セバスチャン・ベッテル F1復帰の可能性を完全否定「自分の時代は終わった」
4度のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルは、F1復帰の可能性を明確に否定し、自身のF1でのキャリアは「終わった」と語った。

2022年末で現役を退いたドイツ人ドライバーは、通算53勝と4度のタイトルを獲得し、同時代を代表する存在だった。アストンマーティンでの2年間を経てヘルメットを置いた彼は、以後、社会的・環境的な課題に取り組みながら、時折F1パドックを訪れている。

最近では、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコが、ベッテルがセルジオ・ペレスの後任としてレッドブル復帰を打診したと主張して話題となった。

しかしベッテルは、独Auto Motor und Sportの取材に応じ、その噂を否定するかたちでこう語った。

「F1は終わったんだ。いつかは他の人たちに道を譲る時が来る」

「新人たちを見ていると、それが正しいことだと思う。今は何人かが入れ替わっているけど、これは“古い世代”を否定しているんじゃなく、“若い世代”を支持しているだけなんだ」

「自分が若かった頃、どのベテランドライバーがいなくなったかなんて気にしていなかった。ただ自分が走れることがすべてだった」

セバスチャン・ベッテル F12014年アメリカGP、レッドブルRB10を駆るセバスチャン・ベッテル(Red Bull Racing)

WEC参戦の可能性には含み「やるなら中途半端は嫌だ」
一方で、ベッテルの名前は他のカテゴリーでも取り沙汰されており、2023年にはフォーミュラE参戦の噂も浮上。最近ではポルシェ963ハイパーカーでWEC(世界耐久選手権)のテストを行ったことが報じられている。

F1と比べてレース数の少ないWECについて、ベッテルは完全に否定することはなく、慎重ながらも前向きな可能性を示した。

「モータースポーツで『レースは半分だけやる』なんてことは難しい」

「WECは年間8戦だし、F1とはスケジュールも違っていて、実際うまく合うと思う」

「でも、何をやるにしてもどれだけ本気で取り組むかが重要なんだ」

「自分はいつも“やるならちゃんとやる”という姿勢でやってきた。少しだけ走る、なんて自分には向いていない」

これらの発言からも、F1のようなフルタイムでの活動には戻らない姿勢を明確にしつつも、WECのような新たな挑戦には慎重ながらも興味を示している様子がうかがえる。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / セバスチャン・ベッテル