セバスチャン・ベッテル マルコ後任説もレッドブルF1復帰を阻む過去の遺恨
セバスチャン・ベッテルがレッドブルF1のモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコの後任となる可能性は「低い」との見方が広がっている。

4度のワールドチャンピオンであるベッテルと、現在82歳のマルコは、ここ数カ月にわたり後継者問題に関して含みのある発言をしてきた。しかし、マルコは2026年まで契約を有しているうえ、最近ではクリスチャン・ホーナーの解任工作に関与していたと報じられ、むしろその立場は強化されたとも見られている。

マルコ自身も、ベッテルの後任就任についてこう語っている。

「興奮するような話じゃない。もちろん、いずれは後継者を考えなければならないが、候補者は多くいても、まだ何も具体的には決まっていないし、具体的な話し合いもない」

さらに、元F1ドライバーでドイツのレジェンド、ハンス=ヨアヒム・シュトゥックも「ベッテルはレッドブルにとって完全に間違った選択だ」と断言している。

「レッドブルには特別な思いがある」ベッテルの本音
一方、ベッテル自身はORFの『スポルト・アム・ゾンターク』の中で、「フェラーリやアストンマーティンに在籍していたとはいえ、自分が最も近く感じるのはやはりレッドブルだ」と語っている。

2015年にレッドブルからフェラーリに移籍したことについて、後悔はないとしながらも、その別れ方についてはわだかまりがある様子をのぞかせた。

「移籍そのものを後悔してはいない。多くの経験と学びを得られた」と前置きしたうえで、「ただ、人間的な要素が少し欠けていたと思う。ある種の合意を守りすぎたのかもしれない」と述懐。

特に、マルコをはじめとする恩人たちにフェラーリ移籍の情報を秘密にしていたことを悔やんでいるようで、「単純に正直に伝えて、合意条項にはこだわらない方が良かったのかもしれない」と語った。

それでもベッテルは、「当時一緒に働いた人たちとの関係は今でも良好」だとしており、「フェラーリ時代も楽しかったが、自分の大部分はいまだにレッドブル、そしてレッドブル・レーシングと結びついている」との思いを明かしている。

セバスチャン・ベッテル レッドブル・レーシング

ラルフ・シューマッハ「すでに“ノー”を突きつけられた」
こうしたベッテルの発言に対し、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハはドイツ『Sky Deutschland』の番組『Backstage Boxengasse』で、「彼がレッドブルに戻るとは思えない」と一蹴した。

「これは一方的な話だったと思う。私が聞いている限りでは、彼はすでに“ノー”と言われている。だから、議題にすらなっていないはずだ」

レッドブルとベッテル、互いに特別な絆があることは否定できないが、少なくとも現時点での復帰の可能性は限りなく低いようだ。

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カテゴリー: F1 / セバスチャン・ベッテル / レッドブル・レーシング