ヒョンデのF1参入をシリル・アビテブールが否定「韓国本社の軽率な投稿」

韓国の自動車メーカーであるヒョンデは先週金曜、「What If?(もしも)」の文字がリアウイングに記されたF1マシンの画像をSNSに投稿。「Get ready for the ride(乗る準備を)」というキャプションも添えられたこの投稿は瞬く間に削除されたが、F1界に波紋を呼んだ。
F1に空きがある12番目のチーム枠をめぐって、最近ではオトマー・サフナウアーが北米投資家グループとともに関心を示していることもあり、今回のヒョンデの投稿が関連しているのではないかという憶測も飛び交った。
これについてアビテブールは、ラリー・ギリシャの会場で仏メディア「Auto Hebdo」に対し次のように語った。
「韓国のマーケティング部門が少し軽率な投稿をしてしまった。注目を集めたかったんだろうけど、それはうまくいった。とはいえ、もう削除されたことからも分かる通り、そこに裏付けは何もない。F1プロジェクトなんて存在しない。我々はすでに2つのプログラムで手一杯で、それに集中している」
現在ヒョンデはWRC(世界ラリー選手権)に加え、2026年からWECおよびル・マン参戦を目指す「ハイパーカープロジェクト」の準備も進めている。
また、F1参入の可能性について国際メディアから質問されたアビテブールは、長期的には可能性があると認めつつも、こう付け加えた。
「短期的にはまったくない。参入の現実的なタイミングは2031年だろう。アウディを見てみれば分かる。2021年に決断して、2026年の参入に向けて動いている」
「F1はまったく異なる世界だ。我々に他人の請求書を払う趣味はないから、スポンサーとして関わるつもりはない。それはヒョンデのスタイルじゃない。関わるなら自前の技術で挑むしかない」
一方で、ルノーがF1のワークスエンジンプロジェクトを終了することを発表したことで、アビテブールがヴリー・シャティヨンの元ルノーF1拠点で人材を探しているとの噂も浮上している。
さらに、ヒョンデがフォーミュラEへの参入を検討している可能性についても次のようにコメントした。
「フォーミュラEの技術的ロードマップは興味深い。ただし、ファン層や視聴者の人気という面で、ある種の『ガラスの天井』を破れずにいるチャンピオンシップでもあるように思う。その可能性については今後も検討を続ける」
カテゴリー: F1 / WRC (世界ラリー選手権)