巻き返しを成し遂げてシーズンを締めくくった。
■ フェルスタッペンは勝利もタイトル届かず
盤石のレース運びで今季8勝目を挙げたフェルスタッペンだが、ノリスの表彰台により逆転王座は叶わずわずか2ポイント差でシーズンを終えた。
■ ピアストリは2位完走、戦略に泣く
ハードスタートで勝負を仕掛けたピアストリは終盤に挽回したものの届かず、2位完走で年間3位を確定させた。
■ 角田裕毅は“役目”を果たすも14位
角田裕毅はロングスティントでノリスを抑える役割を担いチームを支援したが、5秒ペナルティもあり14位フィニッシュに終わった。
■ 中団は激戦、ルクレール・ラッセル・ハミルトンが存在感
ルクレールはノリスを追い詰めて4位、ラッセルはブレーキ不調の中で5位、ハミルトンは16番手から8位とそれぞれ意地を見せた。
■ 戦略が分けた最終決戦の行方
マクラーレンの分かれた戦略とレッドブルの安定した1ストップがレース構図を形成し、レースの主役とタイトルの主役が異なる象徴的な最終戦となった。
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