マックス・フェルスタッペン、2025年F1王座争いで「心理戦を続けていた」
マックス・フェルスタッペンは、2025年F1タイトル争いにおいてマクラーレンと激しく競り合う中で、心理戦を「もう必要ない」と語っていたにもかかわらず、実際には駆け引きを続けていたことを認めた。

10月の時点で、4度のワールドチャンピオンであるフェルスタッペンは、ランド・ノリスやオスカー・ピアストリに対して精神的な揺さぶりをかけているという見方を否定し、ルイス・ハミルトンと激しく争った2021年シーズンと今季を対比していた。

「当時は、それが僕のやっていたゲームだった。じゃあ、また同じことをやるのか? その必要はない」とフェルスタッペンは当時語っていた。

「当時は、まだワールドタイトルを一度も獲っていなかった。今はもういくつか持っているし、彼らはまだだ。この段階では、まだ世界チャンピオンになったことがない方が、自然と緊張するものだ」

しかし、タイトル争いが決着した後にViaplayの取材に応じたフェルスタッペンは、その“マインドゲーム”が実際には止まっていなかったことを認めている。

インタビュアーは、フェルスタッペンが「自分がマクラーレンに乗っていれば、数カ月前にタイトルを決めていただろう」と発言したことに触れ、それが意図的な挑発だったのかを問いかけた。

「それはもう、僕の中に自動的にあるものなんだ」

「ちょっと楽しんでやっている部分もある。だって、そういう発言をすれば、どこにでも書かれるって分かっているからね」

「言おうが言うまいが、僕は気にしない。時々は好きなんだ。そうすると、相手からリアクションが返ってくる。それも、この世界の一部だからね」

“必要ない”と言いながら続いていた心理戦
フェルスタッペンの言葉から浮かび上がるのは、「心理戦を使う必要がない」という自己認識と、「無意識のうちにやってしまう」という実像のギャップだ。4度の世界王者となった今、タイトル未経験のライバルに対して精神的な優位を自覚していながらも、挑発的な発言によって相手の反応を引き出す姿勢は変わっていなかった。

本人が語るように、それは計算された戦略というよりも、フェルスタッペンの性格やレース哲学の一部として自然に表出するものだ。発言が記録され、反応が返ってくること自体を楽しむ感覚も含め、心理戦は彼にとって切り離せない要素であり続けていたことが、この告白から明らかになっている。

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カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング