F1ドライバーの初勝利:セバスチャン・ベッテル (2008年F1イタリアGP)
セバスチャン・ベッテルがF1で初勝利を挙げたのはトロロッソ時代の2008年のF1イタリアGP。当時の様々な最年少記録を破り、F1史上101人目のウィナーとなった。

1995年にレッドブルのジュニアドライバーとなったセバスチャン・ベッテルは、2006年に2年間のローン移籍でBMWザウバーのサードドライバーに就任。金曜フリー走行での初出走となった第14戦トルコGPでトップタイムを記録して注目を集めた。

そして、2007年に第6戦カナダGPで大クラッシュを喫したロバート・クビサの代役として第7戦アメリカGPで急遽F1デビュー。19歳349日で参加したレースで8位に入賞し、ジェンソン・バトンの20歳67日を更新し、当時のF1史上最年少入賞記録を樹立する。

第11戦ハンガリーGPからはスコット・スピードに代わってトロロッソのレギュラードライバーとして参戦。第15戦日本GPでは3周にわたってラップリーダーを記録し、当時の最年少ラップリーダー記録を更新する(20歳89日)。第16戦中国GPでは自身とトロロッソにとって最高位である4位を獲得する。

2008年もトロロッソからフル参戦。第6戦から新車STR3が投入されると速さをみせることになる。そして、予選・決勝とも大雨となった第14戦イタリアGP。予選では自身及びトロロッソにとって初のポールポジションを獲得。決勝レースでも2位以下が雨により混戦を繰り広げる中、安定したドライビングで首位を堅持し、ポール・トゥ・ウィンで自身初優勝を果たす。トロロッソにとってチーム初優勝であり、親チームでのレッドブルよりも先に勝利を収めることになった。21歳72日はF1史上最年少ポールポジション、21歳73日は当時の最年少優勝・最年少表彰台および最年少ポール・トゥ・ウィンとなった。さらに“初表彰台が初優勝”は1979年第8戦フランスGPでのジャン=ピエール・ジャブイーユ以来であり、記録づくめの歴史的な勝利となった。

セバスチャン・ベッテル
「素晴らしいレースだった。ポールポジションも獲得できて素晴らしい週末だった。レースの戦略も素晴らしかった。表彰式は信じられなかった。今日は僕の人生で最高の日だ。この気持ちは忘れない。本当に信じられない。予想以上の結果だ。素晴らしい仕事をしてくれたチームの全員に心から感謝したい。シーズンのスタートはあまり良くなかったけど、その後、どんどんと良くなっていった。今日のようなコンディションだったら、もう少し努力して、もう少し長くアクセルを踏んでいたら、もっと早くポジションを上げることができていたかも知れない。言葉にならない。レースに関しては、ドライになるかもしれないことを考慮してハイダウンフォースは選択せず、ドライレベルのダウンフォースだったので、ストレースのスピードがとても速かった。最前列で視界の問題がなかったことが鍵だった。すぐにヘイキ(コバライネン)を引き離すことができた。その後も全力でプッシュした。限界を超えてコントロールを失いそうになったこともあった。インターミディエイトへの交換後、とても良いポジションで最終スティントをスタートすることができた。自分のボードにまだ“P1”と出ていたのは信じられなかった。でも、集中力を失わないために、気を抜かずにプッシュし続けた。パーフェクトな週末だった」

翌年、セバスチャン・ベッテルはレッドブルに昇格。第3戦中国GPで自身2度目のポール・トゥ・ウィンで再び雨のレースで達成し、レッドブルに初勝利をもたす。そして、2010年からレッドブルとともに両方のタイトルを4連覇。23歳134日の史上最年少ワールドチャンピオン記録はいまだ破られていない。

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