セバスチャン・ベッテル vs ミハエル・シューマッハ
ミハエル・シューマッハが同じくドイツの期待の新人ベッテルとレースやふたりの関係、サーキットで対戦していたらどちらが勝っていたかなどについて話した。

− 初めての出会いを覚えていますか?
ミハエル・シューマッハ ぼくらが知り合ったのはかなり前のことだ。ケルペンのカート・レースでぼくはすでにセブに注目していた。当時は7,8歳だったのかな?

セバスチャン・ベッテル 7歳だったと思う。

シューマッハ 本当?

ベッテル 違う10歳だ。1997年のことだから。

シューマッハ ぼくが彼に注目し始めたのは、ゲルハルト・ノアックのおかげだ。彼はぼくをサポートしたのと同じようにセブをサポートしていた。あのレースは特別だった。ウェット・コンディションでスリックを使っているのは、トップグループではセバスチャンだけだった。あれを見れば、才能があるドライバーだと言うことは一目瞭然だった。

− セバスチャン、あなたも同じように覚えていますか?ミハエル・シューマッハがサーキットに来ていたことを知っていましたか?
シューマッハ 知ってたに決まってるよ、ぼくがチェッカーフラッグを振ったんだから!

ベッテル ミハエルが来てくれたことは、子ども達みんなにとって特別なことだったからね。ミハエルからトロフィーが渡されるということで、100人以上がレースに参加したんだ。ミハエルにコンディションは難しいかと訊ねられたので、ぼくは『ドライのままならうまくいくかもしれないけど、滑りやすい』と答えた。ウェットタイヤを使うことに決めた人もいたけど、ぼくはスリックのまま走ることにした。リスクがなきゃおもしろくないって思ったんだよ。リザルトを見れば、それが間違えだったということがわかるけどね。でも、2位だったので、かなり良いパフォーマンスだったんだと思う。

− ミハエルに憧れていた?
ベッテル 彼はぼくのヒーローだった。ミハエルが来た地方レースのNRWカップのファイナルに出場するのは、ぼくたちにとっては最高の出来事だった。子どもたちにとっては、彼に会えただけでも特別なことだった。ぼくたち全員にとって、彼はテレビで見たことがあるドライバーだったからね。でも、彼はぼくたちと変わらない普通の人だった。仲良くさせてもらっている。今はサッカー仲間だ。

− ベッテルは次のチャンピオンになりますか?
シューマッハ さっき言った通り、極端に難しいコンディションでも良い成績が収められるということは、才能に恵まれたドライバーだということだ。いろんな面で彼は才能を発揮している。クルマがベストではなくても、彼は素晴らしいパフォーマンスを見せることができる。昨年のモンツァが良い例だが、そんなことが続いている。

− 成功のレシピは?
シューマッハ 成功するためには様々な材料が必用だ。カートはセバスチャンにとって重要だったと思う。細かな部分に気を配るなど、彼はカートから様々なことを学んでいる。F1でも彼は同じことをやっている。でも、彼のドライビングはいつ見ても楽しいので、幸運を祈っている。

− ミハエルから学んだことは?
ベッテル レース以外の事が多い。クルマやタイヤは年々少しずつ変化しているので、ドライバーもラインを変えなければならない。だから、3年前のニュルブルクリンクのターン8をどんなラインで走ったかミハエルに質問しても仕方がないんだ。自分で考えるしかない。だから、レース以外のことだ。例えば、初めてのF1テストの前には、トレーニングについて質問したら、水泳が良いと教えてくれた。クロールの息継ぎができなかったんだけど、練習したらどんどんうまくなって、今は問題なく泳げるようになった。こういった小さなことだね。こんなことが時には大きな差をもたらしてくれることもある。

− シューマッハ対ベッテルのレースには興味はありますか?
シューマッハ 若手のレースを観ているのは楽しいが、ぼくには趣味が他にも沢山あるしね。自由も楽しいから、答えはノーだね。興味はない。遊びでカートでもやれば、それで十分。

ベッテル ミハエルは特別な存在だ。2年差で彼と対戦できなかったことも悔しくはない。ナンセンスだよ。子どもだったぼくにとっては、全てが遠い存在だった。それが突然ミハエルと同じクルマを運転できるようになったんだ。もちろん、一歩一歩努力を重ねた結果だけれど、短かったようにも、長かったようにも感じる。少しずつ慣れてきたんだ。もちろん、最初は落胆したこともあったけれど、それもレース。経験を積むに従って慣れて、気持ちも楽になり、自信が持てるようになる。その先のシナリオは、うまく行けば自然とやってくるものだ。

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カテゴリー: セバスチャン・ベッテル | ミハエル・シューマッハ