角田裕毅 F1スペインGP後にレッドブルとピレリの2日間テストで巻き返しへ

ここ最近、角田裕毅は厳しいレースが続いており、スペインでの予選では最下位に沈み、マシンのペース不足に「困惑した」と語った。
日曜の決勝では、レッドブルがRB21に変更を加えたことでピットレーンからのスタートとなったが、レースでは順位を大きく挽回することはできず、最終的に14位でチェッカーを受けた。終盤のセーフティカーがレース展開を狂わせ、ポイント獲得のチャンスも潰えてしまった。
それでも、最終的に角田裕毅が最大の懸念としていたのは、RB21の深刻なペース不足だった。
「今回のグランプリでは、どういうわけかペースが大きく落ち込んでしまって、自分のパフォーマンスを発揮することができなかったのが本当に残念です」
「正直、このグランプリに関しては、本当に本当に奇妙な感覚でした」
レッドブルRB19を使用したターゲットテスト
火曜日には、レッドブルの2023年型マシンRB19を改修した車両を用いた「過去車両テスト(TPC)」を1日かけて実施。通常のレース週末とは異なり、TPCテストではセッティングの自由度が高いため、レッドブルは角田裕毅がマシンのパフォーマンスレンジをより深く理解し、セットアップのばらつきを解消するうえで重要な機会と位置付けている。
このテストは当初、4月にシルバーストンで予定されていたが、天候不良で中止されていたものの代替実施となった。レッドブルは当時、貴重な走行距離を無駄にしないため、天候が悪化した中での実施を見送っており、今回のスペインでの晴天を生かす形で挽回が果たされた。

ピレリの2026年タイヤ開発と将来に向けた準備
水曜日も引き続き角田裕毅はサーキットに残り、今度はピレリの2026年タイヤ規定に向けた開発プログラムに参加した。
この日はRB19をベースにした2026年仕様のミュールカーをドライブ。『The Race』の報道によれば、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリと共に、将来のレギュレーションに向けたコンパウンド評価を行ったという。
この種のテストは、チームがタイヤ開発の名目でパフォーマンス上の利得を得ることがないよう厳しく規制されているが、それでも角田裕毅にとってはレッドブルのマシンで多くの周回を重ね、感覚を取り戻す貴重な機会となった。
これらのテストの結果が今季のパフォーマンスに直接影響を与えることはないが、特に自由度の高いTPCセッションで得られたデータは、ここ最近角田裕毅を苦しめていた不振の原因をレッドブルが特定し、解決するための重要な材料となる可能性がある。
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