F1 ウィリアムズF1 2018年のF1世界選手権
ウィリアムズは、2018年F1マシン『FW41』を15日(木)にロンドンで発表した。

新車『FW41』は前年マシンから大きく異なる外観となっている。FW41は昨年3月に最高技術責任者としてチームに加入したパディ・ロウ、そしてチーフデザイナーとして加入したエド・ウッドが初めから開発に関与する最初のF1マシンとなる。

ウィリアムズ FW41はカラーリングこそこれまでと同じホワイトと“マルティーニ・ストライプ”を纏っているものの、全体から醸し出す雰囲気はこれまでとはまったく異なるものになっている。特にマシンサイドのコンセプトは異なり、サイドポット周りの形状やフェアリングは昨年フェラーリが採用したものに類似している。

2018年のF1レギュレーションでは、新たにコックピット保護デバイス『Halo』が導入され、昨年不評だったシャークフィンとTウィングのエリアは開発が規制されている。そのため、エンジンカバーの形状は異なり、Tウィングに相当するフェアリングはエンジンカバー下端の異なる部分に搭載されることになると予想されている。

パディ・ロウは、ウィリアムズFW41には前年とは異なる新しい空力アプローチを採用したと語る。

「皆さんに初めてFW41をお見せするのは非常にエキサイティグなことだ」とパディ・ロウはコメント。

「これは、空力デザイン、ビークルダイナミクス、レースエンジニアリング、そしてシステムエンジニアリングを含む組織内のさまざまな機能にわたる素晴らしいチームワークの成果だ。クルマには多くの新しい特徴がある。大部分はそれほど目立ったものではないが、外面的にチームはこれまでと非常に異なる空力コンセプトを追求しており、それによって我々は空力パフォーマンスにおいて大きな進歩を遂げることができた」

「全てのF1カーはある程度においては以前の進化形ではるが、FW41は過去に追求された方向性とは離れたものが数多く含まれている。全体として我々が目にしている哲学は、最適な作業結果を達成するための空力とデザインのコラボレーションによる新たなアプローチだ。空力、構造、重量はF1マシンを設計する際にトレードオフが必要となる3つの主な要素だ。メルセデスHPPからのさらなる開発を組み込むためのパッケージングの根本的ば変更の数々と平行して、そのような全ての作業がなされたおかげで、今日FW41の披露することができた」

「我々はこのマシンが2017年と比べてパフォーマンスランキングで前進できることを期待している。ランスとセルゲイという2人の才能ある若手レースドライバーのコンビネーション、そしてロバートがリザーブ兼開発ドライバーとして貢献してくれることに技術チーム全体が非常にポジティブに感じている」

ウィリアムズ FW41 (サイド周り)ウィリアムズ FW41 ((フロント周り)

フェリペ・マッサが引退したことで、ウィリアムズは新たにルーキーのセルゲイ・シロトキンをレースドライバーに起用。2年目のランス・ストロールとともにチーム史上最も若いラインナップでシーズンを戦う。また、リザーブ兼テストドライバーには2011年のラリー事故による負傷によってF1から遠ざかっていたロバート・クビサが就任する。

「新シーズンにむけて、新たなエキサイティングなドライバーとともに新車を発表することに興奮しています」とウィリアムズの副チーム代表を務めるクレア・ウィリアムズはコメント。

「何か月もの間、チームはFW41に多大な努力を注いできました。今月後半にランスとセルゲイの二人がコースで走らせるのを楽しみにしています」

「昨年、ランスは本当に力強いデビューシーズンで素晴らしいパフォーマンスを披露しました。順位表ではフェリペにわずかな差でした。彼の表彰台フィニッシュはトップ3チーム以外では唯一のものであり、我々は今シーズンそれを土台にしてくことを目指しています」

「セルゲイとロバートをウィリアムズに迎え入れることもうれしく思っています。二人とも優れたスピードとクオリティを示していますし、チームにとって強化でしかありません。セルゲイはテクニカルチームに感銘を与えました。彼がレースシートにステップアップする機会を与えられることは我々にとって素晴らしいことです。ロバートもシーズン中のマシン開発に彼の経験を生かし、チームと密接に仕事をしていきます。チーム全体が今年のクルマの開発と生産に多大な努力を払っており、コース上でクルマを目にするのを全員が楽しみにしています」

昨年、18歳でF1デビューを果たしたランス・ストロールは、F1カナダGPで史上最年少の表彰台、イタリアGPでは史上最年少のフロントロースタートという2つの記録を塗り替えた。成績もフェリペ・マッサから3ポイント差という上々のデビューを果たしている。

「新シーズン前には多くの期待と未解決の疑問があるものであり、それがさらにエキサイティグにさせてくれる」とランス・ストロールはコメント。「チームと1シーズンを経験し、コースに戻って新車を確かめるのが待ち切れない。コースに出てみるまではどのような競争になるかはわからないけど、とても興奮しているし、チームが造り上げたクルマについては楽観的だ。去年は僕にとって急な学習曲線だったし、今は2018年に何が待ち受けているかを確認するのが待ち切れない」

2018年にF1デビューを果たすことになったセルゲイ・シロトキンは「シーズにむけて本当に興奮している」とコメント。「ファクトリーで多くの時間を過ごしてきたし、今はほぼ住んでいるようなものだ。僕にとって、そしてファクトリー周辺のすべて人々にとってそれは大きなモチベーションになっている。メカニックやエンジニアのみんなと本格的な仕事を開始しるのは大きな楽しみだったし、うまくいってる。懸命にトレーニングを積んできたし、定期的にクルマの異なるセットアップ、異なるトラックでシミュレーターにも乗っていた。シート合わせや多くのエンジニアリングミーティングや全員に会うための工場見学などもやってきた。異なる部署のすべての人と楽しくやっている。忙しい時期だけど、本当に楽しんでいる。最高のカタチでシーズンにむけた準備はできている」

リザーブドライバーとしてチームを支えていくロバート・クビサは「2011年にレースをしていた時とは違った役割でF1に戻ってきたけど、F1パドックに恒久的に戻ってくることができたし、楽しみにしている」とコメント。

「以前に行っていた場所に戻ることを楽しみにしているし、人生での様々な瞬間から違った感情が芽生える場所もあるだろう。時には他の人たちがレースをしているのを観るのがかなり難しい時期もあるだろう。でも、僕は今年異なる役割を果たす。たくさんのレースややることがあり、タフなシーズンになると思う。チームのためにやらなければならない仕事を成功させなければならない。さあ、始めよう!」

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カテゴリー: F1 / ウィリアムズ・レーシング