フォルクスワーゲン WRC
2016 年世界ラリー選手権(WRC)の幕開けを告げる伝統の一戦、「ラリー・モンテカルロ」が、1月21日(木)〜24日(日)、フランス・オートアルプ県の県庁所在地「ギャップ」を中心に開催された。

フォルクスワーゲン・モータースポーツのセバスチャン・オジェは、ポロ R WRCを首位でフィニッシュに導き、自身33勝目、そしてチームとして35勝目を記録した。

また、チームメイトのアンドレアス・ミケルセンも2位完走となり、フォルクスワーゲン・モータースポーツは、2016年のシーズンを1-2フィニッシュという形でスタートを切った。

ヤリ-マティ・ラトバラ選手は、3番手走行中のデイ2でクラッシュし、残念ながらリタイアとなった。

「ラリー・モンテカルロ」は、最難関イベントと言われている。木曜夕刻の公式スタートの場、カジノ広場に雪はないが、フレンチアルプスのギャップに移ると、路面はドライ、ウェット、アイス
バーン、スノーと変化、ひとつのスペシャルステージ(SS:競技区間)ですべてのコンディションに遭遇することも珍しくない。スリック、ブロックパターン、スパイク付とさまざまなタイヤが用意されるが、刻一刻と移り行く状況には完全に対応できず、常にある種の妥協を強いられる。これを埋めるのが、チームのタイヤ選択であり、ドライバーの卓越したタイヤ管理。マシン、ドライバー、戦略、スピード、抑制心が噛み合い、さらに幸運の女神を微笑ませて、ようやく勝利を手にできる。

2016 年ラリー・モンテカルロは、総走行距離 1,474.34km のターマック(舗装路)イベント。急なカーブがいくつも折り重なる「チュリニ峠」や悪名高いシステロンを含め、全 16カ所のSSが設定され、SS 総距離は 374.89km。

実家がラリールート上にあるセバスチャン・オジェは、3度のWRCタイトルに輝くディフェンディングチャンピオン。木曜夜の2ステージを2位でまとめ、本格的な競技が始まるデイ1最初のSSで首位に立った。イ2では、2番手につけていたクリス・ミーク(シトロエン)のリタイアもあり、リードをさらに拡大。これについてセバスチャン・オジェは、「最後までやり合いたかった」と、アスリートらしい一面を覗かせた。

アンドレアス・ミケルセンは、巧みなタイヤ管理によって順位を上げ、最終的に2位でフィニッシュ。今季からコンビを組むコドライバーのイェーガーは、WRCデビュー戦を表彰台で飾る快挙を達成した。

次戦「ラリー・スウェーデン」は、スウェーデンのカールスタッドを中心に2月11日(木)〜14日(日)に開催される。

ヨースト・カピート (フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクター)
「1-2 フィニッシュで新シーズンをスタートできるのは、ひとつの偉業です。このラリーでは、すべての要素が噛み合わないかぎり成功はありません。チーム内で頻繁に聞かれる質問は、『手伝うことあ
るかい?』です。この言葉に我々のチームスピリットが集約されています」

セバスチャン・オジェ (優勝)
「WRC を象徴するラリーで勝利を収めることができました。今の気持ちを言葉にするのは難しいですね。チームの面々、抜群の性能を発揮したポロ R WRC、声援を送ってくれたファンに感謝します」

アンドレアス・ミケルセン (2位)
「素晴らしいスタートが切れました。“モンテ”の入賞には、特別な意味があります。チーム全員が璧な仕事をしてくれたおかげです」

ヤリ-マティ・ラトバラ (リタイア)
「競技委員の決定を受け入れます。事故は残念ですが、二度と繰り返さないよう最善の努力を払います。観客に大きな怪我がなかったことが不幸中の幸いです」

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カテゴリー: F1 / フォルクスワーゲン / WRC (世界ラリー選手権)