角田裕毅 レッドブルF1昇格も「違いを生めない」とパトレーゼ辛辣評価

パトレーゼは「角田裕毅はF1に長く居続けられる」としつつも、「違いを生み出すことはできない」と断じ、偉大なチームメイトと同じガレージで戦う厳しさを語っている。
かつては自信満々だった角田裕毅の失墜を見るのは痛ましい。
レッドブルでマックス・フェルスタッペンのチームメイトに昇格したことで、彼は残酷な現実を突きつけられた。
昨年セルジオ・ペレスを放出したチームは、短期間リアム・ローソンを起用したが、彼も急速にレッドブルのドライバー残骸の山に追いやられた。その後チームは角田裕毅にすべてを託した。かつて彼は「同じマシンならフェルスタッペンに勝てる」と豪語していた。
しかし、それが大きな誤りであることが明らかになった。角田裕毅はフェルスタッペンに全く近づくことができず、今やF1での将来そのものと戦っている。角田裕毅がレッドブルの長年にわたるセカンドドライバー問題の解決策ではないことは明白であり、その問題はすでに多くのフェルスタッペンのチームメイトを飲み込んできた。
カルロス・サインツは、マックスがトロ・ロッソからレッドブルに昇格したときに見送られた(結果的に賢明な判断だった)。その後ダニエル・リカルドは、チームが次第に「チーム・フェルスタッペン」となっていく中で闘いから逃げることを選んだ。2019年にはピエール・ガスリーとアレクサンダー・アルボンが打ち砕かれ、ペレスはその後4年間でじわじわと消耗した。ローソンは最初からチャンスがなかった。そして今、角田裕毅がその犠牲者の列に加わった。
こうした状況の中、グランプリ勝者でモータースポーツのベテランであるリカルド・パトレーゼが角田裕毅の苦境と、フェルスタッペンやミハエル・シューマッハといった偉大なドライバーとチームメイトになることの意味について自身の見解を語った。
角田裕毅に何が起きているのか?
パトレーゼは角田裕毅の将来について率直に語る。
「角田裕毅はF1にいるが、違いを生み出すことはできない」と71歳のイタリア人は語った。
「昔はドライバー自身が多くの決断をする必要があった。今はマシンに乗れば、多くのことを説明され、最後にF1カーを運転できる」
「しかし“違いを生む”というのは別の話だ。問題ない、角田裕毅はF1に長く居続けることはできるだろう。だが結局のところ、彼がそこにいてもいなくても、大きなドラマではない」
パトレーゼは、同じガレージにスーパースターがいるとはどういうことかを身をもって知っている。
「チームにシューマッハのようなドライバーやフェルスタッペンのようなドライバーがいれば、それは本当のプレッシャーだ。彼らが超速いことを知っているからだ。自分も同じ姿勢を持つ必要がある」
「私がミハエルと一緒だったとき、私はほぼ40歳だった。フェラーリが今ルイスと置かれている状況とほぼ同じだ。ウィリアムズで素晴らしい時期を過ごした後、その年にタイトルを争えるとは思っていなかった。私は経験でチームのレベルを上げることに集中していた」

パトレーゼ、シューマッハのチームメイトとして
パトレーゼは、1993年にベネトンで果たした自らの役割を「開発」にあったと説明した。
「93年後半にはマシンは改善した。なぜなら私はマシンの問題について決して文句を言わなかったからだ。チームの内部で密接に働いていた」とパトレーゼは説明した。
「私は黙っていた。問題はブリアトーレが良い広報をしていなかったことだ。シューマッハとの関係では、彼がとても速かったのでプレッシャーがあった。その時点での私のキャリアでは、F1で17年を経て、前年と同じようなチャンスがなければ自分のベストは発揮できなかった」
パトレーゼにとって重要なのは、その比較をする「タイミング」だった。
「もし本当に自分の速さをミハエルと比較して、彼と同等かどうかを見たかったなら、22歳か23歳のときに彼とレースをする必要があった。1993年にはマシンに問題があった」
「だから私はシューマッハの速さを気にするよりも、マシンを改善するために働くことに集中した。彼に太刀打ちするのは難しいことが分かったからだ。必要なのは速さだけでなく士気でもある。士気が下がれば速さも落ちる」
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