フェルスタッペンが見せた意外な素顔 F1ルーキーたちの“父”と呼ばれる理由

その姿勢は、メルセデスのルーキー、アンドレア・キミ・アントネッリの証言によって明らかになった。フェルスタッペンはルーキー陣の間で、いつしか「ルーキーたちの父」と呼ばれるようになっているという。
チャンピオンが担うメンターとしての役割
フェルスタッペンは今季もサーキット上で成功を収めてきたが、コース外での振る舞いが特にルーキーたちの心に響いている。
ザウバーのガブリエル・ボルトレトにとって、そのサポートは特別な意味を持っていた。彼はシムレーシングを通じて長年フェルスタッペンと親交があり、その関係性がF1の舞台でも支えになっているという。
「ブラジルにいる家族全員が、僕にとって本当に大きな存在だ」
とボルトレトはF1公式の取材で語っている。
「今年はなかなか現地に来られなかったけれど、来てくれたレースではいつも素晴らしかった。それに他のドライバーたちからの支えもある。フェルナンド(アロンソ)もそうだし、マックスも舞台裏でかなり支えてくれている。だから、本当にありがたい」

アントネッリが語る“ルーキーたちの父”
アントネッリがフェルスタッペンの存在を強く実感したのは、カタールGP後だった。ランド・ノリスとの接触を巡ってオンライン上で批判を浴びた際、フェルスタッペンが直接声をかけてきたという。
「彼はサポートを申し出てくれた。マックスは、すべてのルーキーに対してとても支えになっていると思う」
とアントネッリは語る。
「なんて呼ばれているか知ってる? “ルーキーたちの父”だよ。でも、本当に素晴らしいことだ」
さらにアントネッリは、ルーキー世代全体が歓迎されていると感じていることにも触れた。
「ルイス(ハミルトン)もそうだけど、正直みんなが、これだけ多くのルーキーがいることを受け入れてくれていたと思う」
「それぞれのやり方でサポートを示してくれたし、家族の存在も大きい。父はシーズンを通してずっとそばにいてくれたし、時々は家族全員も来てくれた」
「特にF1の初年度には、こういう支えが本当に必要なんだ」
冷酷な王者が見せたもう一つの顔
妥協を許さない競争心で知られるフェルスタッペンだが、こうしたエピソードは、そのキャリアに別の側面があることを示している。
若いドライバーが次々と台頭する中で、門戸を閉ざすのではなく導く存在となった28歳の王者。その姿勢は、アントネッリやボルトレトにとって、過酷なルーキーシーズンを学びの時間へと変える大きな助けとなった。
その結果、フェルスタッペンは新たな称号を得た。
F1パドックにおける、究極の“父親役”として。
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